Eins und Zwei
9/14~9/29
4周年イベントで再登場しています→第七章 君に荊の審判を
極欲のアインス
ひ~とつ、一夜の夢に堕ち~♪
ふ~たつ、二人の夢悪魔~♪
みぃ~つ、見つめる瞳から~♪
よ~っつ、夜霧は落ちやせぬ~♪
アラ?誰か迷い込んじゃったかしら・・・?
鼓動が聞こえる。アタシ以外の鼓動が聞こえる・・・
ああ・・・みぃつけた・・・そんなところにいたのね。こんばんわ。
はぁ・・・パッとしないオーラ。この夢に迷い込んだヤツってみんな大したことないのよねぇ。つまんないわ。
ああ、ごめんなさい。こっちの話よ、気にしないで。
ようこそ、夢の世界へ。
アタシはアインス。双子の夢悪魔の片翼、極欲のアインス。
魔王様の配下の1人って言えば、わかるかしら?
ふふ、そんなに怖い顔しないで?仲良くしましょう?
ここは、第1の夢の世界よ。アナタ、迷い込んだ自覚、ある?
第1の夢・・・夢と現実の狭間、ギリギリの世界。
アナタは運が良いわ。この世界からなら、まだ戻れる。まだ、戻れるわ。
あそこに見える、夢と現を結ぶ橋。あれを渡れば戻れるわ。
でも、あの橋を渡るにはね、鍵が必要なのよ。
アタシの持っている逆十字、シンシアクロイツ。これがないとね、渡れない。
だからアナタはアタシを倒さなくちゃね。アタシを倒して、この十字架を奪わないと。
じゃないと2度と目覚めない。夢の世界からは抜け出せないの。
あ~あ・・・それにしても、つまらないわ。第1の夢はつまらないの。
第2の夢まで堕ちてくれれば・・・思いっきり遊んであげられるのに・・・
でも、まぁ・・・アナタでも暇つぶしくらいにはなるかしら・・・?
アタシね、退屈しているの。退屈していたの。
だって、現から人が来るのって久しぶり。みんなココまで堕ちる前に、夢から覚めちゃう。
最近の人間って睡眠時間短すぎない?そんなに現の世界が大切なのかしら?
お蔭でアタシは退屈な日々。1人で歌ってもつまらない。
時々お兄ちゃんが遊んでくれるんだけど、全然ダメ。
アタシが本気出したらお兄ちゃんのこと、アレしちゃうもの。
だから、アナタが大して強くなくてもガマンするわ。お兄ちゃんよりマシな気がするし。
ああ、でも・・・もしアナタのこともアレしちゃったらゴメンナサイね?
え?アレってなにかって?ふふ、アレはアレよ、ふふふ・・・
大丈夫大丈夫、本気は出さないと思うわ。たぶんね。
でも、ついつい楽しくなって夢中になっちゃったら、ゴメンナサイ?
その時は、運が悪かったと思って諦めてアレされちゃってね。
さぁ、はじめましょうか。はじめるしかないわよね。
アタシに勝たなきゃこの夢からは出られないって言ったでしょう?
夢から出られないって、どういうことか、わかるかしら?
2度と目覚めないって、どういうことか、わかるかしら?
現の世界のアナタの体、どうなっちゃうか、わかるかしら?
想像して?想像して?ゾクゾクしてきたでしょう?
アハ、本気の顔になってきたわね。そういうの、大好きよ。楽しくなってきたわ!
ねぇ、戦いながらでもいいんだけど、ひとつ、質問してもいいかしら?
アナタたちのいる現の世界って、そんなに良いところなの?
眠る時間も惜しむくらい?そんなに素晴らしい世界なの?
この夢世界より、現の方が素敵な世界??
本当に?よく考えてみて?
アナタ、本気で本心から現の世界に戻りたいって思ってる?
嫌なこと、忘れてしまいたいこと、ないの?
ずっと夢の世界にいれば、現の煩わしい出来事は、全部、ぜ~んぶ、なかったことに出来るわよ?
なかったことにして、忘れてしまえる。
そして夢の世界では、なにひとつ不自由しない。
好きなことを、好きなように、自由にできる。
ねぇ、アナタ、ずっとここにいる気ない?
アタシ、アナタが気に入ったの。アタシと一緒に、ずっとここで楽しく遊んでいましょうよ。
ふたりきりってわけでもないわよ?
さっきも言ったけれど、アタシには双子のお兄ちゃんがいるの。
お兄ちゃんもたまに遊びに来てくれる。
それから狭間の世界の住人も、イタズラ好きのラビなんて、よく遊びに来てくれるわ。
ねぇ、どう?このままココで、一緒に・・・現の世界なんて忘れてしまいましょう?
アタシ、アナタと仲良くなりたいの・・・ねぇ、ずっとここで一緒に遊んでいましょうよ・・・
・・・
・・・ふん、見かけより、精神力は強いのね。アタシの甘言にひっかからないなんて。
でもいつか、後悔する日が来るかもね。
あのとき、夢の世界にずっといれば良かったって思う日が。
そう思ったら、いつでもいらっしゃい?歓迎するわ。
夢の世界は永遠の世界。永遠の世界は、いつでもアナタの目の前で、大きく扉を開いて待っている。
ふふふ・・・お話出来て楽しかった。今日は満足したから、これ、貸してあげるわ。
シンシアクロイツ。これを持ってあの橋を渡ってご覧なさい?
運が良ければ、現の世界に戻れるわ。
運が良ければ、ね。絶対戻れるなんて1度も言ってないわよ?ふふ・・・
ああ、もしどこかでお兄ちゃんに会っちゃったらよろしくね。
あの人、ああ見えてそれなりに厄介だから・・・気をつけて☆
それじゃぁね。いい夢を。
獄罪のアインス
次に遊んでくれるのは~だぁ~れだぁ~?
あら、こんにちは!今度はアナタがアタシと遊んでくれるの?
ようこそ、第2の夢の世界へ。ここは夢の中の夢の世界。
アタシはアインス。獄罪のアインス。双子悪魔の片翼。
アタシのお兄ちゃんにはもう会った?
あの人、面倒臭いから大変なのよね。構ってあげないとうるさいし。
まぁ、お兄ちゃんの話はもういいわ。
それより、ココまで人が堕ちてきてくれたの、久しぶり☆
嬉しいわぁ。待っていたのよ。来てくれるのを・・・
アタシと遊ぶために来てくれたんでしょう?ふふ☆
あ、あ、そこ、気をつけて!アナタの足下!
そこから先、崖っぷちよ?堕ちないように、気をつけて?ふふふ・・・
崖の下、奈落の世界・・・第2の夢からも堕ちた世界。
その崖から堕ちたらどうなるか、知ってる?
知らないの?ふふ、アタシも知らない。夢の中の夢の、さらに先の世界。
カタチのない、虚無の世界だって聞いたことがあるわ。
今まで何人も堕ちたのを見たけれどね。誰も戻って来なかった。
この第2の夢世界にさえ、戻ってこなかったわ。
だから堕ちないように、気をつけてね?
アタシ?アタシは堕ちない。だってこの世界はアタシの世界。
アタシが堕ちないって思えば、アタシは堕ちないの。
ふふ、アナタは無理よ。アナタは余所者。気をつけないと、堕ちちゃうわ。
ねぇ、さっそくだけれど、はじめましょうか。
なにして遊ぶ?鬼ごっこ?それともただの追いかけっこがいいかしら?
もちろん、鬼はアタシ。だって悪魔だもの。
アナタは逃げてね?全力で。すぐ捕まっちゃったらつまんないもの。
ルールは簡単よ。アタシに捕まったら、アナタの負けね。
負けたらずーっとこの夢の世界で、アタシと一緒に遊び続けるのよ♪
え?そうやったらアナタの勝ちになるのかって?
あら、いやだわ。考えたことなかった。
そうね、アタシの武器、このシンシアクロイツを奪えたら、アナタの勝ちってことにしてあげる。
アナタが勝ったら、仕方がないから現の世界に戻してあげるわ。
ああ、さっきも言ったけれど、逃げている途中で崖から堕ちないように気をつけてね・
アナタが勝手に堕ちても、アナタのまけよ。ふふ、まぁ、堕ちてしまったら・・・ふふ、負けもなにも、ないのだけれどね・・・
さぁ、10数えてあげる。その間に逃げて逃げて?それともサービス!20数えましょうか?
ひと~つ、ふた~つ・・・
ほらほら、足下には気をつけて?
奈落への入り口は、そこかしこに・・・落とし穴みたいに存在しているから・・・ふふふ・・・
み~っつ、よ~っつ・・・
ああ、駆け回るアナタの姿、滑稽で楽しいわ!!もっと必死に走って頂戴!
可哀想に、可哀想に。どこまでいっても逃げられはしないのに!
いつつ・・・むっつ・・・!
だってここは、アタシの世界。アタシの夢の世界なのよ!
アナタはとっくにアタシに捕まっているのにね。
アナタはとっくにアタシの世界に捕らわれているのにね。
ここはとっくに、ふふふ・・・
ななつ・・・やっつ・・・
ほら、休んでいる暇はないわよ?もっと頑張って逃げて頂戴。夜がふけると・・・もっともっと逃げられなくなるわ♪
ここのつ・・・ふふ・・・
さぁて、そろそろ、追いかけようかしら?
もう少し、待ってあげましょうか?
アタシの夢は果てしない。アナタはどこまで、逃げられるかしら・・・ふふふふふ・・・
極欲のツヴァイ
ハハ・・・!!宵の扉が開く音がする・・・こりゃ人間の気配だ・・・!
よぉ、お前がオレ様の遊び相手かぁ~??ハハハ!!待ってたぜぇ?退屈してたんだ!
オレ様は極欲のツヴァイ。魔王軍精鋭部隊、夢と幻、そして欲望を司る悪魔!!
夢の中の双子悪魔ってな。お前だって噂で聞いたことくらいあるだろ?
人間の夢に巣くう悪魔の噂・・・
ハハ!!オレ様と妹、双子の悪魔に目をつけられたら最後。
2度と夢の世界から、抜け出すことは出来ないのさぁ!
そして、お前はたった今、オレ様の罠にかかった!可哀想な獲物だ!!
オレ様を倒さない限り、お前はここから抜け出すことは出来ないぜぇ?
ん?そもそも、ここがどこかって?
知ってどうする?知ったところで、どうにもならねぇ!
強いて言うなら、お前の墓ばかぁ?
ククッ・・・お前の墓場、まぁ、教えてやらないこともねぇ。ここは第1の夢の世界さぁ!
夢と現の狭間の世界。夜の間の、ただの入り口。そう、ただの、入り口だ。
でもお前レベルのヤツと遊ぶには、ここで十分。十分さぁ!!
さって、なにして遊ぼうかぁ?
ハハ!そう怖い顔すんなよぉ。遊びだぜ、遊び。
気楽に行こうぜぇ?安心しろよ、オレ様は武闘派じゃねーんだ。
ここにルーレットがある。歯車と数字で出来たルーレットだ。
賭け、しようぜ?シンプルで良い遊びだろう?ハハ!!
お前が賭けに勝ったら、オレ様のこの、ガイスクロイツをお前にやるよ。
ほれ、あっち、見てみろ。
橋があるだろ?あれが夢の世界と現をつなぐ架け橋だ。
あの橋を渡れば、この世界から抜け出せる。
現の世界に戻れるってわけさぁ!
だが、タダでは渡れねぇ!このガイスクロイツが鍵だ。
この鍵を持たずに、そのまま橋を渡れば・・・ククッ・・・
行き先は現ではなく!インフェルノだ!!
知ってるか?インフェルノ!地獄の果てだよ!!
オレ様さえも、行ったことのない、いや、行ったやつは二度と・・・ククッ・・・
さぁて、始めようか。掛け金は・・・時間、だ。
互いの時間を掛けて勝負しようぜぇ?
時間、それはすなわち寿命!!人生!!ハハハ!!
そのくらいしなきゃぁ、つまんねぇだろう?
どのみち、お前はオレ様に勝てなきゃ、現には戻れない。
戻れないってことは、どういうことか、わかるな?
2度と目覚めないってことだよ!ハハハ!!!目覚めない身体、眠り続ける肉体!どうなるか、想像してみろよぉ?
楽しいだろぉ?!楽しくなってきただろぉ!?!?
お前のそういう目は、ゾクゾクするぜぇ・・・!!
ああ、支配してやりてぇ!!オレ様のモノにしてやりてぇ~・・・オレ様は強欲だからなぁ!!
欲しいモノは、なんだって手に入れてみせるのさぁ!力ずくでなぁ?
勝負がついたら、お前はオレ様の軍の一員になるのさぁ!!お前はオレ様のモノになる!!
ハハハ!!!楽しみだなぁ!!楽しみだ!!さっそくはじめようかぁ?
まぁ、オレ様とお前じゃぁ、寿命に差がありすぎるがな!!
最初から勝負なんて見えてんのさ!!
元々持っている掛け金の量が違ぇんだよ!
オレ様は100年を賭けるぜぇ?お前は?どうする?どれだけの時間を賭ける?ハハハッ!!
ああ、言い忘れていたがな、最小掛け金は50年だ!それ以下は認めねぇよ!
卑怯?卑劣??上等じゃねーか!誉め言葉だ!!ありがとよ!
そもそも、お前に勝つ権利なんて与えねぇよ?この世界はオレ様の世界だ。
オレ様の世界、オレ様がルール!!オレ様は俺の勝ちしか認めねぇ!!お前は負ける。それが決まり事だぁ!!
それにね、万が一、億が一、オレ様がなんらかの事情で負けたとする。
それでもお前は逃げられねぇ。夢には続きがあるんだよ・・・ククッ・・・
第2の夢、ここよりずっと、深い場所だ。地獄の底に、近い場所・・・ククッ・・・
それに、オレ様の妹もいる・・・アイツは怖ぇぞ?オレ様よりもっと、無邪気で、華麗で、そして、容赦がない。
まぁ、お前はここで、負けるんだけどな。
夜はまだ、はじまったばっかりだぜぇ?ヒヒヒ・・・!!
さぁ、楽しもうか・・・!!
獄罪のツヴァイ
ハハ!!久方ぶりに扉が開く!!第2の夢の扉が!!
こっちの夢世界まで堕ちてくる奴がいるとは・・・こいつぁ、楽しい夜になりそうだなぁ!?
よく来たなぁ、お気の毒サマ。ようこそ、双子悪魔の支配する、夢の中の夢の世界へ!!
ここは第2の夢。お前、第1の夢を通ってきたのか?それとも・・・
まぁ、どちらでもよい。第1の夢のオレ様達はぁ、ただの門番。お飾りみたいなもんだからな!
教えておいてやるよ、ここ、第2の夢は深層世界だぁ。
本当の恐怖は、この夢からはじまる!!
ココまで堕ちたら、現実からは程遠い!!ちょっとやそっとじゃぁ、戻れないぜ?
オレ様は第2の夢の番人。双子悪魔の片翼。
獄罪のツヴァイ。恐怖と絶望、そして憤怒を司る!!!
そう、憤怒。ついついイライラしちまうんだ。悪いなぁ、お前のことも、怒りにまかせてアレしちまうかもしれねぇぜ。
アレは、アレさ。ヒヒッ、聞かない方が、身のためだぜ?
おーっと、あんまり動くな?気をつけろよぉ、足元ぉ。
よーく見てみろ、そこら中、穴だらけだろう?
ハハハ!!!その穴、覗いて見てみろよぉ、何が見える?
そう、なにも見えない。深淵だ。
そこから先は、夢の中の夢の中の、さらに奥。
カタチさえない、虚無の世界・・・
落っこちないよう、気をつけなぁ?オレ様だって少しくらいの優しさは持ってんだ。
忠告はしたぜぇ?ヒヒ・・・あとはもう、お前次第さぁ・・・
勝負をはじめようぜ。お前かオレ様か。どちらか1人しか勝てない勝負。
はぁ!?お前に拒否権なんかねぇんだよ・・・チッ、あんまりイライラさせんな。
口答えは許さねぇ。憤怒を司るって言ったよなぁ?
オレ様を怒らせて、後悔するのはお前だぜ?イイコに言うこと聞いていな。
この勝負、お前が勝ったら、そうだな、見逃してやるよ。見逃してやる。オレ様はな。
まぁ、オレ様が見逃したところで、オレ様の片翼、妹のアインスがお前を放っておくとは思わねぇけどなぁ~。
でも、そいつぁオレ様の知ったこっちゃぁねぇ。
全てはお前次第だ。いつでもどこでも、どんなときでも、お前次第だぁ。
逃げられるも、逃げられないも、全部全部、お前次第。
なぁ、そういうもんだろう?夢でも、現でも。
さて、なんの勝負をするか・・・ああ、チェス、なんてどうだ?
ハハ!我ながら良い案だ。床をチェス板に変えようか!
ビックリした顔してんな?ハハ!!これだから人間は。
ここはオレ様の夢世界だ。オレ様の思う通りに世界は変わる!!当然だろう?
駒も用意しよう。等身大のチェス駒だ!!オレ様とお前の声に反応して動く。
さぁ、準備は整った。お互いがキングだ。勝負を始めよう!!
ああ、気をつけろよ?奈落への落とし穴は塞いじゃぁいない。
うまく駒を動かさないと・・・そのまま奈落へ、フハハハハ!!!
お前自身もうまく動かないとなぁ?
オレ様にチェックメイトされる前に、穴に堕ちないように気をつけろよぉ?
せいぜい足掻いて、もがいて、オレ様を楽しませてくれ!!!
長い悪夢のはじまりだ・・・!!