大吟醸
キュイの資料
日本の清酒は精米歩合により本醸造、吟醸、大吟醸の3等級に分けられる。大吟醸は最高等級だから、清酒から説明せざるを得ない。
清酒の醸造には極めて高い水質が求められる。ミネラルの少ない軟水ほど甘く、柔らかで、澄んだ味わいを醸すからである。その逆であれば辛く、濃厚で、コクのある味わいになる。
使われる米の品種もふだん食されている米とは異なる。よく使用されるのは山田錦、雄町、五百万石などで、これらの米は「酒造好適米」と呼ばれている。通常の米と比べこれらの米は粒が大きいほか、デンプンの分布も大きく異なる。通常米のデンプンは基本的には米粒内に均等に分布しているが、酒造好適米のデンプンは米粒の中心部に集中している。表層には油脂とタンパク質があり、これらの成分は酒の口当たりに大きく影響するため、醸造用の米は水を加えて蒸す前に削られ、デンプンのある中心部分だけが残される。
削った後に残っている米の比率が精米歩合である。比率が高いほど米の香りが濃厚になり、低いほど繊細で、すがすがしく、フルーティーな香りの酒になる。
大吟醸の精米歩合は50%以下だから、米の雑味が5割以上除かれているということである。また、特殊な酵母で低温発酵させているため、口当たりが非常に繊細で、「清酒の王」という名誉が与えられている。