心の行方(2021年復刻)
開催期間:10月6日(水)5:00-10月12日(火)23:59
イベント「心の行方」の概要
イベント限定の撮影ステージをクリアすると、アイテム「マーガレット」が獲得できます。
「マーガレット」の獲得数が指定数に達すると、限定SR絆「シモン・心の行方」の欠片や豪華報酬を獲得できます。
累計獲得数
マーガレット | 報酬 |
---|---|
160 | 絆の欠片<シモン・心の行方>×5 コイン×20,000 |
360 | 絆の欠片<シモン・心の行方>×5 体力×200 |
560 | 絆の欠片<シモン・心の行方>×10 シモンの端末×6 |
860 | 絆の欠片<シモン・心の行方>×10 告白の願い×10 |
1160 | 絆の欠片<シモン・心の行方>×20 ダイヤ×100 |
注意事項
1. 報酬の受け取りはイベント期間中のみ行なえます。終了後に受け取りはできませんのでご注意ください。
2. 絆の欠片は50枚獲得後、【私の絆】-【絆の欠片】より合成することで絆(カード)となります。合成には30000コインが必要です。
3. 以前に開催された『心の行方』のクリア状況、報酬獲得状況は、本イベントに引き続き反映されます。
4.本イベントは再開催のため、初日の5回以外、毎日の無料撮影回数のリセット(付与)はありません。
攻略情報
消費ダイヤ…約3000前後
限定撮影ステージクリア時の「マーガレット」ドロップ数は1~2個/回
ドロップ率は人により違うのであくまで目安です
ストーリー
むっとした夏の熱気が肌に張りついて、なかなか一歩を踏み出すことができなかった。
なぜ私が炎天下の植物園にいるのかというと、1週間前に児童養護施設の院長先生から、とある依頼を受けたからだった。
以前、シモンの仕事の都合で、植物園での課外授業が延期になるということがあった。
当然、子供たちからは大ブーイングが起きて……
それで、植物園の動画を取ってシモンのナレーションをつけてほしいと頼まれたのだった。
子どもたちの気が少しでも収まるように、と。
そういうわけで私は、この過酷な状況に直面している。
暑さに朦朧としていると、着信音が響いた。
片手で台本を持ち、空いている手で慌てて鞄の中をあさり、携帯を探す。
私「もしもし?」
シモン「僕だよ、シモンだ。こっちの電波があまり良くないんだけど、聞こえてるかな?」
私「うん、聞こえてるよ。」
シモン「もしかして今、植物園にいるの?」
私「どうしてわかったの?」
シモン「僕のせいで、きみには迷惑をかけてばかりだね。」
私「そんなことないよ。番組顧問のシモン教授には、いつもお世話になりっぱなしなんだから。」
私「また手が空いたら、一緒に子供たちに会いに行こうね。」
シモン「そうだね。だけど、きみがみんなと仲良くしているのを見たら、妬いてしまうかもしれない。」
私「私にまで嫉妬するの?」
シモン「そうじゃないよ。子供たちに嫉妬してしまうということだよ。」
シモン「撮影に同行できなくて悪いけど、もし僕にできることがあれば何でも言ってほしい。」
私「今のところ、ナレーションの収録をお願いするくらいかな。」
私「子供たちが、大好きなシモンお兄ちゃんと植物園で遊んでる気分になってくれたら嬉しいな。」
シモン「僕を大好きなのは、「子供たち」だけ?」
私「……もうっ!」
シモン「ふふっ。冗談はこれくらいにしておこうか。」
シモン「音声を渡せるのは、もう少し後になると思う。きみも、暑さと日焼けには気を付けて。」
私「うん、わかった。シモンも体に気を付けてね。」
電話を切っても、太陽は容赦なく灼熱の日差しを浴びせかけてくる。
けれど私の心には、涼やかなさざ波が広がっていた。
私はドキドキしながら、映像を持って養護施設を訪れていた。
この映像を見るのは、やり手の投資家でもなければ専門家でもない。それでも私は、いつも以上のプレッシャーを感じていた。
子供たちの期待に満ちた視線を感じながら、再生ボタンを押す。
シモンの穏やかな声が流れ出した瞬間、子供たちの目がぱぁっと輝いた。
みんな画面から片時も目を離そうとしない。「シモンお兄ちゃん」と一緒に林の小道を歩き、色とりどりの植物の闇を抜けていく。
こんな風にシモンの声を聞くのは初めてだった。普段とは少し違う調子の、けれどいつも通り人を惹きつける彼の声色。
シモン「さて、僕たちはメタセコイアの下にやってきた」
シモン「この木は1億年以上前から、恐竜と共にこの地球上に生息していたんだ。一度は絶滅したと考えられていた、貴重な植物だよ」
男の子「ねぇ、恐竜とメタセコイア、どっちが背高いの?」
女の子「バカね。メタセコイアに決まってるでしょ!」
私「みんな、静かに。質問の時間は最後にとってあるからね。」
私「みんなの質問は、全部シモンお兄ちゃんに伝えて、次の機会に回答してもらうからね。」
女の子「シモン兄ちゃんはいつ来られるの?」
私「それは、私には何とも……」
私「でもお仕事が終わったら、きっとまた授業をしに来てくれるよ。わかった?」
女の子「うん……」
最前列の女の子ががっかりしているのを見て、私は彼女の前にしゃがみ小指を差し出した。
私「今度は絶対、シモンお兄ちゃんを連れて来るから。指切りしよう、ね?」
女の子「絶対だよ!」
女の子は小さな指をぎゅっと私の指に絡めた。他の子たちも我も我もとやって来て、指切りしようとせがんでくる。
私は一人も残すことなく、しっかりと指切りをした。
子供たちを宥めると、みんなが見逃した部分からもう一度再生した。
今度は静かに最後まで観てくれた。
質問タイムが終わり、子供たちに見送られて養護施設を後にする。そしてシモンに今日の報告をメールした。
メールを送信した途端、彼から電話がかかってきた。
向こうは相変わらず電波が良くないようで、雑音交じりのシモンの声に、私は必至で耳を傾けた。
シモン「子供たちの質問には、後で答えをまとめてメールするよ。」
私「うん。でも急がなくてもいいからね。まだ仕事中でしょ?もう切るね。」
シモン「その前に、□□先生。この前の質問の答えを教えてくれないかな?」
私「え……質問って?」
シモン「シモンお兄ちゃんを大好きなのは、子供たちだけ?きみはどう思っているのかな。」
私「そ、それ……ただの冗談じゃなかったの?」
シモン「きみも、冗談のつもりで返事をすればいいよ。」
私「……それは……」
私「子供たちだけじゃないよ。私も、あなたのことが大好きだよ。」
ザーザーと激しいノイズが入った。勇気を出して言った言葉は、シモンに届いただろうか。
ああ……私の本心が……
イベント限定絆カード
SR-シモン・心の行方