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伝奇ミステリ 禁忌の六崇拝像「2話」

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作成者: 空箱の中身
最終更新者: 空箱の中身
ー1年10カ月後・・・
『うだるような暑い日が
 続いていた。
 研究者の父が失踪して1カ月程が
 過ぎようとしていたある日ー。
 一通の手紙が届いた。
 差出人は全く覚えの無い名前だが、
 目を引いたのは、
 その住所の地名だ。
  赤ツ鹿(アカツカ)。
 失踪した父が研究対象としていた、
 山間の村落がある一帯の名称だ。
 俺は手紙の主を訪ねて、
 赤ツ鹿へと出発した。』
ー赤鹿(あかしか)駅前・昼
トド松:伝奇ミステリ
 あ、こんにちは。はじめまして。
 手紙を書いたの僕です。
 紫坂 一(しさかはじめ)さん?
紫坂と呼ばれた青年
「君が来る前に紙袋をかぶった男に
 話しかけられたんだけど・・・」
一松:伝奇ミステリ
 『僕の兄さんイチマツ』と言われて。
 人違いじゃない?て答えたんだけど。
 あの袋男、この辺によくいるの?
トド松:伝奇ミステリ
 あ・・・
一松:伝奇ミステリ
 ど、どうかした?
トド松:伝奇ミステリ
 す、すみません。なんだか。
 初めて会った気が・・・しなくって。
一松:伝奇ミステリ
 まあ。珍しい顔じゃないからね。
トド松:伝奇ミステリ
 ・・・手紙を書いた件なんですが、
 何かあった時は、あなたに連絡して
 相談するよう父に言われていました。
トド松:伝奇ミステリ
 実は自分に良く似た人についての
 相談だったんですが・・・
 僕も、違う名前で呼ばれたんです。
一松:伝奇ミステリ
 そうなんだ。ええと。
 桃瀬(ももせ)くんだっけ。
 名前、変わってるよね。
トド松:伝奇ミステリ
 『百々史(たかし)』って読みます。
 僕もその紙袋を被った男に
 『僕の弟のトドマツ』と言われて。
一松:伝奇ミステリ
 (ゴソゴソ・・・)ええと。
 百々史(たかし)トドマツ・・・と。
 そっくりな人・・・と他に会話は?
トド松:伝奇ミステリ
 手帳・・・マメなんですね。
一松:伝奇ミステリ
 別にマメという程じゃないけど。
 実体がある根拠は何かある?
トド松:伝奇ミステリ
 実体・・・?そうですね。
 サラミをつまみ食いしていたから、
 生きている人だと思います。うん。
一松:伝奇ミステリ
 サラミをつまみ食い?リアルだな?
 名前だけど『百々』は『トド』って
 読む事もあるから。ほら。
『百々史(たかし)→トドマツ
 一(はじめ)→イチマツ』
トド松:伝奇ミステリ
 あ・・・!そうか『イチ』も!
 『はじめ』さんの『一』か・・・。
一松:伝奇ミステリ
 紙に書いてみると案外、
 単純な話の事もあるからね。
 デタラメという事でもなさそう。
トド松:伝奇ミステリ
 あなたに相談して正解でした!
 とりあえず、うちでゆっくり話しましょう。
 すぐそこなんです。
一松:伝奇ミステリ
 ありがとう。お邪魔するよ。
 ・・・あのさ。
一松:伝奇ミステリ
 名前『ももせももふみ』だったら、
 面白いなって思ってたんだよね。
 あと・・・『とどし』とかね。
トド松:伝奇ミステリ
 え!?『とどし』!?あははっ!
 冗談・・・言うんですね。
一松:伝奇ミステリ
 たまにね。
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