北京ダック
キュイの資料
世界に名だたる中国の代表料理の1つ。
ダックに砂糖水を塗って丸焼きにする。大抵は削いだダックの皮と、キュウリやネギ等を小麦粉で作った薄い皮で巻いて食べる。
歴史は古く、「桂炉」(クワルー。扉のない炉で焼く)と「燜炉」(メンルー。扉のある炉で蒸し焼き)の2大流派がある。
前身は南北朝時代に現れた「炙鴨」だとされている。「燗炉ダック」は当初、宮廷でしか食べられなかったが、明朝・嘉靖年間になると、一般民衆にも販売されるようになり、改良が加えられていった。
清末にはダックの料理法も多様になる。1864年、河北から来た料理人がダックの炙り方を改良して桂炉方式が生まれ、北京ダックは大々的に広まった。
正統的な北京ダックは、世界でも肉質が良いことで有名な品種「北京アヒル」を使用している。原産地は北京西郊の玉泉山一帯だが、今は世界各地に分布している。
北京ダックは中国の高級レストランはもちろん、世界各地の中華街でも看板料理とされており、至る所で名を馳せた中国国宝級の料理である。