ガンチャオニウハー
キュイの資料
中国南部で軽食として人気がある。牛肉と河粉を炒めた食品、河粉とは重湯を蒸して麺状に切った米の麺で、広州沙河鎮発祥のためこの名がある。炒めても汁に入れても美味だが、中でも最も美味しく親しまれている食べ方がこの「ガンチャオニューハー」である。
河粉をお湯に浸して戻し、黄ニラは段切り、牛肉は細切れ、唐辛子は糸切りにする。鍋を熱して油がなじんだら、牛肉と黄ニラ、唐辛子を同時に炒め、塩、醤油、化学調味料、黄酒で味をつけ、火が通ったら鍋から取り出す。今度は河粉を炒め、塩と醤油で味付けして盛り付け、先程準備しておいた牛肉などの具を上に載せる。
手に入りやすい牛肉、芽菜、黄ニラなどを材料としていること、ひっくり返して炒める、強火でさっと炒めるなど、中華料理の基本技で作れることから、中国南部では庶民の食卓から高級レストランに至るまで、広く親しまれる食品である。
だが一見簡単に見えるその作り方は、それでいて奥が深い。油は多ければ脂っこくなるし、少なければ焦げてしまう。調味料はすべての河粉にまんべんなくまぶし、味にむらがあってはならない。牛肉の柔らかさ、河粉のコシには、食材の質と料理人の腕が問われる。映画『金玉満堂/決戦!炎の料理人』の中で、料理人泣かせと呼ばれた所似である。
「簡単なものほど腕が問われる」ということで、食にうるさい広東では高い地位を獲得している食品でもある。