《ノーザン王国》氷嵐の戦歌
氷嵐の戦歌
完成報酬 | コーデギフトBOX (グラニーサンダー、雪原の戦乙女、氷嵐の戦歌、夜明けの光、継承されし詩、40ダイヤ) |
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ページ名 | カテゴリ | 入手方法 |
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夜更けの哀歌 | ヘアスタイル | 夜明けの誓いをカスタマイズ |
雪原の戦乙女 | ヘアスタイル | セットコーデ任務達成「《ノーザン王国》氷嵐の戦歌」 |
暗黒の時代 | ドレス | 真昼の明星をカスタマイズ |
氷嵐の戦歌 | ドレス | セットコーデ任務達成「《ノーザン王国》氷嵐の戦歌」 |
沈黙の火花 | コート | 北風の礼賛をカスタマイズ |
復讐の道 | 靴下 | 信念の道をカスタマイズ |
過去の傷跡 | シューズ | 追憶の故郷をカスタマイズ |
グラニーサンダー | アクセサリー | セットコーデ任務達成「《ノーザン王国》氷嵐の戦歌」 |
黒鷲の羽兜 | アクセサリー | 霜寒の羽兜をカスタマイズ |
恋紅の炎 | アクセサリー | 白夜の月をカスタマイズ |
夜更けの森厳 | アクセサリー | 夜明けの紋章をカスタマイズ |
夜明けの光 | アクセサリー | セットコーデ任務達成「《ノーザン王国》氷嵐の戦歌」 |
恐れなき旅路 | メイク | 悔いなき栄光をカスタマイズ |
継承されし詩 | メイク | セットコーデ任務達成「《ノーザン王国》氷嵐の戦歌」 |
2018年7月20日(金)0:00~5:00終了 アップデート後、スターショップに追加
シリーズ1 | シリーズ2 |
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シリーズ3 | |
夕暮れ、ユージェニーはふと歌声を耳にした。森や大海原や雪原、そして凍土にも屈しない戦士を謳った歌だ。声の出どころはイェーガーだった。沈む夕日を眺めながら琴を爪弾き、祖国を讃え歌っている。
イェーガーは一介のミュージシャンで、最も簡単な護身用短剣でさえ扱えなかったが、領主からは酷く恐れられており、ユージェニーは彼の見張りを命じられていた。この監視によってイェーガーは行動の自由を失い、買い物に行くにも兵士に後を着けられるので、彼の家を訪ねる客は次第に居なくなった。しかし驚いたことに、彼は牢獄にも等しいこの家に大人しく籠り、それまで同様、楽器を弾き歌を唄っていた。
彼の音楽は、短い夏に山を潤す渓流のようであり、彼の歌声は冬の夕暮れ時に鳴く小鳥のようだった。そして彼は、雑草に覆われて荒れ果てた国土を、風雪に脅かされる白樺の樹林を、赤々と燃える篝り火を、早春の山を駆ける美しい少女を歌い、貧しき者は彼の歌に希望と未来を見出し、権力をかさに悪事を働く者は何とも言えぬ恐れを抱いていた。
ユージェニーはどうだったのか?
彼女の心に浮かんだのは故郷だった。遥か彼方、戦火の中で跡形もなく消えた小さな村だ。しっかりイェーガーを見張っていなければならないのに、この時ばかりは彼女も目を背け、そっと涙をこぼした。
「あなたは本当に天才だ」彼女はイェーガーに言った。「革命党と繋がってはダメ。どうか自分を貶めないで」イェーガーは彼女の言葉に感謝をしたが、忠告には従いようがなかった。彼の曲は冬の雪雲よりも早く広まり、誰もがその自由の歌を口遊んだからだ。
彼を迫害していては民衆の怒りを招きかねない。だが、彼が生きている限り、貴族の悪夢は永久に続く。そのことに領主は悩まされた。
ある夜、秘密警察によって青年詩人の多くが連れ去られイェーガーも行方が分からなくなった。彼が宮廷音楽家になったと言う者もいれば、友を売り自分の栄達を図ったと言う者もいた。軍隊の最新の行進曲に彼の名が記されているのがその証拠だと。
ユージェニーの仕事は終了したが、失踪した詩人のことが頭から離れなかった。ある日、何かに憑かれたかのようにイェーガーの住まいを訪ねると、背の低い平屋の外に武装した部下達が立っていた。彼らを押しのけ中へ入ると、そこらじゅうが物色されて酷い有様だった。散乱している楽譜や手紙を拾い集めてみると「ユージェニーと我らの雪原に捧ぐ」と書かれた未完のデザイン図があった。
なんという愚か者だろう。もしユージェニーが来ていなかったら、彼の栄誉は恥知らずのろくでなし共に永遠に踏みにじられていたかもしれないのだ。
彼からの贈り物をそっと懐にしまうと、裏の木戸がドンドンと叩かれた。その威嚇するような音に混じり、銃弾を込める音がする。ユージェニーはテーブルに手をつき無表情で立ち上がった。彼女がイェーガーを見張っていた間、更に多くの目が彼女を監視していたことには気付いていた。
今日の弔いの鐘は逮捕された青年達の為に鳴っているが明日は人々が葬られた故に鳴るかもしれないのだ。
腰の銃を静かに抜き、本棚の死角に身を隠す。格闘は得意だし、射撃にも自信がある。ここから逃れるのは造作ないことだ。そしてこれからは……イェーガーが秘めていた希望を、この雪深き地に再び灯そう。
フヴィートステイン最年少の少尉だったユージェニーはこの日の昼下がり、謀反に加担する指名手配犯になり下がった。刃のような夜風の中、自分に問う。この代償にそれだけの価値があるだろうか?今すぐ引き返し、過ちを認めて領主に頭を垂れれば、失われた栄光を取り戻せるのではないか……。
いや、そんな行いは恥辱以外の何物でもない。自分は何も間違ったことをしていないし、それは犠牲になった彼も同様だ。ただ一つ犯した罪といえば、それはこの凍土をこよなく愛したことだけである。
ユージェニーはイェーガーの戦友に、彼の最後の作品である長編の詩と、彼が殺害されたことを伝えた。ミュージシャンの犠牲は苦難の深淵で大きなうねりとなり、恐怖で縛り付けていた統治を崩壊させた。農具を手に城へと押し寄せた人々と近衛軍が対峙する今、人々に残された頼みの綱はコーデバトルのみだった。この秩序を率先してぶち壊したのは領主なのだから、代価を払うべきは領主なのだ!
陰険で悪辣な領主は笑っていた。ノーザン軍は既に動いている。武力で権力を奪えば必ず制裁に遭う。何より農民のコーディネート力など、近衛軍に敵うわけがない。勝ったも同然なのだ。
だが、領主の考えは甘かった。
あの日、フヴィートステイン城には一つの伝説が生まれた。一頭の駿馬が現れ、雪国の城に久しい夜明けをもたらす。馬上の将軍の身を包むのは、亡き恋人がデザインした鎧。彼女の背後の旗を朝焼けの光が照らし出した。彼女が率いる新たな軍には、人々が付き従い、長き時を経て昇った朝日を共に目指す。
これがノーザン王国フヴィートステイン城の物語。
そんな昔のことをどこで知ったのかって?
……ほら、北風が詩人の歌を口ずさんでいるでしょう?
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