享楽の王子リベルタ
11/16~11/29
魔王軍の者については、こちらのページを参考にして下さい→第七章 君に荊の審判を
あらすじ
王国のリベルタ王子にお見合い相手がやってきたんですの!
あなたは王子の警護を任されたんですのよ。
でも王子の評判って王国内ではあまりよろしくないんですのよ…
享楽の王子リベルタ
やぁ、君かい?今日から私の警護をしてくれる騎士というのは。
○○○(プレイヤーの名前が入る)か……美しい響きだね。澄んだ泉のような透明感だ。
でも、なぜ特別な警護が必要なんだい?
……私にお見合い相手が?そう言えば、そんなことを言われてたような気もするね。
そうだっけ?ははは、すまないセバスチャン。いつものお説教だと思って聞き流していたようだ。
私は王位を継ぐことのない王子だからね。この通り、従者たちを困らせてばかりの困った奴なのさ。
え?自覚があるなら直せないのかって?無理な相談だね。どうにもこういうことにはやる気が起きない。
こんな調子だから、私の放蕩っぷりは知れ渡っていると思っていたが……。
君は外の任務が多くて、王国内の情報には疎いと見える。
私の母親はね……平民の出なんだ。だから私は、王位継承権を持っていないも同然なのさ。
おそらくは、王の正妻の子である弟が跡継ぎになるのだろうね。
フフ……これでやる気を出せというほうが酷ではないかな?……なんてね。
ああ、そんなに深刻な顔をしなくてもいいんだよ?私は今みたいに自由にやれるほうが性に合っているのだから。
国王だなんて荷が重い仕事は弟に任せて、アチラコチラへ飛び回っているほうが、人生楽しげじゃないかい?
そもそも、私は興味のない話は右から左へ流れるような体質なんだ。今日までのらりくらりと色んな運命から逃れてきたのさ。
私の興味を引くもの……?フフ、それは君だね。今、私の瞳を釘付けにして離さない君。おとぎ話から抜け出してきたような美しさを持った君。
そうだ、君のことをもっと知るために、一緒にクリケットでもどうだい?外遊びが嫌なら、チェスでもいい。
すみません、今は公務中なので……。
ほほう?では、公務中でなければいいんだね?……じゃあ、君は今日でクビ!……はは、なーんてね、冗談さ!
……リベルタ様!?一体どこへいらっしゃるのですか?これからお見合いの顔合わせなのに!
ごきげんよう。お見合いの時間より少し早い到着ですが、リベルタ様へご挨拶に参りました。イザベラと申します。
し、少々こちらの部屋でお待ちいただけますでしょうか?すぐにお茶をご用意いたしますので……。
ありがとう。それで、リベルタ様はどちらに?
はい、今少々手が離せない要件がありまして……お呼びいたしますので、お待ちください。
ご多忙なのね。わかりました、こちらで待たせていただきますわ。ああ、早くお会いしたいです。
早くリベルタ様を見つけ出さないと……大変なことになる!
リベルター様!ご令嬢がお城でお待ちです!リベルタ様!姿を見せてくださーい!
ダメだ……全然見つからない。やっぱり街のほうへ行っているのかもしれない。急ごう!
……うん、いい香りだ。やはりこのカフェは落ち着くな。ハーブティーが私好みの味だし、スイーツのレベルも高い。
今度誰かをデートに誘うときは、このカフェで……おや?どこかから綺麗な歌声がするね。一体誰が歌っているのだろう?
♪野辺咲く花よ、私を彩って ♪香り立つ花のドレスを身に纏い ♪今の私を貴方に届けたい
おお、なんと美しい声だ!……それに、歌声に会わせて花壇の花々が成長している……素晴らしい!
……すみません、美しい人。あなたのお名前を伺ってもよろしいでしょうか?
まぁ、素敵な殿方。フフ、私はイザベラと申します。
はぁはぁ、一体どこにいるんだ、リベルタ様……あっ!マーリン、ちょうどいいところに!今、リベルタ王子を探しているのだけど……。
どうしたの?そんなに息を切らして。ええと、王子なら街の中心にある大きな花壇で見かけたよ。
ありがとう、マーリン!事情はあとで説明するよ。今はちょっと急いでいるんだ。
わかった。気をつけていってらっしゃい!
こんなところに!リベルタ様!早くお城にお戻り……?王子の横にいらっしゃるのは……もしかして、イザベラ嬢?
ああ、○○○(プレイヤーの名前が入る)か。遅いじゃないか!私は今、こちらの令嬢との結婚を決めたところさ。早く城へ戻って手続きをしよう。
はぁ、結婚ですか……え、結婚!?
勝手にお城を抜け出してしまってごめんなさい。でも、一刻も早くリベルタ様とお見合いしたかったのです……。
フフ、可愛い人だ。こんなに美しい人にここまで想われているのだから、応えなければいけないだろう?私は果報者だよ。
正式な婚約発表は後日行いますが、取り急ぎ結婚式までの手続きを進めましょう。
ありがとう、イザベラ。君は私と違ってしっかり者だね。
フフ、任せてくださいませ。リベルタ様のお手を煩わせないよう、面倒なことは私は進めておきます。
おや、いつの間にか従者たちも集まって来ていたのか。ああ、泣かないでおくれよ。フフ、放蕩者が身を固めるのがそんなに嬉しいのかい?
リベルタ様はまだしばらく結婚するつもりはないのかと思っていました。
君の目には私はそんなふうに映っていたんだね?フフ……私も当分結婚するつもりはなかったのだけれどね……。
イザベラの魅力にヤラれてしまったようだ。気が変わったんだよ。年貢の納め時ってやつかな?なーんてね。
心酔の王子リベルタ
ふんふふーん♪ああ、結婚式が今から楽しみだ……。
リベルタ王子、とってもご機嫌ですの!
そうだね、イザベラ様との結婚が決まってから、ずっとあんな調子だよ。
イザベラ様って何をしても完璧だって聞きましたの。
これで王子も落ち着くんじゃないかなってみんな話してるみたいだね。
ロゼもイザベラ様は王子の良い奥様になると思うんですの!
うん、そうだね……でも……。
○○○(プレイヤーの名前が入る)?顔色が優れませんけど、どうかしたんですの?
いや、なんでもないよ。
……イザベラ嬢はあまりにも完璧すぎて……何か裏があるような気がしてしまう。
気にしすぎ……だといいのだけど。
ああ、こんな所にいたのか、○○○(プレイヤーの名前が入る)。式に出す料理について相談がしたくて……。
あの、リベルタ様……少しお話よろしいでしょうか?
ん、どうかしたのかな?そんな思いつめた顔をして。よっぽどの要件のようだね。
あの……イザベラ様のこと、なのですが……あの御方の身元はきちんとお調べになったのですか?
……それはどういう意味かな?
失礼ながら、リベルタ様は気が多い方ですし、王位継承権も下位……知り合って間もない令嬢が王子にあそこまで一途というのは……。
怪しいと?フフ……君が言いたいことはおおよそわかったよ。
すみません、差し出がましいことを。ですが、リベルタ様がイザベラ様に過剰に入れあげてらっしゃって……少し心配に。
もしかして、妬いているのかい?
え?
フフ、わかるよ。今までみんなの王子リベルタ様だったのが、急にただひとりの女性のモノになるだなんて、心が追いつかないのだろう?
ええと……そうではなくて、ですね……。
そうだ、今度一生にお茶でもどうだい?私の心は彼女のモノだけど、友人として君も大事にしよう。
あ、ありがとうございます。……ううん、なんだか丸め込まれてしまったような気がする。
……あれ、どうしたの?そんなに慌てて。
リベルタ王子を見なかった?結婚式の段取りを決める大切な会議があるのだけど……姿が見えなくて。
王子なら、街の外へ向かうのを見たよ。
ありがとう!撒かれちゃって困っていたんだ。迎えに行ってくる!
大事な会議だっていうのに、以前のようにフラフラされたら困るなぁ……。
ええ、そうね……。
あれ?あそこにいるのは……イザベラ様?どうしてこんな街外れに?それに、一緒にいるのは……。
……
魔王軍!?ま、まさか……!
イザベラ様は……魔王軍と繋がりがあるのか!?つまり、リベルタ様は騙されている……?
急いでリベルタ様に伝えなければ!
リベルタ様……!あ、こんなところに!リベルタ様、大変なんです!
おや?随分と慌てた様子だね。何かあったのかな?
顔色も良くないわ。まずは少し休んでお水を飲んでからお話になってはいかが?
イ、イザベラ様……お戻りになっていたのですね……。
ええ、先ほど用事を終えて戻ってきたのです。式についての大切な会議がありますから。
君はどこへ行っていたんだい?ちょうど今、彼女と式の内容について話していたところだよ。
王子……あの、ですね……。
イザベラ様は、魔王軍と通じています!この目で見ました!あなたは騙されている……!
イザベラが?まさか……。
ひどい……どうして突然そのようなことを仰るのですか?
ああ、可哀想に。涙まで流して……ほら、このハンカチで拭くといい。私の愛しい人。
○○○(プレイヤーの名前が入る)……一体どうしたんだ?彼女が魔王軍と……だなんて、縁起でもない。何かを見間違えたのでは?
いえ、間違いありません!そのお姿、しっかりとこの目で確認いたしました。イザベラ様は魔王軍の者と、何やら話をしていたのです。
……○○○(プレイヤーの名前が入る)、例え君でも、これ以上私の愛する人を侮辱するのは許せないな。
ですが、見たのです!嘘ではありません……!
今は君も冷静ではない様子だ。少し時間を置いて話をしよう。イザベラも動揺している。休ませたいんだ……いいね?
……はい、わかりました。
クスクスッ。
……?
イザベラ、大丈夫かい?
グスッ……ええ、少し休めば平気ですわ。リベルタ様、私のそばにいてくださいますわね?
もちろん。世界中の誰がなんと言おうと、私は君の味方だからね。
虚言の王子リベルタ
愛しいイザベラ、体調はいかがかな?
リベルタ様がおそばにいてくださったので、安心して休めましたし、調子も良いですわ。
それは良かった!花嫁の顔色が悪い結婚式だなんて、興ざめだからね。君には元気でいて欲しい。
リベルタ様……本当にお優しいのですね。
フフ、当たり前だろう?私は君を心から愛しているのだからね。
このままでは、リベルタ様とイザベラ様の結婚式はなんの問題もなく進んでいく……。
でも、あの時見た……魔王軍の者とイザベラ様のやり取り……あれは決して夢でも幻でもない。
一体、どうすれば……このままではリベルタ王子の身に危険が及ぶかもしれない。
こんなにお優しくて理知的で、素晴らし王子ですのに……リベルタ様の王位継承権がこんなに低いだなんて……。
あなたのほうが他の王族たちよりも、よほど優秀ですわ。
フフ……ありがとう、イザベラ。君がそう思ってくれるだけで、私には身に余る光栄さ。
リベルタ様には野心がありませんの?それとも……私が愛したあなたは、他より劣っていると認めますの?
おやおや、今日は随分と挑発的なことを言うのだね?
結婚式の前に、一度尋ねてみたかったのです。
……そうだね。私が本気を出せば、王位に手が届かないはずもないだろうね。
リベルタ様……?
やっぱり……!リベルタ様ほどの方なら、きっと心の奥底に燃える野心を抱いているはずと……そう信じていましたわ!
王子は変わってしまった……。もしかして、イザベラ様はリベルタ様を王にして、裏から国を操るつもりなのでは?
……杞憂で終わってくれるといいけれど。
今日はとても良いお日和ですの!王子の婚約発表には打って付けの日ですの。
そうだね。あ、リベルタ王子がバルコニーに出てきたよ!イザベラ様も一緒だ。
さて、今日は国民のみんなに大切なお知らせをするために集まってもらったのだけど。
フフ。
みんなが期待しているようなことは言えないんだ。ごめんね。私はまだしばらく結婚するつもりはないよ。
リベルタ様!?どうしてそのようなことを仰るのですか?
私たち、あんなに深く愛し合っていたのに……。
ごめんよ、マイハニー。泣かないでおくれ。
でもね……私はやはり、ひとりのモノにはまだなれない。
この世界上のすべての存在が私にとっては恋人のようなものなのだからね。
もちろん、君のことはとても大切だし、心から愛しているよ。
しかし、私は……まだ見ぬ老若男女すべての存在を確かめ、愛し合ってから伴侶を決めたいんだ。
ッ……最低ですわ!
おっと……随分と力強い平手打ちだね。イテテ、私の美しい顔に痕が残ってしまいそうだ。
さようなら!もう二度とお顔を拝見することはないでしょうね。
イザベラ様……!
引き止める必要はないさ。心が一度離れてしまえば、再び寄り添うことはとても難しい。
リベルタ様……。
君の役目をなくしてしまったね。悪いことをした。
いえ、そんなお気遣いは。
迷惑をかけた分……君だけには少し話しておこうかな。
え?
君はイザベラが魔王軍と通じていると私に進言してくれたね?
はい。ええと、まさか……リベルタ様は気づいておられたのですか。
ああ。目的を知りたかったからしばらく泳がせていたが……。
私の評判や地位を知っているはずなのに、喜んで嫁いでくる人がいること自体がおかしいだろう?しかしもう大丈夫さ。すべて対処は済んでいるからね。
そんな、リベルタ様は評判なんかよりもずっと……。
ああ、そうだ……リベルタ王子、あなたは……本当はとても優秀な王の器なのではないですか?
あはは、まさか!私は放蕩者のボンクラ王子さ。……ただ、面倒な王位継承争いに巻き込まれたくないというだけだよ。
……しかし、今まではずっと私ひとりで動いていたから、少し寂しかったんだ。実のところはね。
だが、これからは……君だけは本当のことを知ってくれてると思えば、勇気づけられるよ。
ああ、婚約者探しについてだけど……世界中の老若男女と会ってから決めるつもりなのは本当さ。
……君も含めて、ね?
リベルタ様……。フフッ、あなたらしい言葉ですね。
君は任務で王国の外に出ることが多いし、私もこれからは簡単に街に出られるか分からない。しばらくは会えないだろうが……落ち着いたら訪ねてくれると嬉しいな。
ええ、わかりました。きっと……!
では、元気でね。私の大切な友人、○○○(プレイヤーの名前が入る)。
あっ、○○○(プレイヤーの名前が入る)……!どこへ行ってたんですの?街ではリベルタ王子の噂で持ち切りですのよ!
イザベラ様との婚約を破棄して、優柔不断かつ不誠実だって……ボクはなにか事情があると思うんだけど……。
○○○(プレイヤーの名前が入る)はどう思いますの?
うーん……世界中の人に会わないと分からないな。
王子の真似をしなくていいんですのよ!