ポポ1-2 誕生日サプライズ
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(新暦677年5月31日、リリス王国。周囲とは全く異なる形の家にて) | |
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ポポ | |
わぁ!ありがとう、お母さん!これ大好きなの! | |
(ポポは大きな箱を抱えていた。箱の中身はかわいいキャンディ柄のピンクのワンピース。母親からの誕生日プレゼントだ) | |
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ポポのお母さん | |
早く着替えてみて。 | |
(ポポはすぐに着替え、裾を持ちながら鏡の前で回った。革靴で床を軽く鳴らし、小さな鞄も背負ってみる。顔には抑えきれない笑みがこぼれていた) (ポポは突然何かを思い出し、テーブルに座る母親の横に腰を下ろした) | |
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ポポ | |
お母さん、どうしてお父さんはいないの?今日は絶対に帰って来るって言ってなかった? | |
ポポのお母さん | |
お父さんはね……。 | |
(母親の話が終わるより先に、大きなテディベアがケーキを手に持ち、のそのそと狭い階段を上ってくるのが見えた) | |
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テディベア | |
ポポ、14歳の誕生日おめでとう! | |
(目の前のテディベアを見たポポは、口元をわずかピクピク痙攣させた) | |
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ポポ | |
もういいよ、お父さん。 | |
(テディベアの動きが止まり、両手をゆっくりと下ろして、着ぐるみを脱いだ。現れたのは少しやるせない表情をした父親の顔だった) | |
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ポポのお父さん | |
どうしてそんなに早くわかちゃったんだい? | |
ポポ | |
まさか、自分のお父さんの声もわからないと思ったの? | |
ポポのお父さん | |
あっちゃ~それもそうだ。 | |
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ポポ | |
そんなことよりお父さん、あたしの誕生日プレゼントは? | |
(ポポは期待に満ちた顔で両手を父親に突き出す。両足も興奮したように床の上で弾む) | |
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ポポのお父さん | |
それが……ポポのお誕生日を一緒に過ごそうと、一番早い列車で帰って来たから、プレゼントは……その……買う時間がなかったんだ……。 | |
(ポポは父親の言葉を聞くと、唇をへの字に曲げ、床に座り込んで大声を上げて泣き始めた) | |
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ポポ | |
誕生日は一年に一回だけなのに!お父さんからプレゼントもらえないなんて、そんなぁ! お父さんなんて知らない!あたしは誕生日プレゼントが欲しいの! プレゼントくれるって言ったのに!言ったのに!お父さんが嘘ついた! | |
(ポポはとても傷ついた様子で、涙をポロポロ流しながら大泣きした。父親と母親がどう慰めても無駄だった) | |
ポポのお父さん | |
(小声)これを着ればきっと怒らないって言ったじゃないか。 | |
ポポのお母さん | |
(小声)犬の方が好きなのよ。次はそれで試して。 | |
ポポのお父さん | |
ポポ……今日はケーキを食べようよ?誕生日プレゼントは絶対にあげるから! | |
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ポポ | |
ズズッ……ほ、ほんと? | |
ポポのお父さん | |
ああ、本当だよ!しかも、前に約束したものよりいい物をあげるよ! | |
(父親と約束したポポは涙を拭い、床から立ち上がった) | |
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ポポ | |
じゃあ、許してあげる!細かいことは後にして、早くケーキを食べよう、エヘヘ! | |
(ポポがようやく見せた笑顔に、父親は心の中でホッとしていた) |
コメント (ポポ1-2 誕生日サプライズ)
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