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2015Loveキャンペーン_デート(ドラキュラ)

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前編


ドラキュラ「……きろ…早く起きろって!寝るのが早すぎる。

出掛けるから準備して。こんな時間からって…やっと過ごしやすい時間になったんだ。

どこから入ってきたのかって…ベランダが空いてたんだよ。不用心だな。

…?顔が青いけど、どうし…ッ!?」


骸「避けれるんだ、さすがだね。…悪魔公ドラキュラか…ククク、面白そうな躰(イレモノ)だ…。」


Mr.S「また邪魔が入った。…フフフ、僕の邪魔した分、痛く苦しく解体してあげるよ…。」


ドラキュラ「いきなり切りかかってくるなんて、無礼な奴らだな。

お前らの目当てはこの人間だろ?残念だが、こいつは僕のものだ。お前らに指一本触れさせない。

…ほら、お前は僕に捕まって。飛ぶから。」


骸「ククク、逃げられると追いかけたくなる。」


Mr.S「フフ…愉しそうなゲームだね…。」


ドラキュラ「お前はなんであんな変な奴に好かれるんだ…。とにかく、僕の屋敷に向かうよ。

……ちょっと、しがみつきすぎ。落とすよ。」




ドラキュラ「しつこかった…。この屋敷の場所は簡単には見つからないから安心して。

…何?…どこに行くかなんて、行けば分かるんだからいちいち聞くなよ

はぁ、面倒だよ、お前とのデートなんて。」


シュガー「そうですよ。誇り高き純血のドラキュラ様が人間とデートなんて止めるべきです。」


ドラキュラ「…シュガー、なんで勝手に入ってきているんだ。」


シュガー「私は…ドラキュラ様がその人間の為にどこに行こうか悩んで、人間の低俗な雑誌を読んだり、

あのロイ・カイザーなんかに助言を求めようとする姿なんて見たくありませんでした!!

ドラキュラ様…どうか、お気を確かに…」


ドラキュラ「~っお前はもう帰れ!」


シュガー「きゃっ、ドラキュラ様…ドラキュラ様ー!!!」


ドラキュラ「とにかく!そんな格好じゃどこにもいけないし、とりあえず服はメイドに用意させる。

…シュガーの言っていたことは忘れろ。」


中編


ドラキュラ「…へぇ、着飾ればそれなりになるじゃないか。

さぁ、出掛けるぞ。…ん、何を見てるんだ?あぁ、その落書きか…。

この屋敷は僕が小さい頃に住んでいた場所なんだ。

僕が人間を襲った事で僕の一族は迫害され、この屋敷も捨てたみたいだけどね。

その落書きはララが描いたものだよ。…ふっ、へたくそだな。

ああ、あっちの線は背比べの跡だ…まだ残っていたんだな。

これが僕で、こっちがロイ。初めて会った頃は僕の方が小さかったがすぐに追い越したよ。

今?…興味ないけど、きっと僕の方が大きいだろうね。…なんだよ、疑っているのか?

…ララと初めて逢ったとき…ララは僕より全然幼くて、無力だった。

純血の子孫を残す為だけの結婚だって理解せず、馬鹿みたいに笑顔を振りまいてさ…

憐れだと思った。…だけど同時に、この笑顔を壊したくないと思ったんだ。

他人の事でそんな気持ちになるのは初めてだったよ。

…ククク、その嫉妬してますって顔やめてくれる?面白いから。

ま、結局人間とのいざこざでララとは疎遠になったし。愛とかそういう気持ちはないよ。

ただ、ララの事はたくさん傷付けたし…護っていきたいって気持ちは変わらないよ。

…って、なんでこんな話をしてるんだ…。もう良いから、行くよ。」




ドラキュラ「なに見てるんだよ。人間界ならこの姿の方が良いだろ?

お前の行きたい場所に付き合ってやるよ。

は?…なんで僕がお前の為に遊ぶ場所を考えなくちゃいけないんだよ。さっさと決めて。

……本当は、お前の行きたい場所が分からなかっただけなんて言えるか…。いや、なんでもない。

ゲームセンター…?まあ、良いけど。

なんだこの取らせる気がない機械は。……嘘だろ、取ったのか?

…お前ってすごい奴だったんだな。…ただ、そのパンダのぬいぐるみはいらないから。

なに見てるんだ?赤い宝石の指輪か。

僕の瞳の色に似ていて綺麗?…お前は恥ずかしげもなくそんな事を…ほら、行くぞ。

おい、待てって!ったく…はしゃぎすぎだ。

ククク、そんな落ち込むな。お前は本当に可愛い奴だな…。

…?変な顔してどうしたんだ。…ああ、照れてるのか。自分は言いたいこと言うくせにな。

ほら、そろそろ帰るぞ。…まだ帰りたくないのか?

…僕がわがままを許す人間はお前だけだからな…。」


後編


ドラキュラ「人間界はごちゃごちゃしていて好きにはなれないが、今日はなかなか楽しめた。

ただ、やっぱりこの姿は性に合わないな。

……ふぅ。…は?可愛い?…全然嬉しくないんだけど。おい、勝手に写真を撮るな。

今日の記念って…大げさな。記念って言うならこれを持っておけば?

…指輪だよ。さっき店で見てただろ。……な、なに泣いてるんだよ!?

……笑えよ。…僕はお前の笑顔が見たいんだよ。………クク、ぐちゃぐちゃの顔だな。

お前はいつもそうだ。嬉しい時は涙を流すのに、辛い時は涙を堪えて笑顔を作る…。

お前のそういう不安定な強さが愛しくて堪らない…

…なんで今、ララの名前が出てくるんだ。ララとお前は全く違う。

僕が求めているのはお前、ただ一人だ…。」


ドラキュラ「……なんでこの姿になったかって?こっちの方がいろいろと都合が良いんだよ…」


ロイ「ころころ姿を変えて、手品師か何かか?

そうだ、今度のハロウィンパーティーで手品を披露してみてはどうだ。」


ドラキュラ「…お前、ここで何をしてるんだよ。」


ロイ「近くを通りかかったのでな、様子を見に来ただけだ。」


ドラキュラ「じゃあ、もう用はないだろ。帰れ。」


ロイ「ふん、相変わらず無愛想でつまらん奴だな。さて、帰るとするか。」


ドラキュラ「おい!なんでそいつを連れて帰ろうとしてるんだよ。

いいから、お前だけで帰れよ。そしてもう二度とこの屋敷に足を踏み入れるなッ!」


ロイ「嫌だと言ったら?」


ドラキュラ「力づくで追い出してやる。」


ロイ「ククク、貴様なんぞにできるわけないだろう。」


ドラキュラ「ふん、どっちが格上か教えてやる…。」


「(そして二人の戦いは朝まで続くのであった…。)」


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