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オルゴール職人ジュベール

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1/12~1/25


第二回スペボスバレンタイン9位 チョコ2549個


記憶の森のオルゴール職人ジュベール

まただ・・・また音程が1つ外れてしまう。

なぜだろう・・・?

あぁ、いらっしゃい。ジュベールのアトリエへようこそ。

オルゴールのご注文かな?今、手掛けている途中なんだ・・・彼女の隣に座って待っていてもらえるかな?

そこに座っている彼女?あぁ、今作っているオルゴールの依頼主さんだよ。



このオルゴールを使って、無くしてしまった記憶を取り戻したいと訪ねてきてね・・・。

僕のオルゴールの音色は、人の記憶を呼び覚ます・・・それが売りなんだ。君もそれが目的じゃないのかい?

・・・え?気づいたら森の中に立っていた?

たしかに君は普通の人間のようだ。何かの拍子で飛ばされてきたのかもしれない・・・。

自分が誰なのかと何処からきたのか、覚えているかい?



友達の顔、好きな食べ物、好きな色。嬉しかった時のこと、悲しかった時のこと・・・。

記憶が薄れている様なら、アトリエの外に広がる森に呼びかけてみると良い。この森にはあらゆる人の記憶が霧となって漂っているからね。

呼び声に応える様に、大切な記憶が持ち主の元へ集まってくるんだ。

集まった霧を森に吊るしてあるオーナメントに閉じ込めて・・・こんな風に結晶化させる

キラキラ輝いて、綺麗だろう?僕はこの結晶を一つ一つ加工して、オルゴールを作っているんだ。



奏でる音色は十人十色。思い出は走馬灯の様によみがえる。

お代はいらないよ。君の大切な記憶から産み出されるその音色が聴ければ・・・それだけで僕は十分だ。

さて、もう一息で完成!

なんだけど・・・、ううん。まただ。

何故だろう?



彼女の記憶の結晶で作ったオルゴールは、何度作っても一音だけ音程が外れてしまうんだ。

こんな事は初めてだ・・・。加工の方法もいつも通りなのに、原因が分からない・・・。

もう一度作り直しか。二人とも、申し訳ない。もう少しだけ時間を貰えるかな?

未完成品をお客さんに聴かせるわけにはいかないからね・・・。

うーん、和音にするべきなのか?次は32弁でなく・・・50弁にしてみるべきだろうか・・・。



あ、ちょっと君!勝手に蓋を開けないで!

~♪

~~♪

・・・えっ?これであっている?

音程が外れてしまっているのに?



・・・・・・そうか。

あぁ、ごめんよ。君は普通の人だから、彼女の姿は見えないただったね。

この音が外れている状態・・・曲としては間違っていても、彼女の記憶の中では間違っていないそうなんだ。

・・・大好きだった彼女の思い出の一曲。

それを、彼女の母親がよく真似をして口ずさんでいたらしい。料理を作りながら、掃除をしながら、洗濯をしながら・・・。



でも、必ず一音だけ外れてしまう。

口ずさむ母親に音程外れてる!と指摘しては、いつも口喧嘩になっていたそうだよ。

これは・・・彼女の母親が口ずさんでいた方の、思い出の一曲だったんだね。どおりで何度作っても、正しい音程にならないわけだ。

数ある記憶の中で彼女が呼び寄せた、一番大切な・・・記憶。

自分の生まれた場所、自分が生きた人生。そして今の自分。ちゃんと、取り戻せたみたいだね。



彼女を見送らなくちゃ・・・森の向こう側へ。

記憶の森よ、どうか彼女に安らかな眠りを。

いってらっしゃい・・・そして、おやすみ。

ふぅ・・・。彼女、無事に森を抜けれたみたいだ。

偶然とはいえ、君が蓋を開けてくれなかったら僕はずっと、同じオルゴールをひたすら作り続けていたかもしれないな。本当にありがとう。



『記憶の森のオルゴール』・・・死んだことすら気付かずにつ彷徨い続ける魂を、眠りの森へ導く。これが僕の役目なんだ。

え?ずっと独り言を言っていた様に見えた?途中君が見えていない事をすっかり忘れていてさ。ごめん、ごめん。

さて、今度は彷徨う魂じゃない君の番だ。

君の記憶を完璧に取り戻す事が鍵だとは思うんだが、無事に元の世界に導けるかな・・・?

うーん。まぁ、もしこのまま戻ることが出来なかったら、このアトリエで一緒にオルゴール作りでもして暮らすのはどうだい?



ははは、冗談だよ。僕はこの森のオルゴール職人であり案内人だからね。お礼も兼ねて、ちゃんと君を送り届けて見せるよ。

さぁ、森に出掛けよう。君の元の世界の記憶を探しに。

君だけの、導きの音色を探しに。



眠りの森のオルゴール職人ジュベール

まただ・・・また音が1つだけ足りない。

なぜなんだ・・・。

あぁ、いらっしゃい。ジュベールのアトリエへようこそ。

オルゴールのご注文かな?今、1つ手掛けている途中でね。

このオルゴールが完成してからじゃないと、君のオルゴールは作れないんだ・・・。



本当に申し訳ない!とにかく、時間がなくて・・・。

・・・え?アトリエの中が気になって、訪ねて来ただけ?

そうか。君の大切な人が眠りについたわけじゃないんだね。良かった。

僕が作るオルゴールは、大切な人へ贈る最期のプレゼント。奏でる音色は、死者の魂に安らかな眠りを・・・。

アトリエの外に広がっている森は死者の魂の通り道。そして森中に咲く結晶花は、死者を見送った者の涙で出来ている。



その結晶花を加工して、僕はオルゴールを作っているんだ。キラキラと輝いて、綺麗だろう?この結晶には、死者を想う気持ちがたくさん詰まってる。

今手掛けているオルゴールも、もうすぐこの森を通る人へ贈る予定なんだ。

・・・ても、駄目だ。何度作っても一音だけ足りない。

早く完成させないといけないのに、焦れば焦るほど上手くいかない。

僕は、どうすればいいんだ・・・。



・・・すまない。初対面だっていうのに、恥ずかしい所を見せてしまったね。

これは、僕にオルゴール作りを教えてくれた師匠に贈る最期のプレゼントなんだ。

このアトリエも元々は師匠のものでね。職人を引退した後、僕が譲り受けた。

今夜は、その師匠の魂がこの森を通る日。

教わったこのオルゴールを贈って見せて、安心して眠ってほしかったんだ・・・。



それなのに、このままじゃ何も贈る事ができないまま夜が過ぎてしまう。弟子失格だ・・・。

・・・え?せめて手紙を?

・・・手紙か。

師匠が未練を残して、この森に留まってしまわないように・・・。

・・・うん、そうだな。ありがとう。手紙、書いてみるよ。



何を書こう?改めて手紙を書くなんて初めてだ。本当に、ずっと側に居たからな・・・。

そうそう、僕と師匠の出会いも、今日の君と僕みたいな出会い方だったよ。

子供の頃、キラキラと光る結晶とオルゴールの音色に誘われて、このアトリエの扉を開いた。

だけど僕みたいに、いらっしゃいなんて師匠は迎えてくれなかったな。

子供嫌いな爺様だったからね。扉から顔を出した僕を見るやいなや、怒鳴り散らしながら追い返された!



でも僕はアトリエの中をもっと見たくて、懲りずに何度もアトリエに足を運んて・・・。

覗いて追い返され、覗いては追い返され、何度も何度もそんな攻防を繰り返した結果、窓から覗く程度なら許してくれるようになった。

オルゴールを作の師匠の丸い背中を日暮れまで眺めていたよ。

だけどある日から、ぱたりとオルゴール作りをやめてしまった。

当時は知らなかったけれど、今なら分かる。ちょうど病に伏せっていた師匠の奥様が亡くなられた日からだ。



何も知らない僕は無神経に、僕にもオルゴールを作って!とせがんでしまってね・・・時にはつ首根っ掴まれて森の外まで放り出された事もあったよ。

けど、僕は諦めが悪い性格だった。ある日、森中に響くくらい大声でオルゴール作って!と駄々をこねた!

そんな僕の声に師匠は・・・そんなに欲しけりゃ自分で作りやがれ!とこれまた森の外まで届くくらいの大声と怒鳴り返した。

突っぱねる為に放った言葉を、その時の僕はあのアトリエでオルゴールを作っても良い、と言われたのだとすっかり勘違いしてね・・・大喜びさ。

そんな姿に呆れを通り越して、師匠もついに笑いだした。そしてこの日を境に、僕は師匠の弟子になったんだ・・・。



あれから何年経っただろう・・・本当にいろんな事を教わった。

何度も一緒に、死者を見送った。師匠を見送る側になるなんて、あの頃は全然、想像していなかった。

仕事だから慣れていたと思っていたけれど、やっぱり、悲しくないわけがない・・・。

僕はまだ、師匠と・・・一緒にオルゴールを・・・作っていたかった・・・。

・・・?



手紙の上に、結晶花が・・・。

自分の涙て出来た結晶花を見るのは、初めてだ・・・。

・・・そうか、僕は師匠が亡くなってから今まで、贈るためのオルゴールを必死に作っていたから・・・。

オルゴールに一音足らなかったのは、僕の結晶花だったんだ・・・。

お客さん・・・師匠との思い出話を聞いてくれありがとう。



君がこのアトリエを訪ねてきてくれなかったら、僕は師匠に何も送る事ができないままこの夜を逃していたと思う。

この結晶花を使って、師匠へのオルゴールを完成させるよ。あぁ、もう日が暮れる!急いで仕上げないと!

あ、君!もう行くのかい?・・・そうか、気を使わせてすまない。

後日またここを訪ねてくれるかい?今夜のお礼がしたいんだ。

見送る為のオルゴールは君にはまだ早いから、別のオルゴールを1つ。プレゼントさせてほしい。



そうだな・・・今夜の様な月光をイメージした、心安らぐオルゴールなんてどうだい?

あぁ、約束だ。・・・必ず君にプレゼントするよ。



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