【Hok Wiki】ヒーローデータ:啓(ケイ)
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【掲載日:2025年6月16日(月)】
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順次、編集作業を進めてまいりますので、該当ページの更新まで今しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます
Honor of Kingsに登場する啓(ケイ)についてのデータを載せています。
目次 (啓)
ヒーローデータ
啓(ケイ)
入手方法
ステラ | 13888 |
---|---|
バウチャー | 588 |
プロフィール
種族 | 身長 |
---|---|
人類 | 166cm |
系統 | 本拠地 |
魔法 | 砂鳴 |
所属 | 身分 |
雲中砂漠 | 蛍火の旅人 |
日本語CV | |
(未実装) | |
ストーリー | |
世間と隔絶され、代々閉鎖的な生活を営む民族・砂鳴(さめい)の出身である啓は、外の世界の物語を持ち帰るため、禁断の地を抜け旅に出た。しかし、無事に新しい物語を手に入れ帰路につくと、かつての故郷は消え去っていた。しかし彼は落ち込まなかった。枯れ果てた先祖の木の下で、かつての父と同じように新しい物語を読みあげると、ホタルがぽつぽつと光を灯し始めた。過去と決別した彼は、さらなる新しい物語を求めて、故人の生まれ変わりであるホタルを連れ、旅を続けることを決意したのだった。 |
バックストーリー(翻訳済み)
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簡略バージョン |
---|
啓は、外界と長らく隔絶された秘境・砂鳴の出身だった。 数え切れぬ世代にわたり、彼の一族はその地に身を潜め、外の世界に対して尽きぬ憧れを抱いてきた。 未知なる大地の物語を求めて、啓は禁断の地を越え、山河を巡る旅へと身を投じた。 だが──彼がようやく故郷へと戻った時、そこにあったはずの家も、人々も、すでに跡形もなく消え去っていた。 絶望の中で打ちひしがれる代わりに、彼は亡き父のように、かつて人々が集い語らいを交わした枯れ木の傍らに腰を下ろし、旅先で拾い集めた物語を語りはじめた。 まるでそこに皆がいるかのように、懐かしい声色で。 すると、不思議なことが起きた。静かに、そして優しく──眠っていたはずの無数のホタルが夜空を照らしはじめたのだ。 それはまるで、かつての友や家族が火の粉に姿を変えて、物語に耳を傾けているかのようだった。 啓は心に決めた。あの夜を、あの光を、記憶に刻んで生きていこうと。 ホタルとともに過去に別れを告げ、彼は再び歩みを進める。今度は、自らの言葉で、新たな物語を紡ぐために。 そして、いつかまた誰かが──その火を見つけて、続きを語ってくれることを願って。 |
詳細バージョン① |
啓は、外界から隔絶された秘境・砂鳴の谷に生まれた。 他の誰もがそうであったように、彼もまた先祖の木・蛍火(けいか)のもとで育ち、そこに集う人々から「外の世界」の物語を聞いて育った。 だがある日、先祖たちが残した物語はすべて語り尽くされ、語られるべき新しい話は一つも残されていなかった。谷に満ちていた好奇心は、空白の静寂へと変わっていた。 そのとき、啓は決意する。自らの足で世界を巡り、新たな物語を持ち帰ろうと。 彼は先祖伝来の物語帳と、父から贈られた桑の木の木剣を手に、誰一人として越えたことのない「石林(せきりん)迷陣」をこっそりと抜け出し、未知の地平へと踏み出した。 初めて目にした「雲中(うんちゅう)砂漠」の壮大な景色に、啓は心を奪われた。 彼はこの広大な大地に点在する諸王国を巡り、幾多の物語を記録し、それらを故郷へと持ち帰る決意を固めた。 さらに彼は、数千年の文明の記録が眠るとされる「千窟城(せんくつじょう)」へと向かい、数多の知の痕跡をたどった。 だが、千窟の壁画に入り込んでしまったことで、啓は思いもよらぬ時の奔流に呑まれる。 外に出たときには、世界は数百年の歳月を経ていた。かつて緑が溢れ、人々で賑わったオアシスは、今や無情なる砂漠と化していた。 彼が思い浮かべたのはただひとつ。 「故郷に、帰りたい──」 その一心で、彼は旅を続けた。幾度も困難に見舞われながらも、伽羅と蘭陵王の助けを得て、ついに彼は生まれ故郷の地へとたどり着く。 しかし──そこに在るはずの砂鳴の谷は、時の流れのなかで静かに姿を消していた。 かつて歓声と笑顔があふれていた谷は沈黙に包まれ、誇りとされていた先祖の木もまた、枯れ果てた無言の影となっていた。 啓はその場に立ち尽くし、こみ上げる悲しみに静かに涙を流した。だが、彼はその悲しみに飲まれることを良しとはしなかった。 かつて父がそうしたように、彼は枯れた先祖の木の下に腰を下ろし、自身の旅で集めた物語をひとつひとつ語り始めた。 その声に応じるかのように──枯れた幹の奥から、無数のホタルが舞い上がる。 それはまるで、夏至の夜の砂鳴をもう一度見ているかのようだった。谷に集った民が先祖の木を囲み、族長である父が中央に立ち、物語帳を開いて新たな物語を語る光景。ホタルが人々の頭上に舞い踊り、夜空に流星のような軌跡を描いていく。 砂鳴の人々は信じていた。ホタルは故人の魂であり、大地に宿る星々なのだと。 そして今、ホタルたちは再び祖桑の木剣へと吸い込まれてゆく。すると、剣がひときわ強く光を放ち、内に宿された種が地に落ちた。剣の光に導かれるようにして、そこから芽吹いた一本の若木が、静かに息吹を得ていく。 その光景を見て、啓はついに理解する──これこそが、父が語った「希望の剣」なのだと。 彼は涙を拭い、傍にいた仲間に微笑みながら告げた。 「大丈夫。わかったんだ。砂鳴は今も、ここにある──」 祖桑の種は、この地にまかれた。いつの日か、それはまた大樹となり、新たな砂鳴の谷を見守るだろう。 そしてその種は、啓の心にも根を張った。 彼の中には今、確かな確信がある。砂鳴は決して消えない。ホタルたちとともに、自らは世界を旅し、物語を紡ぎ続けるだろうと。 人は皆、喪失を避けて通れない。だが、真の勇気とは、恐れを知らぬことではない。恐れを抱きながらも、なお進むことなのだ。啓は過去に別れを告げ、希望の光を胸に、まだ見ぬ地平へと歩み出す。 「遥かなる山河へ──星々は、空に満ちている」 |
詳細バージョン②「砂鳴の夢」 |
朝の陽射しが啓の部屋を照らし、砂鳴の人々が今日の営みを始める。 目を覚ました啓は身支度を整え、谷を歩き出す。道すがら、掃除をする老女、修繕をする男、花を活ける若い女性、野菜を配達する少年──皆が笑顔で啓に声をかけてくる。 王殿の回廊を抜け、クスノキの林に囲まれたその場所は、啓が育った思い出の中心──先祖の木・蛍火。 今日は、啓が十歳を迎える生誕日。彼の頬は喜びで紅潮し、谷の誰もがその笑顔に目を細めていた。 谷の中央には王殿がそびえ、周囲には人々の住まいが広がる。山の湧水は谷を東へと流れ、地中深くへと吸い込まれていく。 先祖の木のもとには、既に父と母が待っていた──クスノキの木々に囲まれながら、柔らかい笑みを湛えて。 「啓、お前もそろそろ、自分の剣を持つべきだな」 父がそう言って手渡したのは、桑の古木で削り出された木剣だった。 新しい木の香りが清々しく、先祖の木の枝から丁寧に彫られたその剣は、父の手による贈り物だった。 啓は目を輝かせ、木剣を掲げながら跳ね回った。 「やった! 僕だけの木剣だ!」 母は微笑みながら、桑の葉を食べて育った蚕の繭から紡いだ絹で縫った手製の外套を彼に手渡す。 「今夜は生誕の夜──歌、覚えてる?」 「もちろん! 何百回も唱えたよ!」 啓は胸を張って答える。 「蛍火との交わりも、きっと大丈夫さ!」 「うむ、それならよし」 父も頷き、啓の肩にそっと手を置いた。 「あの子たちは、もうお前の古い友達だものな」 やがて夜が訪れ、先祖の木の下には多くの人々が集った。 谷が愛する王子──純真で無邪気な啓の誕生を祝うためだ。彼が木剣を高く掲げると、人々は手を取り合い、焚き火を囲んでゆるやかに舞を始めた。 火の中央で目を閉じる啓の唇から、柔らかな旋律が流れ出す。 それは代々砂鳴に受け継がれる民の歌。平和と繁栄の象徴であり、心に安らぎをもたらす祈りの調べだった。 幼い頃、母はこの旋律を子守唄にしてくれた。 そして成長とともに、父母は啓に物語を歌へと織り込む術も教えてくれた。今夜、彼が歌うのは、鳴沙にたどり着いた先祖が遺した最初の歌だった。 ──離れたる旅人よ 戦火に焼かれし我が故郷 されど我知る──争いは汝の本意にあらず 風と砂にその眼を閉ざされたるのみ 星が昇れば、やがて平和は戻らん この隠された谷に、笑い声が再び響くその時まで── 谷の民は、祖先への感謝とこの地への敬意を込めて、繰り返し歌を捧げた。 それは失われた世界への鎮魂であり、未来への祈りだった。 やがて歌が静まり、啓が目を開けると、彼の周囲には無数のホタルが舞っていた。 それらはまるで、彼を祝福するかのように宙を踊り、ついには彼の体を持ち上げた。 焚き火の灯りに照らされながら、啓は宙を舞う。 周囲の人々は、その姿を見つめ、眼差しに愛と誇りを湛えていた。 「見て! 飛んでる!」 啓の笑い声が、谷の夜空に響き渡る。 彼は両手を広げ、外套を羽ばたかせながら、空を翔けた。 …… 「はっ……くしゅん!」 啓のくしゃみが、石林迷陣に響いた。 顔をくすぐる枯れ葉に目を覚まし、彼はぼんやりと目をこすった。 彼は昨夜、草の上に寝そべり、石柱にもたれて眠っていた。夢のなかで、かつての生誕の夜を追体験していたのだ。 父母の笑顔、族人の眼差し、すべてが記憶に鮮やかに蘇る。 それは、彼が旅立つ前の記憶──まだ物語を探す旅に出る前の、家族と共にあった温かな日々。 物語帳には、こう記されていた。石林迷陣は砂鳴を守る禁域であり、一度踏み込めば二度と戻れぬと。 だが不思議なことに、啓は迷った感覚を一度も覚えなかった。むしろ、心は常に導かれていた。 物語帳の末尾に記された最後の逸話──戦乱から逃れた先祖たちは、ホタルの導きでこの石林を越え、鳴沙の谷にたどり着いたという。 啓は道中、その痕跡を求めて歩いた。 「ああ、ここが……あの道だ」 彼は時折、そうつぶやいた。 どれだけ歩いたかもわからず、いつ眠ったかもわからない。 ただ最後に、ホタルと共に駆け抜ける夢を見た記憶だけが、確かに胸に残っていた。 朝日が石林に差し込み、金色の世界を染めていく。 啓は服の埃を払い、立ち上がる。遥か遠く、オアシスとキャラバン、そして商人の道が見えていた。 ──いつの間にか、彼は石林を抜けていた。 その奇跡に深く考え込むこともせず、彼はただ、喜びに満ちあふれた。 これが、砂鳴の外の世界──物語が満ちる広大な地、彼が求めていた旅の始まり。 啓は物語帳を抱きしめながら、オアシスへと駆け出した。 「待ってて、雲中砂漠。僕が物語を、砂鳴に持ち帰る!」 |
詳細バージョン③「かがり火夜談」 |
夜の砂漠に星が瞬き、炎の揺らめきが旅人たちの影を照らしていた。 とある宿場の傍ら、三人の影がかがり火を囲む。 物語帳を抱えた少年・啓が、静かに語りはじめた。 その隣で、仮面をつけた男・蘭陵王は黙って薪を火にくべる。もう一人、面紗をまとった知的な女性・伽羅は、瞳に星の光を宿したまま、静かに物語に耳を傾けていた。 その場には、他にも旅の商隊がいくつも散在していた。誰かが故郷の小唄を口ずさみ、誰かが声を上げて笑い、誰かが焚き火の上で茶を淹れ、肉を焼いていた。 この地に集ったすべての人々が、それぞれの旅を語り、それぞれの夜を過ごしていた。 「──全て、何百年も前の話だ。物語帳に登場する人たちは、もう誰も生きていない」 啓が、焉其王(えんきおう)の新年の大典について語り終えたところで、蘭陵王がぽつりとそう言った。 「だからこそ、書き留めるんだよ。消えないように」 啓は答える。 「物語なんて、どうせいつか消える」 「でも、書かれていれば残るんだよ」 蘭陵王は立ち上がり、焚き火越しに遠くを指差した。 「この雲中だって、昔とはまったく違う」 「うん、景色は変わった。でも……」 啓も同じ方向を見やる。 「今だって、新しい物語が生まれてる。こんな宿場、僕は初めて見たよ」 伽羅がそっと口を開いた。 「これは玉城の人々が建てたもの。旅人を風と砂から守るためにね。雲中を糸にたとえるなら、こうした宿場は砂の珠をつなぐ節のようなもの……」 「見て、ほら──あの商人たちも、きっと今日のことを物語として語るんだ」 啓は空になった碗を掲げる男たちに目をやりながら言った。 「人は、語ることで近づける」 伽羅の顔に微笑みが浮かぶ。 「かつての焉其も、そうだった。真王(しんおう)が倒れ、分裂していた国々がひとつになり、長き混乱は終わった。人々は安心を手に入れ、互いに寄り添った。そんな物語は、どこにでもあるし、今この瞬間にも生まれてる」 その声に応えるように、店先から女将の声が飛ぶ。 「ええ、ええ。私も聞いたわよ」 長い年月を旅してきたに違いない女将は、風雪に鍛えられた顔立ちで、それでも優雅に立っていた。だが次に口にした言葉には、憂いがにじんでいた。 「けどね──雲中ってところは、昔から滅びと隣り合わせなの。真王の死が落とした傷は、今もこの大地に呪いみたいに残ってる」 彼女は香ばしい焼き餅を差し出しながら、ぽつりぽつりと続けた。 「先人たちは呪いを断ち切ろうとした。でも、だめだった。混乱は戻ってきたし、昔よりひどくなったのかもしれない。旅人も、少なくなったわ」 伽羅が静かに言葉を返す。 「でも、それが未来を決めるわけじゃない。これが雲中のすべてでもない。いつか、荒れ果てたこの地にも、また芽が生える日が来る」 啓も力強く頷いた。 「千窟だって、焼けたあとにまた蘇ったじゃないか」 「だったら……僕が話してあげようか。雲中が輝いていた頃の物語を」 「ええ、ぜひお願い」 女将が笑顔で座り直す。憂いは、焚き火とともに和らいでいった。 啓が物語帳を開き、語り出したのは、まだ砂漠に活気が満ちていた頃のこと。 幾つもの都市国家が散在し、それぞれに文化と誇りがあり、人々は笑いながら生きていた時代だった。 彼がとりわけ印象に残っているのは、三年に一度開かれる商貿の祭──ちょうどその年は、開催地が「砕月城(さいげつじょう)」だったという。 五彩の商隊がまるで絹の帯のように道を連なり、最後には夜空を彩る光景へと編み上げられていく。それは、何ヶ月経っても記憶に残る美しさだった。 「……見てみたかったなあ」 いつの間にか集まってきた旅人たちから、そんな感嘆の声が漏れる。 「今の雲中は……そうね、ちょっと元気のない子どもみたい」 そう言ったのは、お茶を配っていた少女だった。 「父さんが言ってた──眠るのは、また元気になるためなんだって」 啓はその言葉を胸に刻む。 蘭陵王がつぶやく。 「……だが、もし目覚めたときに、誰もいなかったら?」 啓は静かに答えた。 「砂鳴の人は信じてるんだ。命を終えた魂は、ホタルになって先祖の木に帰る。みんな、ずっとそこにいるんだ」 伽羅が一瞬、蘭陵王を止めようと手を挙げるが、その手をそっと下ろす。 彼女は知っていた。何百年もの歳月を越えて帰還した啓には、この現実を受け止める覚悟が必要なのだと。 「だが、この世は盛者必衰──避けられない運命というものもある。焉其もそうだ。あれほど栄えた国が、今は瓦礫の山さ。もう、元には戻れない」 「だったら、新しく作ればいい。戻れないなら、前に進むしかないじゃないか」 啓はきっぱりと物語帳を閉じた。 「この宿場だって、何百年経って、こうして再び建てられてる」 その言葉に、周囲の人々は黙って思案に沈んだ。 やがて気づけば、皆が焚き火の周りに集まり、静かに啓の話に耳を傾けていた。 この地の人々が求めていたのは、「過去の再現」ではない──新しい始まりなのだ。 啓は遠くを指さして言う。 「あっちが砂鳴のある方角。父さんが言ってたんだ。もし道を見失っても、星が導いてくれるって。ホタルは、地上に降りた星なんだよ──」 「帰り道は、もう光に照らされてる」 「皆さん、お肉焼けましたよー!」女将の声が響き、笑い声が弾けた。啓も立ち上がり、蘭陵王と伽羅に声をかける。 「すぐ戻るから! 僕も食べてくるね!」 蘭陵王はまた一つ、薪をくべる。 炎に照らされた横顔に、少しだけ柔らかな光が宿っていた。 「啓……あの子は、思ったよりずっと強いわね」 伽羅はそう言って、彼のあとを追うように立ち上がる。 静寂の夜に、焚き火の笑い声が重なって──南西のこの宿場は、今宵、星のごとく煌めいていた。 |
詳細バージョン④「新たなる旅路」 |
玉で舗かれた広い街路、空を突くような城門──啓は、久方ぶりに玉城の大地を踏みしめていた。 彼は仲間たちと別れを告げ、また新たな物語を探す旅へと歩を進める。 長い歳月の間に、雲中の多くの場所は変わってしまった。だが玉城だけは違っていた。 数えきれぬ祭事、技芸の競演、煌びやかな玉製の工芸品、絶え間なく行き交う商人と旅人──そこには、かつての活気が今なお生きていた。 啓は雑踏の中を歩きながら、人々の会話に耳を傾ける。雲中の各地から集まった人々のなかに、彼は新たな物語の気配を探していた。 やがて彼は、玉城広場にたどり着く。そこではちょうど「穆儀(ボクギ/モクギ)公主」を記念する催しが開かれていた。玉匠たちがその技を披露し、人々の視線を集めている。 この地に「雲蚕糸(うんさんし)」をもたらし、玉城の芸術を新たな高みに導いた姫君の名は、今も人々の記憶に刻まれていた。 啓は、その物語を「見た」者だった。 かつての玉城は、今ほど栄えてはいなかった。 美玉こそ潤沢にあれど、それを活かす彫琢の技が伴っていなかった。 だが、穆儀公主の誕生が、すべてを変えた。 彼女は王家の慣習に従い、千窟城に赴き、そこで古代の彫刻美に魅せられる。やがて自らも筆を執り、その技を極め、学者として認められるに至った。 ただ一つ、彼女に欠けていたもの──それは、玉を切るにふさわしい素材だった。 雲中を巡っても得られなかったその答えは、ある日出会った中原(ちゅうげん)の商人が口にした「稷下(しょくか/しょっか)」の特産・雲蚕糸だった。 穆儀は単身で稷下へと赴き、現地の賢者と交易の協定を結び、ついにそれを玉城へと持ち帰る。 その日より、玉城の芸術は新たな時代を迎えることとなった。 その物語は、かつて啓が雲中を旅したときに幾度も耳にしたものであり、玉城の人々が代々語り継いできたものでもあった。今また改めて耳にしたその話に、啓の胸は熱くなる。 まるで、穆儀公主とともに時を越えて旅をしていたかのように。 啓は気づけば人垣を抜け、広場の中央に立っていた。 「本当はね、穆儀公主って、すごく遊び好きで、美しいものが大好きな人だったんだ」 彼の言葉に、周囲の視線が集まる。話の前半は誰もが知っていたが、後半を知る者は少ない。 玉匠商会の会長が不審そうに彼を見つめ、口を開きかけたそのとき、隣にいた貴族風の青年が手を挙げて制止した。 啓は続ける。 「彼女は、どんな石にも美を見出す力があったからこそ、あれほどまでに多彩な玉細工ができたんだ」 「僕と出会ったとき、彼女は『遠くの地の物語を教えて』って頼んできたけど……」 「結局、彼女の方がいろんな場所に行っていて、むしろ僕の方が教わることばかりだったんだ」 「一緒に彼女の玉細工と、僕の物語帳の挿絵を見比べたりした。似てるものがたくさんあって、びっくりしたよ」 「千窟壁画の話を最初に教えてくれたのも、公主だった」 そのとき、空中をホタルが舞い始め、彼の語る言葉に合わせるようにして──穆儀公主の歩んだ日々が、まるで絵巻のように描き出されていった。 彼女が千窟から戻り、雲蚕糸を手に入れ、玉城を導いた姿。 そして啓とともに物語を語り合った、あの穏やかなひととき。公主は今、物語帳の中だけでなく、人々の目の前に息づいていた。 「──これで、今日のお話はおしまい」 夕陽が玉城の城壁の向こうへと沈む頃、啓はそっと物語帳を閉じた。 ホタルは静かに木剣へと戻っていき、広場の人々はしばらく動くことができなかった。 それほどまでに、物語は彼らの心を打っていた。 「……もし、また聞きたいなら、明日も来るよ」 啓がそう微笑むと、観客たちは一斉に頷き返した。誰もが、この夜を忘れないと心に誓っていた。 夜の帳が下りても、人々の熱は冷めなかった。多くの貴族や商人たちが啓を食事に誘い、さらなる物語を求めた。だが彼は、やんわりとそれを断った。 代わりに、伽羅から託された一通の手紙を取り出し、尋ねた。 「晟(ショウ)って人、知ってる? 伽羅が『玉城で困ったらこの人を訪ねて』って言ってたんだ」 「──僕を呼んだ?」 先ほど彼を庇った青年が、笑顔で前に出てきた。 「君が晟? 伽羅が話してたよ」 「数日前、あの人から文が届いた。君のことも書かれてた」 「お腹、空いてるだろ? 玉城の美味い店、全部知ってるから案内するよ」 晟は親衛を下がらせ、啓を連れて人波の中へと歩き出した。 夜が更けるにつれ、玉城の街はますます賑やかになっていく。 街灯が一つまた一つと灯り、音楽と香りが通りを満たす。 「玉城には、たくさんの旅人が集まるんだって? 長くここにいるなら、面白い話もいっぱい知ってるんでしょ?」 啓は晟に尋ねながら、きらめく街を見渡す。 「雲中の西──海沿いに、大きな都市があるって聞いたんだけど」 そう言って、啓は貝殻の細工を売る露店を指差す。 「君が言っているのは……『海都』か」 晟は一瞬立ち止まり、啓が品物に目を輝かせる様子を見ていた。 「行ってみたいな……」 商人に別れを告げ、二人はまた夜の街へと歩みを進めた。 灯りの海のなかで──物語は、静かに、確かに続いていく。 |
他のヒーローとの関係
性能概略
・
・
・
ゲームデータ
下記のスキル説明は一部の固有名詞を除き、翻訳に修正を加えてあります。ご了承ください。
ステータス
タイプ | 種別 |
---|---|
サポート・メイジ | バフ系サポート |
得意分野 | 活躍 |
CC・チームバフ | バランス |
推奨レーン | 難易度 |
ローム | ★★★☆ |
※キャラクター毎に異なるステータスのみ記載
項目 | 数値 |
---|---|
最大HP | 3211 |
最大MP | 620 |
物理攻撃 | 140 |
攻撃速度ボーナス | 5% |
5秒毎HP回復 | 47 |
5秒毎MP回復 | 15 |
移動速度 | 360 |
攻撃範囲 | 遠距離 |
スキル
(パッシブ)蛍火の守護
分類 | |
---|---|
治療・魔法ダメージ・視界 | |
スキル効果 | |
1.5秒ごとに「蛍火」スタックを獲得する。最大9スタックで、現在のスタック数に応じて各種スキルが強化される。また、自身の通常攻撃が敵に命中するたびに、対象に120.0+(魔力*20%)+(自身の追加HP*3%)の魔法ダメージと3秒間のステルス無効を与え、一定間隔で周囲の最も現在HPの少ない味方ヒーローのHPを60.0+(魔力*10%)+(自身の追加HP*1.5%)回復する。周囲に敵が居ない場合、通常攻撃ボタンを長押しすると移動速度が低下した状態でチャージを行い、味方ヒーローへの回復効果を中断する代わりに、自身のHPを同等分回復する。 |
Lv1 | Lv15 | |
---|---|---|
基礎 ダメージ | 120 | 220 |
基礎 回復量 | 60 | 110 |
(スキル1)桑木の力
分類 | |
---|---|
CC・治療・魔法ダメージ | |
スキル効果 | |
短時間の詠唱後、指定方向に蛍火の剣を振るい、範囲内の敵に500.0+(魔力*10%)の魔法ダメージと1秒間のノックアップを与える。蛍火スタック1つごとに、このスキルの与ダメージが120.0+(魔力*20%)+(自身の追加HP*3%)上昇するほか、スキル範囲が拡大する。また、スキル発動時、周囲に味方ヒーローが居た場合、蛍火スタック1つごとに、対象のHPを60.0+(魔力*10%)+(自身の追加HP*1.5%)回復する。 |
Lv1 | Lv2 | Lv3 | Lv4 | Lv5 | Lv6 | |
---|---|---|---|---|---|---|
基礎 ダメージ | 500 | 600 | 700 | 800 | 900 | 1000 |
CD | 10 | 9.6 | 9.2 | 8.8 | 8.4 | 8 |
消費MP | 50 |
(スキル2)風乗り
分類 | |
---|---|
移動・治療・ダメージ | |
スキル効果 | |
〔自動効果〕12秒経過するたびにストックを1つ獲得する。最大3ストック。 〔発動効果〕ストックを1つ消費し、指定した茂みの位置へ飛行する。この際、自身は蛍火スタックを1つ獲得し、一定時間飛行するごとにホタルを一匹召喚する。1秒後、それぞれのホタルは周囲の最も現在HPの低いヒーローを追跡する。対象が敵であった場合、120.0+(魔力*20%)+(自身の追加HP*3%)の魔法ダメージと3秒間のステルス無効を与える。対象が味方であった場合、HPを60.0+(魔力*10%)+(自身の追加HP*1.5%)回復する。 |
Lv1 | Lv2 | Lv3 | Lv4 | Lv5 | Lv6 | |
---|---|---|---|---|---|---|
ストック 獲得CD | 12 | 11.5 | 11 | 10.5 | 10 | 9.5 |
CD | 0.2 | |||||
消費MP |
(スキル3)幽かな蛍火
分類 | |
---|---|
茂み・治療・魔法ダメージ | |
スキル効果 | |
指定位置に光の茂みを召喚する。1秒後、茂みは周囲5体のランダムなヒーローに向かって9秒間、持続的にホタルを放つ。対象が敵であった場合、120.0+(魔力*20%)+(自身の追加HP*3%)の魔法ダメージを与え、視界を補足する。対象が味方であった場合、HPを60.0+(魔力*10%)+(自身の追加HP*1.5%)回復する。なお、スキルの発動から6秒以内に再発動を行った場合、自身は光の茂みの位置へ飛行し、蛍火スタックを1つ獲得する。効果時間終了後、茂みは光を落とし、通常の茂みとして30秒間持続する。 |
Lv1 | Lv2 | Lv3 | |
---|---|---|---|
スキル持続 時間(秒) | 9 | 12 | 15 |
CD | 25 | 22.5 | 20 |
消費MP | 80 |
直近の調整内容(2025/05/01)
▼ タップ・クリックして展開 ▼
調整日 | 調整内容 |
---|---|
2025/05/01 | 【スキル1】 CD時間 9/8.6/8.2/7.8/7.4/7秒 ↓ 10/9.6/9.2/8.8/8.4/8秒 |
2025/02/13 | 【パッシブ】 基礎ダメージ 120~220+(魔力*24%)+(自身の追加HP*4%) ↓ 120~220+(魔力*20%)+(自身の追加HP*3%) 基礎回復量 60~110+(魔力*12%)+(自身の追加HP*2%) ↓ 60~110+(魔力*10%)+(自身の追加HP*1.5%) |
スキン
▼ タップ・クリックして展開 ▼
① 基礎スキン |
---|
![]() |
② 草原の探索家 |
![]() |
③ スタープリンス |
![]() |
④ よもぎの精 |
![]() |
解説動画(提供者:テスト)
※投稿日:2025/X/X(曜日)
性能解説(執筆者:テスト)
概要 | |
---|---|
長所 | ・ |
短所 | ・ |
スキル説明 | |
パッシブ | |
スキル1 | |
スキル2 | |
スキル3 | |
特記事項 | |
注意点 | |
スキルコンボ
- ① スキルX → スキルX → スキルX など
敵ヒーローとの相性
得意 | テスト (例)名前、名前、名前 |
---|---|
苦手 | テスト (例)名前、名前、名前 |
対策方法 | |
レーン別:立ち回り
① クラッシュ | |
---|---|
序盤 | |
中盤 | |
終盤 | |
その他のポイント(上級者向け) | |
② ジャングル | |
---|---|
序盤 | |
中盤 | |
終盤 | |
その他のポイント(上級者向け) | |
相性の良い装備品
装備品名 | 解説 |
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画像 名前 | テスト |
オススメの装備品プラン
相性の良いアルカナ
アルカナ名 | 解説 |
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画像 名前 | テスト |
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