【白猫】ユピテル・思い出
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思い出1
こんにちは~。
こんにちはユピテルさん。飛行島はどうですか?
新鮮な気分ですよ~。
しんせん?
ふだん、空を見ることなんてないですから~。
というか、空もわたしの一部と言いますか~。
???どゆこと?
う~ん、猫ちゃんにわかるよう、話せるかしら?
がんばってみてよ。アタシもがんばるから。
わたしは~、木星っていう、星なんですよ~。
ほし……って、夜空に輝いているあのお星さまのことですか?
そう。それの一つなの、わたし~。
あのてんてんか。じゃあちっちゃいのね?
(キャトラ……!突然子供みたいなことを……!)
逆よ~。わたしの本当の姿は、とっても大きいのよ~。
そうなんだ。どのくらい?宿屋くらい?
ううん、もっと大きいの。
池くらい?
もっともっとよ。
まさか、飛行島くらいってことはないわよね?
ううん。この飛行島だったら、私の小指の爪ほどもないわよ~。
ええっ!? ウソだぁっ!?
ウソじゃあ、ないのよ~。
まあでも……星だったら、それくらいあってもおかしくはないか。
(キャトラ……わかってたんじゃない……!)
ピンとくるかっていわれたらきてないけど、ともかくヨロシクね~♪
こちらこそ、よろしく~。ちっちゃなちっちゃな猫ちゃん。
とってもちっちゃなちっちゃなちっちゃなちっちゃな、猫ちゃん。
そこまで強調しなくても……
思い出2
この島は、ぽかぽかしてて気持ちがいいですね~。
そうよ。飛行島の特産品は、この日当たりだからね!
(初めて聞いたわ……!)
ユピテルのところは、ぽかぽかしてないの?
ぜんぜんぽかぽかしてないの。むしろガスガスしてるのよ。
がすがす?
木星はね~、ガスの惑星なの~。『巨大ガス惑星』とも呼ばれているのよ~。
ぶっぶー。
なあに?
ガスの音。
(どうしてキャトラ、ここのところ幼いのかしら……?)
ガスでできてるって、想像つかないわね。どんななの?
そうね~……ずっと雲がかかっているわ~。
そりゃ、気が滅入るわねぇ。
だけどね、そういったいろんな条件が相まって、大きな星でいられるわけなのよ~。
大きくて、なにかいいことはありましたか?
そうですね~……案外、あるんですよ~。
隕石を引き受けても、平気だったりしますからね~。
わたしって~、引力も強いんですね~。
いんりょく?
物を引っ張る力よ~。
おーえす、おーえす!
うふふ~、いまここで引っ張るのとは違うのよ~。
勝った!
(キャトラ……!)
宇宙空間では、結構ひんぱんに、いろんな星が飛んでまして~。
どこかにぶつかっちゃうと危ないのなんかを、わたしが受け止めてるんです~。
すいません、ちゃんとはわからないんですが……みんなを守ってくれてるんですね?
そんなかんじです~。
だからユピテルには、母性を感じるのね~。
うふふふふ~。
(だから子供に戻っちゃってたのね……!)
(って、納得はしないわよ、キャトラ……!)
思い出3
前から疑問に思ってたことがあるんだけど?
なあに?
ユピテルがいつも腰かけてるのってさー、月じゃないの?
正解~。
月って、あのお月さまですか……?
あ、そっか。え~っとね……わたしと一緒で、月の化身だと思ってくださいね~。
月のようなそんなような、ってことね?
うん。そんなようなで~。
で、どうして月に座ってるの?
わたし~、こう見えて、意外とモテるんですよ~。うふふふふ~♪
アラアラ!
つまり、お月さまは、ユピテルさんのファン……?
と、いうことになりますかね~。
コノコノ~♪ スミに置けないんだから~♪
うふふ~。わたしおっきいから、スミでも目立っちゃうんですよ~♪
お月さまは、わたしにとってもよくしてくれるんです。
最初は、お月さまに座るなんて、って、断ってたんですが……
いいからいいからって、押し切られてしまいまして~。
いまではしっくりなじむわけね。
ええ~。慣れるものよね~、どんなことにでも~。
お月さま、寡黙ね。
いつも黙って、わたしを支えてくれるんです~♪
ムムムム!?これは、両想いになる日も遠くないのかしら!?
でも、わたしは、太陽系全体を守らなきゃいけないですから~……
特定のだれかと、お付き合いはできないって言ってるのですが~……
……それでも構わない!という情熱が、月にはあるわけね?
そうみたいで~。
ひたむきな方だわ……!
まったくぅ~、罪つくりなんだから、ユピテルってば!
そんなつもりないのよ~。
思わせぶりが一番ザンコクなんだからね?
も~、いじめないでよ~。本体あらわしちゃうよ~?
え……?
やれるもんならやってみなさいよ~♪
やっちゃうわよ~♪
待ってくださいユピテルさん!もしここで、ユピテルさんが元の姿に戻ったらどうなりますか?
こっぱみじんでしょうね~。なにもかも~♪
キャトラっ!!
!?
思い出4
人間の暮らしって~、面白いですね~。
あら、どうしたのユピテル?
新しい体験を、たくさんしたの~。
新しい体験ですか?
そうなんです~。わたし、とっても長生きでもあるんですが~……
人間のお友達が出来たのは、ほとんど初めてなんです~。
よかったですね♪
おともだちって、どんな人~?
それがね、占星学者なんですって~。
いいじゃない!趣味も合いそうね♪
ええ。とても話が弾んで~。ちゃんと、ここのしきたり通りに、お茶もおごってあげました~。
……しきたり?
年上の方が、食べ物のお金を払うべきなんですよね~?
それは……?
……まあ、別にヘンでもない、かな……?
それから、最近、新しいお仕事に手を出そうとして失敗したらしく~。
お金がないって嘆いてたので、わたしの手持ちを全部あげました~。
ぜっ、全財産!?
そうよ~。
そ、それでアンタはどうするのよ!?
どうとでもなるわ~。
お金って大事だよ?ないと困っちゃうよ?
たいしたことないでしょう?
138億年の宇宙の歴史に比べれば、取るに足らないことだわ~。
なんか、ものすっごいスケールの大きなこと言われたカンジ……!
うふふふふ~。あの子、今度は成功して、儲かるといいわね~♪
……まあ、ユピテルさんが楽しそうなら、それでいい……のかな……?
思い出5
もう~、まったく~……!
どうしたのユピテル?めずらしくプリプリして?
怒ってるのよ~。
あんまりそうは見えないケド。
ううん、ほんと、怒ってるの~。自分でも、びっくりするくらい~。
なにがあったんですか?
赤毛のかわいい獣人の男の子とお友達になったの~。
でもあの子~……しつこかったの~……!
大きなナメクジをね~。わたしのところに、嬉しそうに持ってきて~。
くっつけてきたの~。
ナメクジ、苦手なんですか?
ううん、普通よ。とてもとてもとてもちっちゃいもの。
だけど~……あの子、一度や二度ではそれをやめなかったの~。
なんかいくらい?
三、四百回くらいかな~?
ひゃ~……!
わたしが~、本当は喜んでるんだと、勘違いでもしたのか~……
ニコニコ笑いながら、何度も何度も、何度も何度も何度も、押しつけてくるから~……
さすがにイラっときたの~。もう、本当の姿、あらわしちゃうね~?
ユピテルさん!待ってください!
ううん、ごめんなさい、だって心底うんざりしたから~……
かわいそうだけど、この世界の全てを、チリにしちゃうわね~。
ま、ま、ま、待って!
あきらめてね~。これも、運命だって~。
大丈夫。長い目で見れば、宇宙も巡っているから~。
また、会いましょう~♪
主人公!
主人公!
なんとかしなきゃ!
思い出6 (友情覚醒)
キレイな光~……まるで星の爆発のよう~……
あら~?
<ルーンの光が、罪深いだれかを呼び寄せる……!>
イグニ
……あれ? ここは……?
イグニ!?
あら、あのときの~。
イグニ!アンタ早くあやまりなさい!みんなの危機なんだから!
え……?……お姉ちゃん、怒ってるの……?
怒ってるよ~。
! ごめんなさい!ぼく、ぼく……!
ナメクジくっつけたの、悪気はなかったの!ホントだよ!
ぼく……甘えたかったの…………お姉ちゃん、お母さんみたいにやさしかったから……
わたしが……お母さん……?
ごめんなさい!もうしないから、ゆるして!
…………
……ええ。
ゆ、ゆるしてくれるの?
うん。もう怒ってないわよ~。
ごめんなさい、ごめんなさい……!
うふふふ、もういいって~、安心なさい~。
(ほっ……)
みなさん、ごめんなさいね~。わたしとしたことが、こんな小さなことでムキになっちゃうなんて~。
わたしなんて~、まだまだ子供ね~。
ユピテルさんが……こども……!?
そうですよ~?
ユピテルさんほどの、雄大な大物がですか?
それは言い過ぎですよ~。宇宙には、まだまだ上には上がいますから~。
そーなの?それってだれよ?
太陽♪
ほ、ほへ~……! スケールのおっきな話だわ~……!