《ストーリーセットコーデ》動かざること山の如し
動かざること山の如し
完成報酬 | コーデギフトBOX (計り知れない万物、日月同舟、十方天地、陰陽太極図、雲海仙境、40ダイヤ) |
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夜が深まり、湛家は誰もいないかのように静まり返っていた。離れの小部屋の中で湛秋明は月明りを頼りに、ややぼやけた鏡と向かい合っていた。勢いよく顔の皮をはがすと祝羽弦の美しくも危険な顔が現れた。
今夜は満月の夜。雲上の人々が信仰する平和の夜だ。彼等は、満月は家や国の平和だったり、旅人を守ってくれるものだと信じている。満月の夜は無病息災が訪れるのだ。しかし、祝羽弦だけは知っていた。今夜の雲上はいたるところで戦火があがることを。そしてこれは全て彼の手による計画であることも。
今夜はきっと眠れぬ夜になる筈だ。
遠く離れた宮中の文英殿にも明かりが灯されていた。
白永義の机には、書類や報告書が所狭しと広げられていた。だが、彼は薄い紙を通してもっと多くの物事を見ており、心はここになかった。
今夜の戦乱は避けられなかった。彼が止められないからではなく、この騒乱をそのままにしておくことで、その背後にあるもっと大きな陰謀を明らかにできるからだ。陰謀の核心に迫ることと、目の前の小さな利益を天秤にかけた時、彼は当たり前のように前者を選んだ。だが、それにより今後の状況はもっと複雑になるだろう。彼は冷静に考えなければならなかった。決して道を誤ってはならない。
時の流れは滝を流れる水のごとく、瞬く間に過ぎ去っていく。大晦日に雲上の各地で起こった騒乱はようやく平和に向かう兆しを見せた。
だが、白永義は警戒を緩められなかった。のどかな晴れ空でも、やがて大雨が来るのを彼は知っていた。彼は雲錦城の方を眺めた。遠くの空には濃い雲があり、こちらに向かってきている。
この時、巷では天上の神殿の噂が広まっていた。最近その姿を現した「登雲楼」と呼ばれる神殿では、女神・碧霄が雲上を守っているのだという。
祝羽弦は失笑するしかなかった。登雲楼は雲上を守るのではなく、戦火が人間界に蔓延しようとする象徴だからだ。このような噂が広まるのは、人間が自らを欺いているからだ。彼らは運命と人生を空虚ではっきりしないものに託しているが、自分の無能さの為に踏み台を探しているに過ぎない。
しかし、血脈の呪いは頑丈な枷だ。人間に「天命」に抗うだけの能力を失わせ、囚われの身に変えてしまう。呪いは繰り返しまとわりつき、人間を袋小路に追い込む。このようなものはさっさと取り除かなければならない。この悪循環から抜け出してこそ、世界の秩序を再建できるのだ。白永義の反応も彼の計画の一部だ。全て予想の範囲内である。
もう未明だというのに、文英殿の中は漆黒に包まれている。障子を透かして入ってくる月の光もぼんやりしている。扉を閉じたその時、祝羽弦は微笑みを見せた。
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