2014/12/12
目次
Story1 聖夜のパーティ！
Story2 雪とおしおき
Story3 雪だるまのプレゼント
Story4 騎士の家柄だから
最終話 ハッピークリスマスナイト
story1 聖夜のパーティ！
メリークリスマス！
みなさま！今夜はセイクリッド家のパーティーにようこそですわ！
ささやかですが、お料理を用意しておりますの。ごゆっくりお楽しみくださいませ。
……どこがささやかなのよっ！ ああ、ごちそうが多すぎて目移りしちゃうわ……！
くぅ……！もやしに慣れちゃったあたしの胃が耐えられるのかしら？お弁当箱持ってくれば良かった……
ミラさんミラさん。そんなあなたに、こちらを。ふわあぁぁぁ……
スピカ！た、タッパーじゃない！いいの借りても？
２３９０００Gになります。クリスマス特別価格ですよ。ローン組みましょうか？
あ！おいしそうな鳥はっけーん！チキンたっべよー！
それはターキーと言うんだぞ。
ねね、ミカンにクライヴ。ちょっと聞きたいんだけど？
ターキーというのは七面鳥のことだ。
じゃなくてさ、プレゼント……持ってきた？
え？それって……みかんじゃだめなのー？
ダメってこともないだろうけど、どうしよう、プレゼント交換があるらしいんだよね……
助けてテトラ！金の亡者に追われてるの！
あ、ミラ。あなたはプレゼント用意してきた？
プレゼント？なにソレないわよ？
しまった。私もないです。これでは、プレゼント交換でより良い物をもらう作戦が……！
そうだ、テトラさん！いまから私と一緒に、プレゼントを探しに行きましょう。
うん、いいよ。あたしも忘れちゃってたから、スピカに乗っかった！
え！？あ、じゃあ、あたしは……
いっしょにいこー、ミラ！ミがつくものどーし！！
そ、そうね……ミカンとミラで、あれよね、あたしたち仲間よね……
あら？みなさまどうしたんですの？そんな隅っこでコソコソと……？
アンナ。申し訳ないが俺たちは少しの間、席を外す。
えっ？
心配するな、必ず戻ってくる。俺たちのパーティは、まだ始まったばかりなんだからな……！
では、お待ちしておりますわ。降ってきそうな天気ですし、寒いですからお気をつけて。
安心してくれ！
はぁ。
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story2 雪とおしおき
ねね、スピカ。森に来たってことは。もしかして……？
察しがいいですねテトラさん。その通り。もみの木です。
これなら元手もいりませんし、我ながら素晴らしい思いつきです。
なるほどね～。よしよし、斧の扱いだったら、あたしに任せて！
頼りにしてます。……くっしゅん。
大丈夫？ずいぶん冷えてきたもんね。早く切って会場に戻りましょう。
え～と…………うん、大きさピッタリ、この木がよさそうですね。
この辺りを狙ってください。計算上、テトラさんの力なら、一撃で向こう側に倒れるはずです。
よーし！竜の力、見せてあげる！
＜テトラが斧を振り上げたそのとき――＞
――あっ、雪！ホワイトクリスマス♪
テトラさん！？よそ見はあぶ――
＜斧を食い込ませたもみの木は、ずずんと地響きを立てて倒れた。＞
やったあ♪あとはこれを担いで帰ればオッケーだね、スピカ♪
……あれ？スピカ？おーい、スピカー！
……きゅう……星が……見えない……
＜しんしんと降り始めた雪が、もみの木の下敷きになったスピカに白い化粧をほどこしていく＞
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story3 雪だるまのプレゼント
あ～さぶいさぶい……みるみるうちに積もっちゃうんだもの……
ねえミカン、こんなところじゃなくて、もっと暖かそうなどこか――
＜――ひゅっ！＞
はうわっきゃあ！
やったー！命中、さっすが忍者だー！
なにすんのよいきなりっ！？
ミラもやろー。ゆきがっせーん。
やらないわよ。……やらないって！にこにこしながら雪玉持ってきてもダメ！
え～？ひろーさせてよ、忍法＜ミカンハリケーン＞
あなたね、あたしたちがなんのためにここに来たと思ってるの！？
ゆきが降ってきたから、よろこんでかけてきたのだ！
犬じゃないんだからっ！
いい？
犬じゃないんだからっ！
一回でわかるよ。
ああもうさぶいさぶい！あたしちょっと、あの木の下で休んでるから。
うん！わかった！
まったく……子供は元気なんだから……
雪のどこがいいのかしら……積もったら雪かき大変だし、移動時間余計かかっちゃうし……
ごろごろー！ごろごろー！
今日が何の日か良く知らないけど、ろくなもんじゃないわ、悪魔がこんな目に合うなんて……
ごろごろー！ごろごろー！どーん！できたー！
ミカンっ！もうちょっと静かにして！……って、これ……？
どう？ミカン特製、きょだいゆきだるま！
ねえねえ？これ、どうかな？プレゼントに？
あんたねぇ、そんなものが……
…………
いいかもしれないわね。
でしょー？よーし、じゃあこれ、運ぼう！
え？もしかして、あたしも？
ほらほら、がんばって！急いだ分だけ、早く着くよ！
そうね…………ミカン！気合で持っていくわよ！
おー！
お、重いィィィ～！
うりゃうりゃ～！
＜雪の中。ミのつく二人が、大きな雪だるまを押して行く――＞
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story4 騎士の家柄だから
あらクライヴさん、お早いお戻りですのね。
ああ。アンナ。
なんです？
プレゼント交換、期待していてくれ。
まさか、キャトラちゃん！？
ではない。だが、ローウェル家の財力に物を言わせ、豪華な物を用意した。
第二のパーティ会場だ！
……しょんぼりですわ。かわいいものがよかったです……
くっ……！……すまない……！女子の好む、かわいい物とか、わからなかったんだ……！
そんな、拳を固めてぷるぷる震えるほどのことではありませんのよ。
ほどのことだ！みんなと違い、プレゼントも親の金だし……！
それは悪い事ではないのではないかしら？
なに？
生まれは人それぞれ違うもの……でもそれは、その人自身の価値とイコールではありません。
今日の場合は、プレゼントを用意しようという、その気持ちが大事なのですわ。
だ、だが……俺は、真剣に吟味したわけでもないし……
それは反省してください。
その通りだ……！なあ、いまからなら、来年のプレゼント交換には間に合うだろうか！？
全然余裕だと思いますわ。
今回の反省点を活かし……次こそ、俺は俺の騎士道を貫き、プレゼントを選ぶ！
楽しみにしていてくれ、アンナ！
わたくしはキャトラちゃん一択ですわよ。
善処しよう……！次こそは、キャトラを、この手に……！
（プレゼント交換は、わたくしに当たるとは限らないのですが……
これは、黙っていた方が良さそうですわ♪）
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最終話 ハッピークリスマスナイト
あらためまして、メリークリスマス！
メリークリスマス！
メリークリスマス！
メリークリスマス！
まあ！見事なツリー！
ヘヘヘ、すごいでしょ？あたしたち、頑張ったんだからね！
スピカさん、おでこの大きなこぶたんはどうしたんですの？
名誉の負傷です……イタタタタ……
ごめんねスピカ……お薬買ってこようか？
いいえ、ツバつけとけば治りますから、その分のお金は私に……
お外の雪だるまも、とってもいいカンジですわね。
忍法、＜転がすと巨大化する＞の術で作ったんだよ！
運ぶの疲れたわ～……おなか減ったから、ごちそうをより美味しくいただけるけど。
クライヴさんもどうも。
今回はこうなったが、……次を見ていてくれ……！
みなさんのお気持ち、とても嬉しいですわ！存分にごゆっく――
「アンナ～！こっちにも来てよ～！剣士のみんなが待ってるわよ～！」
「ポップファミリート、グリーンチーム、ソノタ！コッチイル！ムフー！」
「斧の戦士たちはこっちのテーブルに集っている。」
「めりくり～！弓のみんないるから～！」
「ぶーーーーん！こっちの槍テーブルにも寄るのだー！」
「トリッ……メリークリスマス……魔道士も……そろっているわ……」
うふふ……みなさま……！いままでありがとうですわ！そして、これからもよろしくお願いします！
今夜はごゆっくり、楽しんでいってくださいね！
ハッピークリスマスパーティ！！
