ジン
キュイの資料
ジンはジュニパーベリーの酒とも呼ばれ、オランダで発明され、イギリスで脚光を浴びて名酒に肩を並べた。
当初、東インド地域で活動するオランダ商人と船員、移民たちを熱帯病から守るために製造され、薬剤として使用されていた。なぜなら、ジンの主な材料----ジュニパーベリーは古くから解毒剤として使われていたから。
エジプトやヨーロッパの古代の文献にはジュニパーベリーを焼いて殺菌し、伝染病を防いでいたという記録が残されている。薬として価値があるだけでなく、ジュニパーベリー特有の松脂の香りのため、ヨーロッパでは調味料としても常用された。ジュニパーベリーを使用して作ったジンは香りが濃厚で清潔。発明されて間もなく、アルコール飲料として一般的に飲まれるようになった。
ジンのアルコール度数は45%前後。無色透明。ここ100年間の間で、カクテルのベースとして一番よく使われてきた。そのレシピは一千通りに上り、それゆえ“カクテルハート”の称号も与えられることになった。ジンを使ったカクテルには“アビー”、“バミューダ”、“ピンクレディー”などがある。マイナーだったはずのジンは、カクテルの発展に伴い徐々に国際的に名が知られるようになる。
ジンの故郷・オランダでは、Jeneberと呼ばれている。これには人を活力を与え、元気にするという意味がある。いまでは国の象徴ともなり、ジン専門の博物館“ハウス・オブ・ボルス”ではその多彩な歴史について展示されている。