玉子焼き
キュイの資料
日本の家庭料理の1種。よくお弁当の付け合わせにされる。
材料は卵だけ。さらに変わっているのは作り方と専用の鍋である。
よく溶いた卵を長方形の鍋に入れ、卵液を加えながら焼き、筒状に巻くというのが一般的な作り方である。
発祥は江戸末期の京都で、寛永20年(1643年)に出版された『料理物語』に、「玉子ふわふわ」という料理がありこれが玉子焼きの原型といわれている。
日本人は江戸時代より前には卵を食べる習慣はなかった。昔の日本では、鶏を飼うのは主に「闘鶏」のためで、食用ではなかった。特に1300~1400年頃の日本は仏教の影響を強く受け、動物の肉や卵の食用は禁止されていた。
戦国末期、ポルトガル等の西洋国家の商人が日本へやってきて、卵を使ったデザート(例えばカステラ)が伝えられ、日本人に卵の美味しさが認知されるようになった。しかし、当時は卵の生産量は極めて少なく、価格も非常に高かったため、一般の人は容易に入手できなかった。そのため玉子焼きは昔は高級料理であった。
しかし、現代では卵は安価であるため、玉子焼きは家庭料理の寵児になった。
現代の玉子焼きはしばしば甘味が加えられているが、それは主に子供の味覚に合わせ、家庭料理の地位を確立するためである。