和敬の三月兎アニス
11/30~12/13
和敬の三月兎アニス
どうしよう・・・遅刻しちゃう・・・遅刻しちゃう・・・
なにを急いでいるのかって?・・・説明している時間もないですよ。急がないと怒られちゃうんです・・・
それはそれはもうこっぴどく怒られるんです。情け容赦なんかないです。絶対に遅刻なんかできないんです。
もっと詳しく話を聞きたいですって・・・?ああっ、ボクの苦労を聞いてくれる人が現れたですっ!でも、時間がないですっ!
手っ取り早く要点だけお話しすると、人生、他人の轢いたレールで生きてくだけじゃつまらないってことです!
えっ?話が跳びすぎてなんだかよくわからない?じっくり話すには、とにかくもう時間がないんです!
ああっ・・・もうこんな時間・・・また会ったときにゆっくりお話するですーっ!さようならーっ・・・!
・・・おや、お前はこの前の!・・・ここまでボクを追いかけてきたんですか?
・・・この前急いでいたのは間に合ったのかですって?・・・なんとか、間に合ったです。
・・・時間には間に合ったのですが・・・。あわてて結局いろいろな失敗をして怒られたのです。しょんぼりです。
ところで、お前はこんなところまでボクを追いかけてきて何しているんです?可愛いボクのストーカーってやつですか?
ボクを追いかけている暇があったら、今すぐボクの家に帰って手袋と扇子をとってきてほしいです。あぁ、もう忙しいのです!
ボクの家の場所がわからない?仕方ないですねぇ。煙突がウサ耳の形をしているからすぐわかるです。ついてくるです。
まぁ、お茶ぐらいご馳走するですよ。そしてボクの愚痴を聞いてほしいです。ついでに家の掃除もして欲しいです。
ボクのおもてなしを期待しちゃいけないんですよ。ボクは人に親切にするのは嫌いなんです・・・。
あぁ、ごめんなさいボクの家は今日、満員でした。お前の座る席はないです。
えっ?他に誰もいないし席はたくさん空いているじゃないかって?仕方ないですねぇ。
じゃあ、その辺に座るといいです。お前にはそこがお似合いです。
お前にワインをあげます。先週解禁になった、今年の新作です。ここ10年で最高の仕上がりだった昨年を上回る出来栄えで・・・
ワインなんか見当たらないじゃないかって?
そうですね。だってボク未成年でお酒飲めないですもの・・・
それをすすめるなんて失礼じゃないかって?むむむっ・・・
お前の方こそ招待もしてないのに勝手にボクの家までついてきて失礼ですっ・・・!
ボクに呼ばれてついてきたって?・・・うーん、そういえば、そうでしたっけ?・・・忘れてしまいました。
じゃあ、コーヒーをあげます。・・・地獄のように黒くて熱く、ボクの愛のように甘いコーヒーを!
ええええええっ!?それよりもボクが持っているティーポットのお茶が飲みたいですってぇ!?お
ボクのコーヒーが飲めないっていうんですかぁ!?・・・ボクのコーヒーは世界で一番美味しいのにぃ!
苦いコーヒーが苦手なら砂糖をたっぷり入れたげますよぉ!ほらほらほらほらぁ!
ボクは自分の人生をこのティースプーンで測りつくしたんですよぉ!ぐるぐるぐる!
ぐるぐるぐるぐる!ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる・・・!
かき混ぜ過ぎてボク気持ち悪くなってきたですぅ・・・
本当に具合悪いので、ちょっと寝かせてくださいですぅ・・・子守唄を歌って欲しいですぅ・・・
そう、いい感じですぅ・・・お前、結構いい声しているですね。冒険者で喰えなくなったら歌手になるといいですよぉ。
・・・うとうと・・・うとうと。
・・・zzz・・・zzz・・・すぴー・・・すぴー・・・
・・・zzz・・・zzz・・・はぁ、もう食べられないです・・・幸せですぅ・・・
・・・よく寝たですぅ。もう体調ばっちりですぅ!
何ですか?何か言いたいことがある?ボク、なんでも聞いてあげますですぅ。
・・・いつになったらお茶が飲めるのかですって?
うーん、じゃぁ、ボクのとっておきのワインをご馳走します!
先週解禁になった、今年の新作です。ここ10年で最高の仕上がりだった昨年を上回る出来栄えで・・・えっ、この話はもう聞いたって?
じゃぁ、お前にマティーニをあげます。ステアじゃなくシェイクで!
シェイクできるのかって?・・・ごめんなさい。できません。
だってボク・・・未成年だからカクテルなんて飲んだことも作ったこともないです。一回おしゃれなバーに行ってみたいです。
そんなことより、そのティーポットのお茶を飲ませてくれですって?
つまりお前は、美味しいお茶を出してくれる可愛いボクを愛していると言いたいわけですか!?
お前の紅茶が飲みたいって、それは愛の告白と同じ意味ですものねっ・・・
そりゃあ、ボクはぁ、自分で言うのもなんですが可愛いですからね。で、でも、でもでもでもっ・・・
そんな急に愛の言葉を言われても・・・心の準備とかっ・・・
は、恥ずかしいっ・・・どきどきしちゃうなぁ・・・お前じゃなくって、あなたって呼んでもいいです?
えっ?そんなことは言ってないですって?きぃぃっ?ボクの純粋な心をもてあそぶつもりですかぁ!お前!お前ぇええっ!このバカぁ!
うわぁあああん!傷ついたですぅぅ!!もう立ち直れないです!!
ひっくひっく・・・ぐすんぐすん・・・
ぅぐぐぐぐ・・・たくさん泣いたらお腹が空いてきたです。きょうって何日でしたっけ?
お前の時計、2日もずれているじゃないですか。2日も経ったらせっかくのコーヒーも酸化しちゃうですよ。
淹れ立て熱々の、とっても美味しい最高のコーヒーだったんですよぉ。
え?何日か解っても何時かわからないと意味がないじゃないかって?不思議な事を言う人ですねぇ。
逆に何時かわかってもしょうがないでしょう。お前の時計は今、何年かわかるんですか?
わからないけれど、歌を歌うときにはリズムを刻むですって?面白いことを言いますねぇ。
この間、ハートの女王様の大コンサートがあって、ボクもちょっと歌うことになったんです。
きらきらコウモリ~♪跳ぶのに疲れて~歩いて出かけたのです~♪
知っているでしょう?この歌?
うん、聞いたことあるよね。それでね、こんな風に続けて歌ったわけですよ。
お月様めがけて~♪コウモリは手紙を見送った~♪コウモリは手紙を見送ったのです~♪
で、これからサビで一番盛り上がるってところで、女王様が突然怒り初めて。それで時計と時の法則を壊しちゃったんです。
ね、酷いでしょう?それで、壊された時計たちも怒っちゃって。何故かそれが全部ボクのせいにされちゃってるんですよぉ。
だから、今じゃずっと3月3日の6時のまんまなんです・・・。
それでお茶の道具がこんなにたくさんあるわけですよ。いつもお茶の時間で、食器を洗っている暇がないの。急がしいったらありゃしない。
それで、どんどん時間がずれてしまってるんです。
もうそろそろ話題をかえるです。この話は飽きてきちゃったです。とりあえずお前はもっとお茶を飲むです。
まだ何も飲んでないから、もっとお茶を飲むなんてできないですって?
ちょとだけしか飲めないって意味ですか?まだ飲んでないんだから、もっと飲むなんて簡単でしょう?
そういえば、ボクは最近絵を習っているんです。まみむめもで始まるものならなんでも描いているんですよ。
まんじゅう、とか、みかん、とか、桃、とか。面倒くさいのとか、もうたくさんだーってのを。
お前、もうたくさんってぐらいの絵を見たことがあるですか?
見たことないんですか!?・・・じゃあ黙っているです!
あら、黙ってろって言ったら怒っちゃったですか?怒った顔も可愛いですね。ボクはもっと可愛いですけれど。
もう帰るんですか?これからが話のいいところなのに・・・もったいないですよ?
あーホントーにもったいないなぁ~。聞いておかないと損すると思うんだよなぁ~。
・・・おやおやぁ?興味ができたって感じですねぇ~?いいですよ~そうこなくっちゃ!
そこまで聞きたいっていうなら話してあげますです!さっ、何でも聞いてくださいです!
え、質問じゃなくてボクの話が聞きたいですって??それはいったいなんの話ですか?
あっ、面白い話があるなら聞かせてくださいです!つまんなくてもボクはちゃーんと最後まで聞いてあげますから!
・・・そうじゃない??んーなんのことかさっぱり見当もつかないですねぇ。
面白い話がないなら黙っててくださいです!せっかく期待してたのに残念で紅茶も飲めません・・・。
怒るのはおかしいですって?なんかいけませんか!?もうボクの頭がこんがらがってきましたよ!
はぁ・・・今日はもう疲れました。こんなことはそろそろやめて、お茶にしましょう。
とっておきのお茶を淹れてあげますから感謝するのです!本当ならおいしいバターもあったんですけどね。
最高のバターだったんですよ・・・。パン切りナイフで使ってしまったがためにあんなことになるなんて・・・。
なんで最初からその話をしないのかですって?いやーダメなんですよねー。それはまた別のお話なので!
いろいろと話せない事情があるのです。これはボクだけじゃなくてみんなに関係することですから。
みんなとお茶会にくる仲間たちです。いつもなら満席になるぐらいきてくるんですよ!
今日はたまたまね、たまたま、お前は空いてるときにきたから運がよかったんです!ゆっくり寛げるなんて贅沢なんですからね!
贅沢なお前にボクが甘いコーヒーを淹れてあげるです!え、いい加減お茶を飲ませてほしい?もうワガママなんですからっ!
まったく図々しいやつです!ボクの心が広くなかったら、今頃追い返してるところです!本当に困った客人です!
さっ、これでも飲んで満足するです!ボクの特製コーヒーです!!!
お前にボクのお茶は三ヶ月早いです!!そんなに飲みたいなら三ヵ月後にまたくるんです!
仕方のないお前のために、席はちゃんと取っておくから安心するです。茶葉もきっといいのが入ってる頃です!
どう?待ち遠しくなってきたでしょ~うふふふ。今から指折り数えて楽しみしてるです!
それじゃぁ、またです。そのときは鮭のスモークを用意して待っているです。
暴走の三月兎アニス
おいお前~!この一服盛った紅茶でも飲んでいきませんかぁ?
はっ!何故この紅茶が毒入りだと気づいたですっ!同じ手で沢山の邪魔者を倒してきたのに・・・
自分で言ったですって?そんな、ボクとしたことが・・・
こうなれば実力行使です!ボクのおもてなしを受けてみるがいいです!
お前、強いですっ・・・ボクの力ではかなわないですっ・・・
お前に良いことを教えてあげるです。ハートの女王の城には、禁断の紅茶があるというウワサですよ。
なんでもそのお茶を飲むと本人の潜在魔力と引き出してくれるとか!!
今度、女王の城に行く用事があるのです。そのときにちょっとみせて貰えないかなぁと思っているのです。
魔力の話も興味があるのですが、どんな味がするのかの方が興味津々です。
もし、飲める機会があったら、味のレポートをお前にも教えてあげるです。ふへへ。
んふふ・・・ハートの女王の城からちょっぴり禁断のお茶を拝借してきたです。どんな味か楽しみです。
うぐぐっ・・・カラメルみたいな発酵臭・・・色も紅茶みたいに真っ赤。発酵しすぎているんじゃないですか?この紅茶。大丈夫かなぁ。
どれ、いただきまーす・・・
・・・!?
・・・コウチャァアア!!
・・・コウチャ・・・ド、コ・・・ダ・・・?・・・ウワァァァァァッ!
・・・ボクノ、オチャァアア!モット・・・ヨコセェエエエ!!ウオォォォォッ!
はっ・・・!お茶の禁断症状が解けたぁ・・・はぁはぁ・・・
・・・1日で3分間だけ正気に戻ることができるんです・・・この時間にお前に合えてよかったです・・・
ある日、ボクはハートの女王のお城で見つけた禁断の紅茶に手を出してしまい・・・気が付いたらこのさまです。
禁断の紅茶は、女王の魔力の源だったのです。なぜあれほど女王が紅茶を飲むのかやっと理解できました。
ボクは女王と同じ魔力を手に入れた代わりに・・・あの紅茶を飲み続けないと正気を保てなくなってしまいました。
ボクを・・・ボクを倒してください・・・。こんな事を頼めるのはお前しかいないです。
グ・・・グァァ!!ま、また、紅茶の魔力がッツ!ウオォォオォォオッ!
コ・・・、コウチャッ・・・ガバッ・・・
ボクを倒してくれて・・・ありがとうです・・・これでやっと楽になれるですっ・・・ガクッ。
あれ、ボク、まだ、生きている?紅茶がなくても魔力を維持できるようになったみたいです!湧き上がるこの力!すごいですっ!
お前も飲んでみます?もっと強くなれるかもです。ただ、ボクのような精神力がないと・・・心が耐えられないかもです。
ヘッ!?お前もあの紅茶を飲んで克服したんですかっ!?この強さっ尋常じゃない!
あの紅茶にはまだ秘密があって、もう一段上の禁断中の禁断の紅茶があるんです・・・
ボクはもう一度禁断の紅茶に手を出すべきかどうか迷っているんです・・・お前が強すぎるから・・・
うん、決めた!ボクはもう一度手を出す!そしてお前を倒すです!もう負けないです!!
あああああっっ、力がみなぎってくるですよぉぉぉぉぉ!!この感じてとっても心地よいですぅぅっぅぅ!!
さぁ!禁断中の禁断の紅茶の力を手に入れたボクを・・・倒してみるがいいですっ!
あぅ・・・もう、本当の本当に降参です。これ以上ボクからお前に出せる紅茶はないです。
だから今度はお前がボクに紅茶をだしてください。そしてボクをもてなしてくださいです!
お、おいしい・・・なんで!?素人のくせして生意気です!!ボクのプライドがズタズタです!!
やはりお前は見逃せないヤツです!!ボクの全力をもってやっつけるですっ!!
きぃぃぃっ・・・何度も何度もぉぉおお!ボクは悔しいですぅぅぅ!!お茶の作法も知らないお前に負けるなんてぇえ!
もう怒った!ボクは怒りましたからね!!今からお茶会して、どっちが楽しめるか勝負です!
ふふふっ、これならボクにも自信があるです!さぁさぁ、もっとボクをもてなすのです!
んん~ん♪なかなかにいい香りじゃないですかぁ~!味も上品でおいしいです!
ふぅおかわりをくださいです!ついでにケーキやパンも!え、欲張りすぎですって?細かいことは気にしないです!
ボクより強いお前ならケーキのひとつやふたつぐらい作れるんでしょ~?ささっ、ボクは楽しみにしてるんですから早くぅ!
ふふっ、文句を言いつつもちゃんとやるところが素晴らしいです!ボクの弟子にしてやってもいいんですよ!?
弟子になれば毎日おいしい紅茶を飲ませてあげるです!淹れ方だって教えてあげるんですからいい事ずくめです!
どうですどうです?悪くない話だと思うんですよ?早くしないとボクの気が変わっちゃいますよ~?
弟子入りする!?しちゃう!!?いい判断ですよ~!ボクが弟子を取るなんて初めてなんですからね~!
じゃあ、決まりってことで最初はこき使ってあげますです!ビシバシ教えてあげるから覚悟してくださいです!
ほらほらっ、食器はちゃちゃっと洗うです!でもキュキュっと音がするまでしっかり洗うんです!
どれどれぇ~、一見キレイに洗えたようでも、こうやって指先でフチをなぞるとぉ~残って・・・ないじゃないですか!!
ダメですやり直しです!ここは少し残っててボクから叱られるところなんですよ!?
師匠のボクよりもできるなんてダメです!ボクは許さないです!お前には狂気の紅茶をお見舞いするですッ!!
これを飲んだらタチマチ頭がおかしくなって、何もかも手につかなくなるんです!お前は一度ぽんこつになるんです!
・・・あ、あれ!?なんで変わらないんですか!?平然としてるなんておかしいです!お前はやっぱりヘンです!
え、ボクのほうがおかしいって・・・?た、たしかにそれもあるかもしれないです・・・
もしかして・・昨日寝ぼけて飲んだ紅茶がコレだったとか・・・な、ないですよね!?
そんな聞かれてもって、ボクは真剣なんですよ!?なんでそんなこと言うんですかぁぁぁ!!
でもそうですよ・・・!ボクがいまこうなってしまっているのは狂気の紅茶を飲んでしまったからなんです!だからお前に負けるんです!
お前のおかげで納得しましたです。そうとわかったら気負うことなくどんどんいきますです!
じゃあ、次はテーブルコーディネートです!みんなに楽しんでもらうように見栄えよくするんです!食器選びも大事ですからね!
まったく憎たらしいほど良い物を選ぶからイラッとしちゃうです!でもこれもボクの教えがあっての功績ですね!
いやー弟子が育ってくれるのは嬉しいなぁ~!ハートの女王様に見せてあげたいくらいですよ!
なら会ってみたいって・・・?あ、ああ~、うん、機会があったら連れていってあげますね!
今すぐは都合が悪いというか・・・顔を合わせられないというか・・・とにかく今はダメなんです!
女王の紅茶に手をつけたのがパレたのかって!?・・・鋭い弟子は嫌いですよ!
とにかくもう少しお前が成長したらです!今はまだお預けです!!いくら頼まれてもダメなものはダメなんです!!
ボ、ボクはこれから用事があるからあとはお前に任せるです!!食器を割らないなら寛いででもいいですから!
じゃあ、留守番は頼みましたからね!余計なことはしないでくださいね!
ああああああ、早く女王様にあやまらなくちゃあああああ!!!もうお説教は嫌ですぅぅぅぅ!!!
んもぉ!いくら大事な茶葉だからってあんなに怒ることないです!!おかけで目がもっ赤くなってきたじゃないですかぁぁぁ!
って、まだいたんですか!?まさか本当のボクのことが好きなんですか!?!?い、いくらなんでもちょっと引きますよ・・・?
でもまぁ、嫌な気分じゃないですね!好かれるというのは誰であろうと嬉しいものです!可愛いボクは寛容なので許可しますです!
だからといって「はいそうですね」とはいきませんです!ボクは弱い人が嫌いなんです!だからもう一度試させてもうらです!
え・・・「何回やっても結果は同じなのでは?」だって!!?その根拠はどこにあるんですか!?証拠をだしてください!!
「もうやめたほうが・・・」ってどういうことですか!?ボクをバカにしてるんですか!?!もう我慢できません!今に泣かせてやるです!!
うぅ・・・ちょっと手加減してくれてもいいじゃないですかっ!ボクは本気ですけどお前は手加減するんです!!まったく大人気ないやつです!
そんなんじゃボクの気を惹けないですよ!!いいですか?ボクはいま優しくしてくれる人がいーんです!わかりましたかぁ!?
うんうん、わかればいいんですっ!じゃあ、もう一度いきますよ!次はどうしたらいいか・・・もうわかりますよね?
ーーあふんっ!?全然わかってないじゃないですか!!ごめんで済んだら女王はいらないんですよ?ちゃんとやってください!
マジメにやらないならボクは帰ります!もうお前には付き合っていられないです!そこで後悔してるといいです!!
・・・なんで止めてくれないんですかぁ!ここがボクのおうちだって知ってるじゃないですか!!
ハッ!もしかして我が家を乗っ取ろうと企んでるんですか・・・そうはさせませんよ!!
誤解だというなら一度負けてみせるです!制限時間はこのお茶が冷めるまでです!さぁさぁ!!
い、意地でもボクに勝ち続けるんですね・・・!何があってもその信念を曲げないとは・・・
敵ながらあっぱれです・・・。ボクの心が先に折れてしまいそうです・・・あぅ。
もう勝てなくてもいいです。どんな手を使っても勝ちたいと思ったボクが間違いないでした・・・とりあえず一息つきましょう。
お前が飲みたがってた紅茶を淹れてあげます。ボクを負かせたご褒美です。味わってくださいね。
どうです?おいしいですか?・・・え、ヘンな味がするって?どんなふうにですか?
苦くて渋くて辛い・・・?ほほー、それは確かに紅茶の味じゃないですねー!おかしいですねー!
おかしいなぁ~。紅茶を淹れたつもりだったのにぃ~、何を淹れちゃったんだろ~?
お、身体中が痺れてきた?しかも舌がヒリヒリする?これはもう紅茶じゃないですね!
わわわっ、ごめんなさいです!紅茶じゃないヘンな茶葉で淹れてしまったようです!大丈夫ですか!?動けますかっ!?
少しは動ける?・・・おかしいです、少しでも飲んだら疲れて動けなくなる茶葉なのに・・・って、あーなんでもないです!
とりあえずお前は休んでるといいです!眠くなったら寝てもいいですよ。ボクが優しく起こしてあげますから。
そうですそうです。何も心配する必要はありませんです。ゆっくり眠って気持ちいい夢でも見るがいいです!
ふへへっ、眠りましたね・・・!いまのうちに仕返ししてやるです!起きてびっくりさせてやるです!
まずは熱々のお茶を用意して・・・ふふっ、今から楽しみで仕方ないです!これでボクの恐ろしさを知らしめてやるです!
これでお前も終わりーえ、えええ!?なんで起きて・・・、こここ、これはあれです!寝起きにいいかなーって思って用意したんです!
お、おいしいですから飲んでてくださいです!ボクはちょっと用事を思い出したので少し外出してくるです!!
何か企んでなかったかって?気のせいですよ、あはは!そ、それじゃあ、またあとでー!!