酒と踊るルバール
1/11~1/24
リベルタ王子は、こちらのページを参考にして下さい→享楽の王子リベルタ
犯人ついては、こちらのページを参考にして下さい→第七章 君に荊の審判を
あらすじ
なんと、王国に爆破予告が届くんですのよ!?
リベルタ王子から極秘に爆弾捜索を命じられたあなたは、まずは情報通の情報屋をたずねることにするんですのよ。
酒と踊るルバール
いらっしゃい。うちのお店は初めて、かしら?見ないお顔ね。
すみません、情報屋に会わせていただきたいのですが。
……なんのことかしら?ここは紳士淑女が美味しいお酒を嗜む夜の社交場よ。
無粋な真似をするつもりなら、すぐにでも用心棒を呼ばせていただくけど?
いえ、怪しい者では……このバーの踊り子が、情報屋を紹介してくれるはずと、リベルタ王子が……。
『爆弾魔から「王国内に爆弾を仕掛けた」という脅迫文が来たんだ』
『何もしなければ、24時間後には爆発するらしい……犯人は王国の宝物庫の中身をすべて明け渡せと要求している』
『不確かな情報を与えて、臣民を不安にさせるわけにはいかないだろう?……だから、とっても頼りになる君に、爆弾を捜索して欲しいんだ』
『もちろん、私だって何もしないわけじゃない、並行して犯人を捜すよ。時間がないからね……』
わかりました。……ですが、王国内は広いです。捜索人数がひとりだけでは……。
『フフ、わかっているさ。心配ご無用……腕のある情報屋を紹介するよ。指示に従って捜索すれば、爆弾もすぐ見つかるはずさ』
……ということで、その情報屋に会いに来た次第です……。
ふぅん……あなた、とても大変なお仕事を任されたのね。
……でもね、情報はタダじゃないの。
はい、王子からこれを預かっています。
あら、チップ?フフ……話が早いわね。
合格よ。それじゃあ……これを受け取って。
紙切れ?何か書いてある……暗号?
まさか、情報屋の居場所を暗号にしてある?暗号を解いている暇なんて……。
私は尋ねて来た者に紙を渡すよう言われてるだけで、そこに何か書いてあるのかまでは知らないわ。
暗号を自力で解くしか、先へ進む方法はない、か……。
『剣が闇を裂く子の刻、沈黙を守る祭壇に魂を捧げよ』
一体、どんな意味が……いや、しっかり考えればわかるはず。
お子様には難しい?こんなものはね、シンプルに考えればいいのよ。
シンプルに……。
刻、ということは……時間を意味する?
もしかして、十二時辰……確か、干支を時間に割り当てたもので……。
子の刻は23時から1時までの間……!
次は「刻が闇を裂く」……これは……。
……十二時辰は1日を2時間ずつに分けている。
子の刻は23時から1時の間……闇を切り裂く剣とは、子の刻のちょうど間、午前0時……!
午前0時に「沈黙を守る祭壇」へ行けばいいということ……?
沈黙を守る祭壇……一体、どこを指して……
あら、もう降参?残念ね。
考えすぎてもいいことなんてないわ。そうだ、お茶でも如何?
こんなときに、お茶なんて……ん?このティーカップ……教会の絵が描かれている……。
はっ……祭壇があるのは……教会……?
フフフ、いい調子じゃない。
王国には教会が複数ある。けれど「沈黙の教会」なら……鐘の鳴らない教会なら、1つ……!
『午前0時に鐘の鳴らない教会の祭壇へ行け』?
答えは出たようね?
でも……「魂を捧げよ」……これはどういう意味で……。
フフ、あとは行って確かめればいいじゃない。騎士様の剣の切れ味、期待しているわよ。
……23時30分、辺りは真っ暗……教会の扉には、鍵がかかっている……。
剣を持つ資格がある者か?さすれば、今すぐに証を見せよ
今……扉の向こうから、声が……!?
鍵穴から目が見えた!?『証を見せよ』……証……。
『騎士様の剣の切れ味、期待しているわよ。』
騎士の証……剣……剣を鍵穴の向こうへ見せれば……?
扉が開いた!
……。
あなたが情報屋……?
あの体の大きさ……情報屋の正体は、魔物……?
フフフッ……!
もう少し遊んでいてもよかったけれど……あなたの顔があまりにも真剣だったから、笑いが堪えきれなかったわ。
バーにいた踊り子……!もしかして、あなたが……。
騙してごめんなさい。リベルタ王子があなたに紹介した情報屋は、私なの。
でも……暗号を用意したのも、教会の中から男の声で話しかけたのも、大男の姿をあなたに見せたのも、すべて私。
簡単な魔術を使えばどうということはないわ。闇の世界で生きるには、この程度はやれないとね。
祭壇に魂を捧げる準備はできていて?フフ、さて……要件を聞こうかしら。
人を踊らすルバール
祭壇に魂を捧げる準備はできていて?フフ、さて……要件を聞こうかしら。
王国内に爆弾を仕掛けたという脅迫文を受け、リベルタ王子から爆弾捜索を仰せつかりました。
爆弾を探すには情報が必要です。脅迫文によれば、24時間後に爆発する可能性が高く……どうか、協力を……。
……概要は理解したわ。
私にとって、情報は己の魂にも等しい。与える以上、あなたにもそれなりの覚悟は持ってもらうわ。
もちろん……!
改めて、自己紹介をさせて頂戴。バーの踊り子兼、情報屋のルバールよ。よろしくね。
そうだ、依頼料のことだけど……。
あなたが提示した額をそのまま支払います。
物分かりがいい子は好きよ……フフフ。
それじゃあ、依頼を進めていくわね。あなたには、後で連絡を……。
手伝い……?そんなものは不要よ。情報のプロを舐めないで頂戴。
……あなたもしつこいわね?わかったわ。でも、少しだけ……テストをさせて?
テストなんてしている時間は……!
どこの馬の骨とも知れないあなたをアシスタントにするのだから、テストぐらいさせれもらわないといけないわ。
言ったでしょう?私は情報のプロなの。中途半端な仕事は私の美学が許さないわ。
……わかりました。テストしてください。
いい子ね、フフフ。
それじゃあ手始めに、街の住民たちに最近変わったことが起きてないか聞き込みをして頂戴。どんなささいなことでもいいの。
それから……森によく出入りしている、木こりや材木屋にもね。
ああ、そうだ。狩人たちにも話を聞いておいて頂戴。最近、動物たちの様子は変わりないかって。
すべての情報を集められたら、アシスタントにしてあげるわ。フフフ、頑張ってね。
……情報、集めてきました。
あら、予定よりも随分早かったわね?優秀だわ!……でも、肝心なのは情報の中身ね。
ふむ……わかりやすく情報が時系列で整理してあるし、地図まである……フフ、やるわね。
……これなら、合格にしてあげてもよさそうね。
早速だけど、時間がないから……この紙に書かれた場所へすぐ行って頂戴。
行けばすぐにわかる所に爆弾が仕掛けられているはずよ。
ありがとうございます!
……フフフ。
早くしないと、時間が……!
騎士様?どうしたんだい、そんなに慌てて。何かあったのかい?
なんでも……すみません、急いでいるので……。
そんな事言わずに!ちょうどお茶を用意していたところなんだ、よかったら……。
すみません、今それどころじゃ……急いで探さないといけないものが……!
なんだって!?そりゃあ大変だ!一緒に探すのを手伝おう!
い、いえ!手伝いは不要です!
何を水臭いことを。いっつも世話になってるんだ。こんなときくらい頼ってくれてもいいだろう。みんなー手伝ってくれ!
しまった、人が集まって来た……ダメだ、この人混みじゃパニックになる……一度、出直さないと……。
み、みなさん!探しものは無事見つかりました!ご協力、ありがとうございました!
そうなのか?えらく早いな。だが、無事に見つかってよかったよかった!
今のうちに退散……。
……あら?爆弾撤去はうまくいかなかったのかしら?随分と浮かない顔をしているわね。
それどころではなくなって……。
フフフ。あなたは残念だったかもしれないけれど、私からは感謝の言葉を贈りたいくらいだわ。
?
陽動作戦って言葉は知っている?
まさか……オトリに使ったんですか!?
ご明察。そもそも、あなたが行った場所には爆弾はなかったの。
でも万が一、私が作業をしているときに住民たちが近くに来てしまったら危険でしょう?
フフフ、安心して。あなたが住民の注目を集めている間に、爆弾は私がすべて撤去・廃棄済みよ。
結果的に任務が果たせたのだから、いいでしょう?終わりよければすべてよし……と言うもの。
今回はありがとうございました。
フフフ、どういたしまして。お礼をきちっと言える子は好きよ。私からも、ありがとう。あなたはいいオトリだったわ。
それでは、リベルタ王子へ報告に戻るので……また機会があれば、ゆっくりお話でも……
……またすぐに会うことになると思うわ。
なぜかって?……残念、情報はタダじゃないの。
策に踊るルバール
あの気難しい情報屋から情報を無事に得て、爆弾はすべて撤去完了……この短時間で、素晴らしい成果だ!
……ところで、爆弾を仕掛けた犯人についてなのだけど……私が調べたところによれば、どうやら魔王軍が深く関わっているらしい。
そして残念なことに、街外れで爆発が起きたという報告が入っている。おそらくは、情報屋が調べた直後に仕掛けられたものだろう。
ああ、君が悔しがるのもよくわかるよ。しかし、相手は魔王軍だ。正攻法は通じないということもわかっているね?
……ということで、私はこれからその爆発現場へ向かおうと思う。いろいろと調べたいことがあるからね。
『一緒に行く?』ははは、君ならそう言うと思ったよ。しかし君には別の任務をお願いしたい。再びあの情報屋の元へ行って欲しいんだ。
すまないね。説明している時間がないんだ。行けばわかるさ。それじゃあ、頼むよ……!
リベルタ様!?……行ってしまわれた。仕方ない、とりあえず向かうしか……。
……あら、またあなた?……フフフ、なーんてね。大丈夫よ、リベルタ王子からちゃんと仰せつかっているわ。
何も聞かずに、今から私についてきて頂戴。ついてくればすべてがわかるわ。
……ここは……街外れの森?爆発現場から、かなり離れている……一体、なぜここに……?
あっ、あれは……魔王軍!?
……またお前か。今回といい、イザベラのときといい……邪魔ばかりしやがって!
っ……!
フフフ、どうした?勢いがないな。そんなことではすぐにやられてしまうぞ?
くっ……!
ハハハハ!騎士とは名ばかりだなぁ!情けないことだ!
っ……このまま、じゃ……やられる!
○○○(プレイヤーの名前が入る)!もうすぐ仲間がやってくるからそれまで持ちこたえて!
援軍か……分が悪いな。今回のところは撤退するとしよう。だが、次会ったときは……フフ、首を洗って待っていることだ!
……行ってしまったわね。あなた、やるじゃない?見直したわ。
はぁ、はぁ……仲間とは、誰のことですか……?
嘘よ。
!?
フフフ、私の職業をお忘れかしら?情報屋は情報を操る者よ。私にとって情報は武器なの。
情報は常に正しいとは限らない……だからこそ面白いの。フフフ。
あの……一連の爆弾騒ぎは……。
ええ、魔王軍は王国に爆弾予告をして、こちらが右往左往している間に王都侵略の準備を進めていたの。
陽動作戦はよくあるって言ったでしょう?
どうして魔王軍が現れる場所が……?
フフフ、情報はタダじゃないの。
……。
フフ、チップありがとう。それじゃあ、このチップに見合うだけの情報を提供するわね。
私があなたにテストと称して集めさせた情報のこと、覚えているかしら?
……もしかして!?
ええ、あれらはすべて、爆弾捜索のためではなく、魔王軍の動向を探るためのものよ。
ひとつひとつの情報は小さいものでも、地道に積み重ねたその先に真実があるの。
いい勉強になったでしょう?フフフ。
……ところで。あなたと一緒に魔王軍と戦っているのを、どうやら街の人に見られたようだわ。
!?
もうあのバーで踊り子を続けるのは無理ね……残念だわ。あのバー、結構気に入っていたのに。
すみません……。
ウフフ、いいのよ。どのみち長居はできない身の上だもの。あなたのせいじゃないわ。
今までも、数えきれないほどの国、街を渡り歩いてきたわ。
そんな長い情報屋人生の中でも、あなたみたいな人は初めてよ。真っ直ぐで、情熱的で……。
昔を……情報屋を始めたばかりの頃を……少し、思い出しちゃった。フフフ、ありがとう……。
……なんてね、フフフ。
それじゃあ、それそろ行くわね。末永くお元気で。
……どこへ行けばあなたにまた会えますか?
フフ……言ったでしょう?情報はタダじゃないの。