ビビンバ
キュイの資料
「韓国料理で一番代表的なものは何か?」いまだに答えの出ない問いかもしれないが、韓国料理を食べたことのある人で、ビビンバの味を知らない人はいないはずだ。数百年の歴史ある米料理の中でも、これこそ韓国料理の真髄と言える料理ではなかろうか……、もちろん、その作り方自体はいたってシンプル――いや、「非常に簡単」というべきか。ご飯と唐辛子ソース、そしてもやし、卵、牛肉といった好みの食材を用意するだけでよい。それを石鍋に入れて加熱し、スプーンでよく混ぜればおいしくいただける。
こういった料理にまつわる言い伝えは数多い。内容は様々で、たとえば「ビビンバ」とはもともと宮廷の御膳のことを意味し、五穀が含まれた「五色」の健康的な料理だったとする説。反対に「ビビンバ」は韓国の貧しい妻たち――昔は家の中での妻の身分が低く、夫婦が食事を共にすることが許されなかった――が余ったおかずを再び火に通して食べていたのが現在のようなビビンバへと変化したという説。それが本当の話か、いずれにせよ「ビビンバ」が人々になじみ深い食べ物であることは確かだ。その独特の魅力は韓国の飲食業とともに成長しており、ソウルオリンピックやマイケルジャクソンの韓国公演など、大きな出来事を経て、韓国料理が世界各地で受け入れられるきっかけを作ってきた。