紅の薔薇のアイリ
11/16~11/29
紅の薔薇のアイリ
我を呼んだのはあなた？永久の眠りについていたのに・・・いい度胸ね。
これも何かの因果なのかしら・・・あのとき果たせなかった願いを叶えさせてもらうわ！
ふっ、なかなかやるわね。寝起きにはちょうどいい戯れだわ。
あははっ！久しぶりの闘劇は楽しいわ！もっともっと楽しませてちょうだい！
あなた素晴らしいわ。その力を我のために揮いなさないな。歓迎してあげるわよ。
そうよ、その調子よ。遠慮せず全力でぶつかってきなさい。
もうおしましかしら？目覚めたばかりの我より先にバテるとは情けないわよ？
あら、まだまだ力が残ってるじゃない。我を相手に出し惜しみなんて余裕があるのね。
あなたの限界がどこまでなのか、我がはかってあげるわ。感謝しなさい。
少しずつ本気を出していくわ。ここからはキツくなるわよ、覚悟しなさいな。
おっと、言ったそばからやりすぎたかしら？手加減ができなくてごめんなさいね。
でもあなたならすぐについてこれるようになるわ。腐らず励みなさい。
ふふっ、今のは少し効いたわ。だけどまだまだ甘いわよ！
闘劇はまだ始まったばかりよ。ここで諦めるのは許可しないわ。
せっかく出会ったのだから最後まで付き合いなさい。あなたには期待しているのだから。
良い目になったわね。そういう目つき好きよ。さぁ、もう一度始めましょう。
我に合わせてついてきなさい。あなたをもっと強くしてあげるわ。
構えなさい。挑んできなさい。あなたが立ち向かってくる限り、我は相手をしてあげるわ！
あはは、さっきよりも勢いがましてきたわね。あなたの想いをぶつけられているようだわ。
嗚呼、嬉しいわ。あなたと一緒に願いを叶えられるかと思うと高揚が抑えられないわ！
まだよ！まだまだ！迷っていてはダメ！！本能のままに向かってきなさい！
傷つくことを恐れてはダメ。負けることを恐れてはダメ。何度も交えて初めて強くなれるのだから！
ふふ、だいぶ効いてきているようね。最初のときよりも強くなってきているわ。
我も少しずつ余裕がなくなってきたわ。油断を許さぬ状況ってとても昂ぶる！
あはははは！あはははは！いいわいいわ！！そうでなくては面白くない！！
傷を負うことすら心地良い！！これが今を生きているという実感なのだわ！
積年の願いすら霞んでしまいそうなぐらいだわ！我はこれを求めていたのかもしれない！
嗚呼、何故・・・何故この感覚を今まで覚えられなかったのか・・・！なんとも無駄な月日だった！
我の願いはなにかって？この世界を改革することよ。ま、その時代はとうに終わっていたようだけど。
永久の眠りについていたのだから当然のことよね。新たな時代は我にとって知らぬ世界よ。
知らぬ世界を改革するなんて無理なこと。ゆえに我はあなたと闘劇に耽っていたほうが有意義というもの。
次にまた眠るのがいつになるのか、それとも我に死が訪れるか。それはまだわからない。
でもそうね。すべてはあなた次第なのかもしれないわ。これがもし運命なら、なおさらね。
ふふっ、我ながら「運命」なんて信じがたいことを口にするとは・・・少々浮かれてしまっているわね。
とはいえ、こんな良き出会いをしたのだから仕方のないことね。
もう少し、あともう少し我を追い詰めることが出来たのなら・・・真の姿を披露しようではないか！
そこまで辿り着いた者は過去にひとりもおらぬ！あなたが最初で最後の人物となるだろう！
天にも昇るような鼓動が鳴り止まない！全身の血が眠っていた力が目覚めていく！
この右目が疼いてたまらぬ！！長らく封印していた神眼を解き放つときが来たようだ！
嗚呼、ゆくぞ。我のすべてを見せてしんぜよう。
碧の神眼のアイリ
ふふふっ、これが我の真の姿だ！碧の神眼を解き放つときが再び訪れるなんて、まさに僥倖！
さぁ、ここからは手加減なしよ！この程度で終わりじゃないってことを証明してちょうだい！！
ふっ、ずいぶんと戸惑っているようね？無理もないわ、我自身も久しいことで戸惑っているもの。
溢れてるこの力をどう制御したらいいのか忘れてしまったわ。あなたが我を止めるのよ！
恐れることはないわよ。あなたが我の力を引き出したのだから、きっとできるはずよ。
ふふっ、ふふふふ！あははははは！！！
そうそう！できるじゃない！やっぱり我の見込んだ通りの相手だわ！！
もはやこれは運命！我はここで目覚め、あなたと刃を交えるようになっていたのね！
嗚呼、素晴らしい。この邂逅に感謝を捧げよう！
よそ見をしている暇はないぞ！手加減ができないゆえに、大事なあなたを殺してしまうではないか！
でもあなたは我を倒す気で向かってくるのだぞ！？殺気を感じられない闘いなぞヌルい！
うふっ、その技は実に良いが我に通じないぞ！神眼は予知する力もあるのだからな！
我の予知を凌駕し想像を超えてゆけ！さすれば我を捉えられるだろう！
考えてはならぬ。我の動きを感じたままに動くのだ。きっとあなたの持つ本能が導いてくれる！
この我が・・・押されてるだと！？あなたの成長速度には脱帽だわ。この短期間でよくぞここまできた！
ここから先は・・・我にも余裕がなさそうだ。本気でいかねばなるまい！
くぅ・・・いい太刀筋だ！見惚れてしまうほどキレイで鋭い！！
ではそろそろ仕上げといこう！この闘劇の集大成を我に見せてみろ！
はぁ・・・本当によくやってくれた・・・おかげで長年募っていた想いや魔力がすべて発散された、礼を言うぞ。
少しばかりはしゃぎすぎたようだ。我は少々体を休める。起きたときにまた相手をしてくれ、さらばだ！
