カツ丼
キュイの資料
カツ丼は近代から広まった日本料理。身近な食材を用いて作り方も簡単、味もおいしいということで、世界的にも愛される料理である。
カツ丼の歴史はそれほど長くはない。トンカツが日本に入ってきたのは明治維新後である。肉に卵液と小麦粉をつけ、油で揚げるというやり方は、ウィンナーシュニッツェル(Wiener Schnitzel)からきたもの、そのルーツをさかのぼれば、ウィンナーシュニッツェルもオーストリアが発祥ではなく、イタリアのミラノカツレツ(Cotoletta AllaMilanese)が元になっている。しかし、時代が変わってもその調理法は伝統を保ち続けている。具体的な作り方としては、まずタンパク質分解酵素を使って豚肉を均一に叩き、柔らかい食感になるようにする。そして黒コショウをふりかけ、料理酒などの調味料で漬け込む。その後、小麦粉、卵液。パン粉の順に絡め、肉を覆っていく。最後に180度の油で5分間ほど揚げれば完成だ。
カツ丼にはもう一つ大事なポイントがある。日本で”カツ丼”の”カツ”と勝利を意味する”勝つ”は発音が同じだ。
それゆえ、日本の人たちにとってカツ丼は、食べると自信が湧いて力が出る料理なのである。