【白猫】ビゴー【NPC】
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マグナスオルム(ビゴー・マグナス) |
数十万の軍がぶつかり合う、空前の戦。多大な損害を出しつつも、征討軍は帝国軍に勝利をおさめた。
征討軍の将軍ビゴーは、聖地の戦いで、その名声を確かなものとした。
「さて、これからが本番か……」
「しょ~ぐ~ん、次は何をするんすかあ~。」
「ベルメの修道士たちを始末する。」
「ええ~。平和? に生きているしゅーどーしのみなさんを~ぶっ殺すんですか~?」
「全ては、我らが計画の実現のためだ。」
「なる~。勝利のために、必要な犠牲っすねぇ~。」
「生きているものは、赤子でも殺せ。」
「ですが……!!」
「闇を宿したものなら、己の家族であっても殺す。それが征討軍であろう。」
「ベルメにいらっしゃる方々は、帝国や連邦という枠組みを超えた尊い方々では!」
「くどい。」
名将として称えられるビゴーは、その清廉潔白で慈悲深い心情でも知られていた。
故に、一刀をもって切られた兵士は、己に起こったことが信じられぬままであった。
「征け。そして討て――」
***
「白き光のために!」
「……白き光のために……」
「光を……我らに……」
その時将軍は、あらぬ方向を見た。
ビゴーは、直属の部下たちを連れて、その場を離れ、軍用飛行艇に乗った。
ま、抵抗もしねぇ雑魚相手だ。すぐに片付くっしょ~。
多くの人に称えられた、騎士王のなれの果て。
馬鹿な男。自らが破壊者になり果てるなんてね――
存在するだけで、世界を否定するなんて!
全てを支配するは闇! そう心得よ!!
ジュダの背後より、影が現れ、その中よりジュダの背丈ほどの何かが現れる。
豪華な装飾のされたそれは、まさしく棺にほかならない。
皇帝陛下は、汝にこの棺を賜る。謹んで受け取るがいい。
一瞬だった。黒い獣は、ビゴーの体を呑み込んだ。
(さすがね、帝国――いや元老院。帝国の真の支配者たち……!)
…………
……