デート・新春
新春
キラのマネージャーのシンさんは雪国出身。キラは毎年、シンさんのご実家に行って年越しをするそうだ。そんな彼に、この一年あの手この手で騙されてきた私は、気付けばその旅に同行することになっていた。そして、長い旅を経て見渡す限りの銀世界へとやって来た。
私たちが到着したのは除夕の当日。私とキラは床暖房の上でハメを外してはしゃぎ過ぎたため、シンさんのお母様にカップルだと思われてしまった。誤解は解いたものの、このあとキラは私の名を指で窓に書き、「好きな人の名前だよ」と言ったのだった。
キラと雪合戦をしたのは最大の過ちだったかもしれない。シンさんまで加わって、私たちは大いに雪の上で楽しく遊んだ。まるで子供時代に戻ったかのように、あの頃の純粋な気持ちが蘇った。
雪の中でずっと遊んでいた私は、すっかり風邪を引いてしまった。温かい布団で横になっていると、突然キラが布団の中に潜り込んできた。そして、雪国の温かい布団の中、私たちはこれから一人の時はここに来て、一緒に年越しをしようと約束した。