【黒ウィズ】ヴィクトリア・ネルド
ヴィクトリア・ネルド cv.中隈志保 |
2017/00/00 |
バックストーリー
「ようへいだん カイダンフキン様へ
団長のドサマワリ様から、今回ゲティンなんとか城の”こうじょうせん”に助っ人としてよばれました、ヴィクトリア・ネルドです。
ドサマワリさんは『スコーンとビスケット1ねんぶん(ジャムつき)』をくれるらしいので、よろこんでおしごとお受けいたします。
日の出とともにカイダンフキン様のあたりへ飛んでいきます。場所を大きくあけておまちください。
ヴィクトリア・ネルド」
……そう書かれた壮絶に汚い字の手紙を握りしめ、傭兵団「アイアンスキン」の団長「ドラガマリ」は、力ない瞳で「ゲティングス城」を見つめていた。
「……今、昼だよな」
「……そうっすね、団長」
最強の傭兵と噂されるヴィクトリアは、何故か「お菓子の量」で依頼をうける世にも珍しい傭兵だった。
難攻不落と呼ばれたゲティングス城を落とすため、アイアンスキンの構成員たちは全財産をはたいてスコーンとビスケットとジャムを購入していたのだ。
だが、ヴィクトリアは現れない。城の周辺には一騎当千と噂されるゲティングス騎士団の連中が、アイアンスキンたちの襲撃を察知し陣形を組み終わっている。
「終わった……この戦争完全に終わった……」
ドラガマリは太陽を見つめる。大粒の涙が頬を伝い、伸びっぱなしのヒゲに染み込んだ。
「団長……ッ!」
悲しみにくれる歴戦の男の背中に、団員たちはもらい泣く。生涯最後の金の使い道がスコーンとビスケットとジャムというのも、さらに彼らの虚しさを加速させた。
視界の端では、ゲティングス騎士団が彼らに向かって行進を始めている。
絶望が波となって押し寄せ、アイアンスキンの全員が死を覚悟した、その時だった。
「遅れてすみませーーーーん!!!!」
可愛らしいその声とともに、ゲティングス城の上空を、小さい「何か」が凄まじい早さで通過した。まるで彗星のように尾を引いて飛ぶ、その黄色い「何か」は、円すい状の雲を残してその場から消える。
一瞬遅れて、ゲティングス城とゲティングス騎士団は見えない何かに吹き飛ばされ、ものの見事に瓦礫の山と化した。
これにて戦争終了である。
「……は?」
「おまたせしましたぁ! ヴィクトリア・ネルド、ただいま参着ですー!」
最強の傭兵がポーズを決め、ぽかんとクチをあけたドラガマリに対して挨拶をすると、アイアンスキンの構成員たちは無言かつ凄まじい早さでお菓子類を彼女の前に献上した。
「わぁ! ほうしゅうですね! もうもらっていいんですか!?」
「はい」
「ありがとうございますー! あっ、イチゴのジャムだ! つけてもいいですかー?」
「はい」
「やったー! ヴィクトリアはイチゴのジャムが大好きなんですよ! ドサマワリさんは気がききますね!」
「そうですか、ありがとうございます」
ドラガマリの返事を受け、ヴィクトリアはその場でむしゃむしゃとお菓子を食べ始める。
傭兵をやめよう。ドラガマリはこの時そう思ったという。
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