【ストーリー】EPISODE 7.5-10 蓋をしていた欲を
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| EPISODE ◆ 7.5-10 蓋をしていた欲を 休息の冒険者 |
登場人物
アズール,カリム,ジャミル
| 外廊下 Exterior Hallway | |
![]() | ジャミル ……で、何の話をしてたんだったか。 たしか俺に手伝ってほしいことがあるんだよな? |
![]() | カリム ……が、学園対抗戦の書類作りを 手伝ってほしいんだけど……。 |
![]() | ジャミル なんだ、そんなことか……フフッ。 |
![]() | ジャミル やなこった! |
![]() | ジャミル それは寮長であるお前の仕事だろ。 なんで俺が一から手伝ってやらなきゃいけない? |
![]() | ジャミル どうせ俺が覚えているだろうと高を括って学園長の説 明をテキトーに聞き流したのはお前の責任だろうが。 |
![]() | カリム ええ~~~~っ!? なんだよそれ~!? |
![]() | ジャミル 友人のように振る舞ってほしいと 言ったのはお前だろ? |
![]() | ジャミル 友人だったら、やりたくないことは当然断る。 |
![]() | カリム それはずるくないか!? |
![]() | ジャミル ずるい? どっちが! |
![]() | ジャミル 主人として命令もしたくない、でも友人として 断られたくもない? そんな都合がいい話があるか。 |
![]() | ジャミル どうだ? もう一度「友人をやめて従者になれ」と 命令するか? いつでもいいぞ、カリム様。 |
![]() | カリム く、くぅ~~~~ッ!! |
![]() | カリム 確かにお前の言う通りだ。 今回はオレがずるかった。反省するッ!! |
![]() | ジャミル おい、どこに行くんだ? 書類が仕上がっていないんだろう。 |
![]() | カリム 自分でやる!! |
![]() | ジャミル ふーん。なら、一通り終わったら持ってきてくれ。 チェックする。 |
![]() | ジャミル 副寮長としての責務はきっちり果たすさ。 |
![]() | ジャミル スカラビアだけ不備だらけの 書類を提出するわけにはいかないからな。 |
![]() | カリム 言ったな~。見てろ、直すところがないくらい 完璧に仕上げてくるぜ! |
![]() | ジャミル フッ。楽しみにしておくよ。 |
![]() | ジャミル そんなことでは、いつか誰かに騙されて 財産の一切合切を奪われてしまいますよ。 |
![]() | カリム (オレ、アイツに家を乗っ取られないように しなきゃいけねーのか。) |
![]() | カリム (いや……ジャミルじゃなくても 乗っ取らせちゃいけない。) |
![]() | カリム (よくわかんねー難しいことも、 全部他人任せにしちゃダメなんだ。) |
![]() | カリム (もしもジャミルが本気でアジーム家を 乗っ取ろうとしてきたら……) |
![]() | カリム (それが、夢の中の取っ組み合いの リベンジマッチになるのかもしれない。) |
![]() | カリム うお~~~!! オレ、ぜって~ 負けないからな、ジャミル~~~~~!!!! |
![]() | ジャミル ……それで? 物陰に隠れてこそこそと会話を 盗み聞きとは、いい趣味じゃないか。 |
![]() | ジャミル 出てこいよ、アズール。 |
![]() | アズール 人聞きが悪い。あんな大声で話していたら、 耳をふさいでいたって聞こえますよ。 |
![]() | アズール それにしてもまさかジャミルさんがアジーム家の 乗っ取りを企んでいるなんて驚きです。 |
![]() | アズール あなたは権力や金には興味がないタイプかと 思っていました。 |
![]() | ジャミル ああ、俺自身もそう思ってたよ。 |
![]() | ジャミル ……マレウス先輩にあの夢を見せられるまでは。 |
![]() | ジャミル 街中の人間が俺に跪き、象の上で間抜けな王の ようにふんぞり返る。最高の気分だったよ! |
![]() | ジャミル 君だって…… |
![]() | ジャミル 花形スポーツ選手としてスクールヒエラルキーの トップに君臨する気分は最高だっただろう? |
![]() | アズール うぐっ!! も、もうやめてください僕の夢の話は! |
![]() | アズール あれはマレウスさんが見せた歪んだ夢! 僕の本当の願いはあんな愚かなものではなく……! |
![]() | ジャミル 何を恥に思う必要がある? 人気者になりたくない奴なんていない。 |
![]() | アズール え? |
![]() | ジャミル 誰だって、他人より優れている 特別な存在になりたいに決まってる。 |
![]() | ジャミル おかしな方向に誇張されて、歪んではいたが…… |
![]() | ジャミル あの夢は間違いなく、俺たちの欲望の一部だ。 |
![]() | アズール ……認めたくはありませんがね。 |
![]() | アズール 理性では「それを望むのは愚かだ」と 蓋をしていた欲を強制的にほじくり返された。 |
![]() | アズール 他人を見下し、嘲り、持て囃される。 ……夢の中の自分はあまりにも滑稽でした。 |
![]() | アズール それでも、今まで感じたことのない 高揚感を味わってしまったのも確かです。 |
![]() | ジャミル その通り。マレウス先輩は とんでもない悪夢を見せてくれたよ。 |
![]() | ジャミル 一度蜜を味わってしまったら、 もう一度と望んでしまうのが人間ってものだろう。 |
![]() | アズール ……ジャミルさん。まさか本気で アジーム家を乗っ取るつもりなんですか? |
![]() | ジャミル さぁな。 現実で乗っ取り計画を実行するかはさておき……。 |
![]() | ジャミル 夢見るだけなら自由だろ。 |
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