華郷亭会主フーシェン
11/17~11/29
従姉妹については、こちらを参考にして下さい。→魔導師テンテン
華郷亭店主フーシェン
アイヤッ・・・び、びっくりした!!
游客?お客さん?!いつの間に入ってきたんだい?
驚いて尻尾出ちゃうかと思ったよ。危険地帯。
いらっしゃいませ!えーっと、はじめてまして?かな?
ようこそ狐仙華郷亭へ!僕は店主のフーシェンです、よろしく!請多関照!
と、自己紹介しておいてなんだけど・・・ゴメンネ、まだお店準備中なんだ・・・
なかなか片付けが終わらなくてさ・・・まだお湯も沸かせてなくて・・・
え?十分綺麗に片付いてる?不是不是~こっちじゃなくて店の奥が、ちょっとね~・・・
うーん、はやく全員寝てくれないかなぁ・・・あの子たち我儘過ぎるよ・・・
ここはガツン!と言わなきゃだよね。やたら気が強いところ、誰に似たんだか・・・
ん?いやいや、このお店は僕が一人で切り盛りしてるよ?奥に居るのは~・・・え~っと・・・
な、内緒・・・?(ニコッ)
な、なんだいその目は!待って!違うよ?!僕、誰も連れ込んで無いからね?!
こう見えて硬派だからね?!まだ独身ですし・・・奥手ですし・・・あがり症ですし・・・
そもそも、全然!モテナイシ・・・!!
や、やめよう・・・自分で言ってて悲しくなってきたよ・・・
お客さん、急いでるってわけじゃないんだよね?なら、ちょっとそこに座って待っててくれるかい?
せっかくこんな町外れまで来てくれたんだ、すぐ片付けてくるからさ!
そうだな・・・終わるまでそこの長流壺とでも話してて!僕の相棒の金龍なんだけど。お喋りが大好きな奴でね。
僕は奥に居るから、何かあったら呼んでね!じゃ、一会ル見!
・・・
・・・・・・
金龍「・・・我姓金龍」
金龍「恁貴姓?初次見面~」
金龍「金龍大極長流壺 茶情人?」
金龍「・・・?」
金龍「ンンー・・・コトバ、ワカルー?ワカラナイー?」
金龍「チャ、オチャ、オチャ!」
金龍「ナニスキー?」
金龍「龍井茶・白牡丹・雀山黄芽・凍頂烏龍茶♪」
金龍「祁門紅茶・茯茶・米蘭茶・桂花茶・八宝茶・菊花茶♪」
金龍「竹葉茶・鉄観音・銀針・碧螺春・恩旋玉露~♪」
金龍「ンンー?ミセノ、オク?」
金龍「・・・ハナ、オチャ、ヨウセイ。イッパイ。」
金龍「チッチャイ、ユノナカ、オドル、オチャ、美味!テンテン!」
金龍「ヨル、ヒミツ、チャカイデ、ノメル。オキャクサンモ、クル?ヒミツ、ショウタイ・・・スル?」
ーやっと寝てくれた・・・お客さんお待たせ!
さてさて、今日はどんなお茶をお求めかな?その外見からして、戦士って感じだよね?
僕は妖術を使えるけど、実戦ではあまり役に立たないからいつも見守ることしかできなくてさ
こういった癒茶を振る舞うことしかできないや。この国を支える戦士、有難いね。謝謝!
持久力をつけるお茶とか、傷の癒しを早めるお茶とかどうだい?君にあったお茶を出すよ!
ここの茶葉は綺麗な色をしているだろう?少し特別な茶葉でね。注文に合わせて育ててもらっているんだ。
知らないかい?山側にある結構有名なハーブ店なんだけど・・・
ちっちゃ・・・こ、小柄な女性が店主の!そう、テンテン!会った事あるんだね!
僕の従姉妹なんだ。彼女の作った茶葉は信頼と安心、そして美味!
知識も能力も天才的で、強くてカッコイイだろ?小さい頃からよく遊んでくれてたお姉ちゃんなんだ。小柄だから若く見えるけど、ああ見えて僕より年上だよ。
昔は僕の方が小さかったんだけど、いつの間にか背を追い越しちゃったもんだからさ・・・会う度に「お主ぃ!また成長しおったな?!縮めぇ~!」って叩かれる・・・
ん?似てない?あぁ~・・・耳と尻尾?そうだね、僕はいつも隠してるから。
ちゃんと人間っぽく見えるかい?だと嬉しいな~。
理由・・・まぁ隠してるわけじゃないし、別にいいよ。ただ、笑わないでくれよ?
小さい頃、森の中で魔物に追い掛け回された時に庇ってくれたのが、凛々しくてカッコイイ人間の戦士でさ。
怪我も手当してくれて、お茶を振る舞ってくれて。憧れっていうのも強いね。
好きになる相手もいつも人間でさ・・・せめて近づきたくて・・・
でも、丸まって寝てる間はいつも出てきちゃうんだよね。耳と尻尾。モフモフっと。何でかな~・・・。
あ、馬鹿にされるからテンテンにはこの話、内緒にしておいて!約束!
おっと、横で話を聞いていた金龍がお湯を沸かしてくれていたみたいだ。
初めてなら、何種類か飲んでみる?まずは傷癒しをテーマに、茶葉を選んでみるよ。
それと、よかったらお客さんのこれまでの戦歴話でも聞かせてくれないかい?
金龍に負けず劣らず、僕も人と話すのが好きでね。お菓子もサービスするからさ!
葉を舞わせ、湯を躍らせ、注いで、香りを楽しんで・・・
うちのお茶、気に入ってもらえると嬉しいな。
それでは、召し上がれ!趁熱吃!
華郷亭会主フーシェン
歓迎光臨、ようこそ!狐仙華郷亭、真夜中の茶会へ・・・
今夜は香りも舞いも素晴らしい花茶が入りましたよ!
さっそくですがお客様、ご芳名を頂けますでしょうか?
・・・お客様、どうされましたか?
え?たまたま提灯の灯りを見かけて、こんな町外れまでいらっしゃったのですか?
原来如此・・・なるほど、いやはやこれは珍しい。この灯りが見えて、ここまで・・・。
ふむ、当茶会は紹介制となっておりますが、これも何かのご縁でしょう。是非、楽しんでいってください!
改めまして、私は茶会の主催であり店主である、フーシェンと申します。
茶会は既に始まっておりますので、中へどうぞ・・・!請進!
こちらの席にお座りください。他の席では舞いも始まっている様ですね・・・いかがですか?綺麗でしょう?
・・・え?「店内には誰も居ない」?
店の灯りは見えても、この情景は見えないのですね・・・。普通の人間には見えぬ様に術をかけておりますので、当然といえば当然なのですが・・・ふーむ。
ではお客様、少し目を瞑っていただけますか??そう、そのまま少し上を向いて・・・
くすぐったいですか?ははは、すぐ終わりますので。再忍忍~?
目元に紅を・・・まじないの目張りです。これでいかがでしょうか?
見えたようですね?良かった!目張りもよくお似合いですよ?
そう、ここは神に近しい狐が集う・・・稲荷の茶会となっております。
店の灯りに誘われていらっしゃったという事は、貴方を茶会に誘い込んだ方がいらっしゃるはずなのですが・・・
お客様、過去に地狐・天狐・空狐とのご縁はありましたか?もしくは、小狐を助けたご経験があったり・・・?
何がきっかけかは分かりませんが、狐と縁があったということでしょう・・・。さぁさぁ!茶の時間にいたしましょうか!
こちらがメニューになります。見慣れぬ茶ばかりでしょう?昼間の店には出せない物ばかりでして・・・そういえば、人間の方に振る舞うのは初めてですね!
神力を回復する茶、妖術を高める茶、毛並みを良くする美容茶なんていうのもありますよ?しかしこれを人間の方が飲んだらどうなるのでしょうね・・・。
飲んでる途中で、狐耳と尻尾が生えてくるやも?・・・ははは、冗談ですよ!開玩笑!
何からお飲みになりますか?・・・あぁ、やはりあのお茶が気になる様ですね?
こちらは、狐仙華郷亭名物・・・花精霊が作る精霊花茶と言います。湯呑の中に入った精霊がお客様と心を通わせ、湯を舞い、茶に花を咲かせます。
その精霊花茶は、貴方に必要な何かを補ってくれるんですよ。どんな色で、どんな味で、どんな効果があるのかは・・・出来上がってからのお楽しみですね!
心を通わせると言っても難しい事はありません、軽く話しかけてあげて下さい。言葉は通じませんので一方的の様に感じますが、ちゃんと耳を傾けておりますよ?
あと・・・実体がない為触れられるわけではありませんが、ふ~ッと息を吹きかけたりしてもクルクルと回転して喜びます。
注意点は、花の精霊ですので火は厳禁ですね!以前、お客様の煙草の火を目の前にして驚いた拍子に、店中の茶葉を飛ばされました・・・。
おや?精霊が舞い終わった様です。さてさて、お客様の初めての精霊花茶。お味はいかがでしょうか・・・?
淡い桃色、落ち着いた甘い香り、ほんのりと若草の香り?ふむふむ。これはおそらく・・・
お客様、・・・茶会の後何かご予定はありますか?
いえ、何もないのでしたら構いません。どうぞ、そのまま茶をお楽しみください。二杯目、お注ぎいたしますよ。
精霊は、お客様が自然と求めていたものをちゃんと汲み取っていた様ですね・・・私もこの茶は、大好きです。
揺らめく桃色と、若草の香り、まるで草原で寝転ぶかの様な心地よさは、癒しの効果を・・・
そして、甘い香りに誘われ、気持ちの良い微睡みと、優しい闇が包み込む・・・。
ふむ。おやすみなさいませ、お客様・・・。
ー・・・おや、お目覚めですか?おはようございます、早上好!
そんなに慌てなくても!まだ日の出の時間ですよ。お急ぎでないならそのまま体を休めていてください。
精霊はどうやらお客様に、休息と安眠の効果がある茶をお出しした様ですね。・・・度重なる戦いで、お疲れだったのでは?
二杯目を飲み干す辺りで、気持ち良さそうな寝息が聞こえてきましたよ。たいぶ深い眠りの様だったので、ベットへ運ばせていただきました。
いえいえ、お気になさらず!こちらは、店内の片付けがちょうど終わった所ですので!花精霊たちもやっと、全員寝てくれました・・・。
一匹一匹棚箱の引き出しに眠って貰っているのですが、まだ遊びたいといつも駄々をこねられて、寝かしつけるのに一苦労です・・・ふあぁ~。
いけないいけない、眠さで狐の姿に戻ってしまいそうだ。
いやいや、こんな早朝にお客様にお帰り頂くのは!どうぞベッドお使いになっていてください。私は、そうですね・・・
う~む・・・では、お客様の足元に失礼してもよろしいですか?
いっそ狐の姿に戻れば、丸まってお客様の足元で眠れるかなと思いまして・・・。狐と寝るのは初めてですか?
私も、完全に狐の姿に戻るのは何百年振りでしょうかね・・・逆にちゃんと戻れるか・・・。え?今いくつなのか?
年齢は・・・内緒です(ニコッ)
それでは失礼・・・撫でてもらっても構いませんよ?昔から毛並みに自信があります!あぁ、でも少しくすぐったいですね。ははは。
不思議なご縁でしたが、茶会に人間の方がいらっしゃったのは初めてでしたので、私も楽しかったです。謝謝。
もしまた夜道に店の灯りが見えたら、是非いらっしゃってくださいね?ふあぁ~・・・。
それではお客様、おやすみなさいませ・・・我困了、先睡了・・・ムニャムニャ。