イベント【夜影の古城の宴】 最後の手がかり
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| （ニキとサクラ、箱を持ったモモは、ロウソクの僅かな灯りを頼りにクロリスの元に歩いて行った） （ニキたちに気付いたクロリスは、軽く目礼をした） （傍らの石テーブルでは、ステラが占い道具を広げて何やらやっている） | |
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| モモ | |
| あの、話をする前に、この箱をここに置いてもいいかな？ | |
| （クロリスは頷いた。モモはずっと箱を抱えていたせいで、心も体も疲れ切っていた） （モモは箱を、クロリスの右手のテーブルに置くとその場にぐったりと座り込んだ） | |
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| クロリス | |
| ……何か私に聞きたいことでもあるのか？ | |
| （ニキたちの視線が気になったのか、クロリスの方からそう切り出した） | |
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| サクラ | |
| 私たちはクロリス王子に、この箱の鍵を持っていないか聞きにきたんです。 | |
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| モモ | |
| だから！サクラも直球すぎなんだってば！ | |
| （クロリスは三人、そしてテーブルの上の箱を順に見て、首を振った） | |
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| クロリス | |
| その箱や鍵のことは何も知らないな。 | |
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| ニキ | |
| ここで何をしていたんですか？ | |
| クロリス | |
| 私はこの蔓をどうにかできないか、考えていたんだ。 | |
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| モモ | |
| 蔓？ | |
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| サクラ | |
| この蔓を取り除くということですか？ | |
| ニキ | |
| 鍵を見つけてこの箱を開けないと、古城から出られないらしいんです。それまで温室の蔓も、取り除くことはできないんじゃ……。 | |
| （クロリスは何も答えず、黙って上を指差した） （温室の天井の一部に、薔薇の蔓で覆われてない空間があった。しかもその空間が徐々に広がっている） | |
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| ニキ | |
| ……もしかして、古城のロックを解除する方法をご存じなんですか？ | |
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| クロリス | |
| （首を横に振って）私ではない、彼女だ。 | |
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| サクラ | |
| 彼女？ステラ？ | |
| （クロリスは頷いた） | |
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| クロリス | |
| だから、てっきり彼女を探しにここへ来たのかと思っていた。 | |
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| モモ | |
| ここに来たのはルイを探すためだよ。彼がここにいるのを、見た人がいるんだ。見てない？銀髪の背の高い男の人なんだけど。 | |
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| クロリス | |
| 銀髪……。 | |
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| ニキ | |
| 箱の鍵も探してるんですが……。 | |
| クロリス | |
| 鍵は見てないな。 | |
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| ニキ | |
| そうですか……せめてこの古城の主人か、その友人に会えれば。 | |
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| サクラ | |
| ルイがオーランドさんに、古城の主人は自分の友人なんだと話したんだそうです。それなら鍵を持ってるはず。それで彼を探してるんです。 | |
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| クロリス | |
| 私はステラにこの温室の蔓をどうにかするように頼まれてここへ来たんだ。彼女なら詳しい事情を知っているかもしれない。 | |
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| ニキ | |
| もしかして、ステラが古城の主人なんですか？ | |
| クロリス | |
| （首を振る）いいや。ただ、彼女は古城の主人の代わりに満月のパーティーの準備をしていたらしい。だから我々よりかなり前からここにいるはずだ。 君たちの探している、そのルイらしき人物なら、温室が蔓で覆われる前に、ここで月光浴をしていたぞ。 | |
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| モモ | |
| 月光浴？そんな仙人みたいなことを！ | |
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| クロリス | |
| ステラに聞くといい。彼女は、占いで『箱の在り処』を探しているようだから。 | |
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| ニキ | |
| この箱を…… | |
| （クロリスは三人に顔を向け頷いた） | |
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| ニキ | |
| わかりました、彼女に聞いてみます。ありがとうございます。 | |
| （三人は箱を抱えてステラのテーブルの前へ移動した） | |
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