ぶっちょうしょう
キュイの資料
別名は福寿全。ナマコ、アワビ、フカヒレ、干し貝柱、スッポンのエンペラ(甲羅の縁の柔らかい肉)、鹿筋(鹿の肢の筋)、シイタケ、タケノコなど数十種の材料を、調味料や紹興酒とともに壺に入れ、蓮の葉で蓋をして数日間とろ火で煮込む。「吉祥如意、福寿双全」(万事順調で、幸せに長生きできるように)の意を込め、「福寿全」と名付けられた。佛跳牆を考案した人がこの料理で客人をもてなした際、客はそのあまりの美味しさに心から敬服し、「壺を開ければ肉の香りが辺りに漂い、嗅げば僧侶も壁を飛び越えてくる」という詩を書く。それ以来、福寿全は「佛跳牆」と呼ばれるようになった。
この料理は数十種の材料の香りが融け合いながらも、それぞれが持ち味を失わず、香りは馥郁として、歯触りは柔らかく、生臭ものも全くしつこくない。煮込んでいる間はほとんど匂いがしないのに、出来上がって蓋を取るときは蓮の葉に小さな穴を開けただけで、うっとりするような香りが広がる。酒と各種食材の匂いが見事に混ざり合い、歯触りは非常に柔らかで、食後も余韻が続く。