ワンタン
キュイの資料
中国北方で生まれた餡入りの粉食。
中国の多くの地域には、冬至の頃にワンタンを食べる風習があり、「冬至のワンタン、夏至の面」という諺まである。
もともとワンタンと餃子は同じものを指していた。どちらも餡を小麦粉の皮で包んで作るからである。「四方が密封されて7つの穴(目鼻耳口)がないということは、聞こえず、見えず、嗅げもしない渾沌(=混沌)とした状態だ」ということで、古代の中国人はこれを「渾沌」と呼んだ。後に中国の漢字のルールが変わり、「餛飩」となったが、庶民の間ではワンタンを食べることは「混沌を打破し、天地を切り開く」こととなぞらえられていた。しかし後世、冬至の日にワンタンを食べることの意義が忘れられ、先祖を祀る風習に変わった。
長い変遷を経て唐代になると、北方では餃子、南方ではワンタンが多く食べられるようになり、両者の呼称は完全に別物となった。武漢には今でもワンタンを水餃子と呼ぶ地域がある。
現代のワンタンは食べ方も種類も様々で、各地の食事客たちから好評を得ている。