【白猫】モモ・思い出
アイドルマジシャン バニー・モモ バニー姿のマジシャン。 最高の舞台で最高にかわいい自分を魅せるべく、 マジックの練習に励んでいる。 |
思い出1
レッディース&ジェントルメ~ン!バニー・モモの登場で~っす!
<バニースーツの少女が、ポーズを決めてウィンクする。>
わあ、ウサギの半獣さんですか?
あれはただの服だって、アイリス。バニーガールってヤツでしょ~?
ただのバニーガールじゃないよ~?モモはサーカスのマジシャンなの!
マジシャンはサーカスの花形!
最高に派手な舞台で、最高にかわいいモモを見てもらうんだ~☆
『最高にかわいい』とか、フツー、自分で言う~!?
え? だって、モモがかわいいのはホントのことだもん。隠す意味ないでしょ?
あ、でもでも、モモに恋しちゃダメだからね?
だってモモは、みんなのモモだも~ん!きゃはは~!
思い出2
マジシャンは、魔法使いとは違うんですか?
ぜんぜん違うよ~!
魔法は不思議なパワーを使うけど、マジックはトリックで魅せるの!
魔法を使ってないのに不思議なことを起こす……それがマジックなの!
ふぅ~ん。今じゃ魔法も一般的だから、逆に珍しいのかもねぇ~。
だいたい魔法なんて卑怯よ、卑怯!ルーンでなんでもできるなんてさ!
世の中、適性がなくって、魔法が使えない人だっているんだから!
え?じゃあ、アンタ、ひょっとして……
どっちでもいーでしょ?モモはマジシャンなんだから!
モモは魔法に頼らず、最高のトリックと最高の笑顔で、みんなを魅了するのよ☆
思い出3
ん~、こんなカンジかな~?
<モモが大きな箱を眺めている。>
こんにちは、モモさん。その箱、なんですか?
これはねえ、マジックに使うの!……あ、そうだ!
ねえ主人公!練習に付き合ってくれない?
どんな練習するのぉ~?
ふふふ……脱出マジックよ!まずこの箱に入ってもらって~……
すると、箱がドッカーン!と爆発!
それ、箱の中に入ってたはずの人が別の場所から出てくるってヤツ~?
そう!だから主人公、入って、入って!
で、合図したら箱が爆発するから、うまいこと脱出してね☆
え。
あ、脱出の方法は何でもいいから。じゃ、始めよっか~☆
よくなぁ~い!!
思い出4
あ、主人公!いいところに♪
またマジックの練習に付き合わせるつもりぃ~?
今度はだいじょーぶ!ちゃんとモモがトリック使うから!
主人公は、そこに寝ててくれればい~から、ね?
今度はどんなマジックなんですか?また、危険なのじゃ……
だいじょーぶ、安全安全!ただの人体切断マジックよ☆
安心でも安全でもないぃー!
<モモは笑顔で、おそろしく肉厚のサーベルを取り出した。>
これで胴体を切断するの!
安心してね?超きれいに切れば、ちゃんとくっつくらしいから☆
それ、トリックじゃなくて剣の奥義じゃないのぉ~!?
今のサーベル……どこから出したのかしら?
思い出5
はあ……
<モモが、しょんぼりと歩いている。>
元気ないじゃん、モモ~?
うう……マジックの練習が、うまくいかなくてさ~。
あの調子じゃねぇ……
モモは世界一のマジシャンになって目立ちたいのに……これじゃ日陰者だよぉ!
そんなに目立ちたいわけぇ?
ほら、モモってかわいいから。モモが目立てば、みんなも喜ぶでしょ?
だから、モモが目立てば目立つほど、みんな喜んで、世界は平和になるはずなの。
どんな世界平和よ……
でも、今のモモじゃちっとも目立てない……
これじゃあ、世界を平和にできないよぉ~っ!
思い出6
わ……わわっ!?なんなの、この光!?
すっごい! どういうトリック!?
これは、ルーンの光ですよ、モモさん。
そっか、ルーンかぁ……すごいなぁ、主人公。
きらきらしててさぁ~……やっぱ魔法じゃないとダメなのかなぁ。よよよ……
<どこからともなく取り出したハンカチを目元に当て、泣き崩れるモモ。>
ん?……アンタ、そのハンカチ、今どっから出したのぉ!?
え?どっから、っていうか……テキトー?みたいな?
<ポイポイと、いろんな物を取り出すモモ。ハンカチ、サーベル、旗、鳩……>
そ、そんなにいろいろ、よく出せるわね……
こういうのだけは得意なの。でも、こんな地味なトリックじゃ目立てないし……
すごいです、モモさん!私、びっくりしました!本当にすごい!!
<きらきらと目を輝かせるアイリス。モモは茫然となる。>
そ……そう? すごい?
はい! とってもすごいです!
……もっと見たい?
えっ! まだあるんですか!?
も……もちろんよ!こんなの序の口なんだから!
よーし!モモのオハコ見せてあげちゃうっ!
ショーターイムっ☆
<さらなるマジックを、笑顔で披露するモモ。
その周囲には、徐々に人だかりができていった――>
夢見る虹色イリュージョン バニー・モモ