気儘な空合クリマ
2/28~3/14
あらすじ
何だか最近は天気がコロコロ変わって、天気予報が全然当たらないんですのよ
…どうなってるんですの?
気儘な空合クリマ
ふんふふ~ん♪あ、あの人……今日は雨なのに、全然嫌な顔してないなぁ。
そういえば、前に台風だった日も、ああやっていつもと変わらない態度だった気がする……。
ふむふむ、○○○(プレイヤーの名前が入る)っていうのか~。ふふふっちょっと観察してみようかな?
そうだ!あの人が望んだ天気に変えてみようかな?どんな反応するのか楽しみ!
あっ、早速出かけるみたい……お出かけするなら、晴れのほうが嬉しいよね?
天空の精霊よ、光の精霊よ。妖精クリマが命じる……深淵の蒼穹!
さっきまで曇り空だったのに、急に晴れてきた……いい天気だ。
くふふっ!嬉しそうな顔してるね。ボクの力のおかげだねっ!
太陽の光が凄すぎて少し暑くなってきた……。
わわっ、大変!じゃあ今度は少し曇らせて……風も吹かせてみようかな?
くふふっ。涼しそうにしてるね!よかったよかった~。でもまたちょっと暑そうだし、小雨でも降らせようかな?
ねぇ、何してるの?
わっ!?びっ……くりしたぁ!な~んだ、ラウか!おどろかせないでよねっ!
びっくりしたのはこっちだよ!ねぇ、もしかして……あの地上にいる人間のために好き勝手天気を変えてるの?
え~と、それは……。
天候を操る力は遊ぶためにあるわけじゃないんだよ!
そ、そんなのわかってるよぉ!でも、ちょっとくらいいいじゃない!
よくない!今クリマが持ってるその雨雲……それ、私が今日使う予定だったのに!
なにさ~!ラウのけちんぼ!
なっ!?け、けちんぼ!?そんなこと言われる筋合いないわ!
きゃっ!?ひどい!今ぶったでしょ!?
仕事せずに遊んでいるクリマが悪い!他の妖精にも告げ口してやるんだから!怒られちゃえばいいのよ!
ムキィー!ラウのバカァ!!!石頭ァ!!!
あれ……これって雪?わっ、痛っ!これは……氷の塊?ひょ、雹まで降ってきた!?
でも空は晴れているし……異常気象?
も~う怒った!こんな所、出て行ってやる~!
出て行くって、一体どこへ行くっていうのよ?
天空よりずっと楽しくて周りに嫌な人がいないところ!じゃあね、ラウ!
っ……!?
クリマ!戻って来なさい!……感情を爆発させただけであんなに天気が乱れるあなたが、一体どこへ行くというの!?
っ……雷!?目の前に落ちた!?
くふっ!やっと会えた!キミのこと、ずぅーっと見てたんだよっ!
えっ?……誰?
ボクは天候を操る力を持つ妖精クリマ!天空からキミのこと観察してたんだ!よろしくね。
!?
あはは、ごめんごめん!痛かった?雨雲に乗って地上まで来たから、体に雷がちょっと残っていたみたい!
お詫びに……ほら!キミだけの特別な虹をみせてあげるよ。
キミ専用の小さな虹だよ。……嬉しい?くふっ、よかったぁ。
ボクは虹だけじゃなくて、天候にまつわることならなんでもできるんだ。
でも普段は、上司の指示通りに天気を変えるだけで……。
雨を降らせても、晴れにしても、風が強くても、弱くても……必ず文句を言う人はいる。
だけどキミは……キミだけは、絶対に文句を言わなかった!
どんな天気の日も、君は前向きで、どこか楽しそうで……ボクはそんなキミに救われていたんだ。
突然、こんなこと言われても……困るかもしれないけどざ。
ボクにとっては、すご~く嬉しいことだったんだ!くふっ。
……なのに、ラウのやつ……水を差すなんてひどいよぉ!
妖精仲間だと思っていたのに……ラウは文句を言われる日々に不満はないのかなぁ?
あ、あはは!ごめんごめん。コッチの話!
天空はつまんないし……これからはキミのところに入り浸っちゃおうかなぁ?
な~んてね!くふっ!
民望の空合クリマ
ねぇねぇ、明日はどんな天気がいい?気軽に言ってみてよ!
カラッカラの晴れ?それともシトシトした雨?強い風を吹かせようか!?
……。
どんな天気でもお手の物だよ!ボクにかかれば天気予報なんて無意味なんだ!
例え台風の予報があったとしても、雲ひとつない青空にしてみせるからね!
特に変えて欲しい天気はないな……。そうだ、王国の人たちの願いを聞いてあげたら?
え~?ボクはキミのために地上まで降りてきたんだけどなぁ……。
まぁ、でもそれでキミが喜ぶなら……それでもいいかな?
みんな~!ボクに注目して!ボクは天候を操る力を持つ妖精、クリマだよ!
くふっ!みんなボクの力を試してみたくない?今なら大サービスだよ!どんな天気でもボクが叶えてあげる!
本当に天気を変えられるの?……じゃあ明日遠足だから晴れにして欲しい!
嘘じゃないよ!ボクは嘘なんてつかない正直な妖精だもの。くふっ、了解だよ!ピッカピカの晴れにするね。
え、ええと……作物が育つよう雨を降らせることもできるのかい?
お安い御用さ!それじゃあ今すぐ降らせてみようか。
今すぐ!?そんなことが……。
……天空の精霊よ、雲の精霊よ、水の精霊よ。妖精クリマが命じる……旱天の慈雨!
わぁっ!雨だ……雨が降ってきたぞ!妖精クリマの力は本物だ!
次は私のお願いを聞いて!
僕からだよ!
いいえ、私よ!ねぇねぇ、雪を降らせることもできるの?
くふふっ!雪なんて造作もないよ。ああ、みんな順番に並んで!ボクは逃げも隠れもしないからさ!
……もしかして、地上だとボクって人気者?くふっ。
ケッ!そんなのトリックに決まってるぜ!
なぬっ!?これはボクの力だよ!嘘なんてついてない!
どうだか……天気を変えるだなんて大層な力、そう簡単には信じられないぜ。
ぐぬぬ……怒ったぞう……アイツの目の前に雷を落としてビビらせてやろうかな……。
……でも、そんなことしたら○○○(プレイヤーの名前が入る)の顔に泥を塗ることになっちゃう。
ここは我慢だ!大人になるんだクリマ!地上に降りたボクは変わるんだ!!!
……ふ、ふんっ!ボクの力は本物だから、そんなふうにけなされても構わないよ!
あんなやつの言うことは無視すればいい。それより、これ……さっきの雨のお礼を受け取ってくれ。
えっ?お礼?……わぁっ、クッキーだぁ!いいの?
もちろん。最近晴れ続きで畑の作物に元気がなかったんだ。本当に助かった。ありがとう、クリマ。
くふふっ……そんなに褒められると照れちゃうよぉ……。
モグモグ……このクッキー美味しい!人助けって嬉しいことばっかりだなぁ!地上サイコー!
……あっ、○○○(プレイヤーの名前が入る)さん!クリマの評判聞きました?
みんなに喜ばれているらしいね。
私も遠足の日をピッカピカの晴れにしてもらって、大助かりでした。
それはよかった。こんなに国民が喜んでいるなら、クリマに何かお礼の贈り物をしたほうがいいな……。
あれ?○○○(プレイヤーの名前が入る)。今日はお仕事で出かけていたんじゃなかったの?
早く終わったから、少し買い物をしてきた。
何を買ったの?見せて見せて~!
……虹色のガラス玉?とってもキレイ!
クリマへの贈り物。
ボクに?……こんなにキレイでステキなもの、もらっちゃっていいの?
国民はクリマに感謝してる。みんなを代表してお礼をしたいたんだ。
出会ったときにクリマが見せてくれた虹を思い出しながら、似た色のガラス玉を探したんだ。
くふふっ……覚えていてくれたんだねぇ……
クリマ?
くふっ、くふっ……なんだか……照れてきちゃった!カンカン照りでもないのに、ほっぺたが暑いよぉ~。
ボク、地上に来て本当によかった!
虹橋の空合クリマ
どうしてボクは一緒に行っちゃいけないの!?やだぁ!ボクも行くっ!
魔王軍討伐のための危険な任務だ。クリマを巻き込めない。
そうそう。怪我でもしたら大変だよ!
ううっ……○○○(プレイヤーの名前が入る)がそこまで言うなら……留守番してる。
ごめん、クリマ。行き先にガラス工芸の有名な国があるから、そこでお土産に新しいガラス玉を買って来るよ。
……わかったよ。楽しみにしてるね。
いってらっしゃ~い!怪我しないでねぇ!元気で帰ってきてよね~!
……行っちゃった。あ~あ……つまんないなぁ。
あっ、クリマ!いいところに!明日を雨にして欲しいんだ。運動会があるから中止にして欲しくて……。
コラ!そんな理由でクリマにお願いごとだなんて恥ずかしいと思わないのか!
運動会中止なんてやだよぉ!ずっと楽しみにしてたのに雨になんてしないで!
ううっ、みんな……喧嘩しないでぇ!
クリマ!?どこへ行くの?
せっかく地上へ降りてきたのに、どうしてこんな目に!○○○(プレイヤーの名前が入る)、早く帰ってきてよぉ~。
えっ……今はバカンス時期だから、ガラス工芸職人たちはみんな国を出払っているんですか?
クリマにお土産を買って帰ると約束したのに……早く帰りたいけど、お土産を買うまで少し時間がかかりそうだ。
どうして雨を降らせてくれなかったの!おかげで運動会に出なくちゃならなくなって、散々な目にあったよ!
ううっ……だって、他の子は運動会を楽しみにしてるって言ってたし……。
クリマって案外役に立たないよね。
えっ!?ひ、ひどいよぉ……?
まったく。こんなことだろうと思っていたら、やっぱり……。
ラウ!?どうして地上に……!?
上司に許可をもらって降りてきたの。そんなことより、つらいなら天空へ戻ってくればいいでしょ?
でも……。
別に誰もクリマを追い出したわけじゃないし……クリマがいないと仕事が滞ってしょうがないの!
それにね、私たちはそもそも、人と関わってはいけないの。
……。
天空と地上では住む世界が違いすぎるのよ。
ボクはただ、みんなから好かれたいだけなのに……。
天気はただボクらに身を任せているだけ。天気を司るボクが上手くやれなかっただけ。
このままじゃ、みんな天気を嫌いになっちゃわないかな……。
誰からも好かれるなんて不可能よ。割り切って考えなくちゃ。
……うん。
さぁ、早く天空へ戻りましょう。妖精たちみんな、クリマを心配してるわ。
あっ……あの、せめて○○○(プレイヤーの名前が入る)に最後の挨拶を……!
そんな時間はないわ。それに挨拶なんてしていたら名残惜しくなっちゃうでしょ。ほら、行くわよ。
……わかったよ。
どの天気でも喜んでくれて嬉しかったよ。さよなら、○○○(プレイヤーの名前が入る)……。
無事にお土産を買えてよかった。バカンス中にも関わらず、国に残っていた職人がいて助かった。
本当にキレイなガラス玉だね。この間の虹色のもキレイだったけど、今回のも角度によって色が変わってステキ!
クリマ、喜んでくれるといいけど。
喜ぶに決まってるよ~!フフッ、クリマの笑顔が早く見たいね。
クリマ?もたもたしてないで、早く帰りましょう。
う、うん……わかってるよ!
……でも、ちょっとだけ……ちょっとくらい……いいよね?
このまま何も言わずにお別れなんて、寂しすぎるもん。きっと○○○(プレイヤーの名前が入る)なら……気づいてくれるよね……。
あっ!○○○(プレイヤーの名前が入る)、王国のほうを見て!
えっ?……わぁ。
フフッ、クリマも見てるかな?
ああ……本当にキレイな虹……。