【白猫】スカシカシパンマン・思い出
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思い出1
お~う、ここがくだんの飛行島ってぇヤツかい。中々どうしてイイトコじゃないの。
ヤダー! アンタはこないで~!
あ~ん? なんでぇちび猫、来る者拒まずがおめぇらの信条じゃあねえのかよ?
そうだよ、キャトラ?
だってコイツなんだか、ろくでもないんだもん!
だめだよ、一方的に決めつけちゃ。
そうだぜ? この俺が、ろくでもないのか、ろくでもあるのか……
そこらへんのところが簡単に初めましてからちょっと一緒にエレベーター乗ったくらいの過程で、わかると思ってんじゃねえぞコンチキショーめぃ!
ぬぐ……! 言ってること半分もわかんないけど、なんか説得力ある……!
おう、ボウズにもわかるだろ?
黙ってるからっつって、無口なわけじゃあ、ナイ。至言だな、こりゃあ……
ともかく! 他に行くところもねぇし!
しばらくの間、俺っちここで厄介になるぜ!
ま、やいやい言わずに、同じ釜の飯を食おうじゃあないの!ペロリペロリとなぁ!
なんか、イヤー!
思い出2
ハラショー!
はらしょー?
ヨッ! 的な、ハ~イ! 的な、サリュ! 的な、ナマステ! 的なマ、あいさつの一つだわヨなぁ。
途中からよくわかんないわよ~!
世界には、おめぇさんがたの知らないことが、まだまだボーロボロあるんだぜぃ。
う~ん……アタシたちには理解しきれないような……
そういうこともあるだろうネ。
スカシカシパンマンさんは、出身ってどちらなんですか?
んんん?
いろんな言葉や、いろんなことをご存じのようですから……
……ぼくちゃんの、ふるさとかぁ……
な、なによ急に大人しくなって!?
……そのへんのところ、あんまり詳しくは言えないのネ……
……事情がおありなんですね。無理には聞きませんよ?
ううん、アイリスちゃんのご質問とあらば、ぼく、がんばっちゃう。
スカシカシパンのことを、教えてあげるね。
……すかし……かしぱん?
スカシカシパンってのは、海の生き物でさ。<ウニ>の一種なんだ。
でもネ……見た目もグロいし、味も不味いし、誰も見向きもしなかったんだヨ……
かわいそう……
そこだけ聞くとね……
だけど、そんなスカシカシパンに、スポットを当てる人が出た。
しょこたんですね?
そう! しょこたんこそ、スカシカシパンにとっての希望の光!
寡黙なスカシカシパンは、口にこそ出さねぇが、ちゃ~んと感謝、してんのよ。
へ~、そういう関係なんだ……
で、そっから紆余曲折、いろいろあって生まれたこの俺、スカシカシパンマン!
せっかく出れた表舞台、存分に謳歌させてもらうんだぜぇ!
ふふふ……楽しんでいってくださいね。
ありがと優しいアイリスちゅわん!
さ~て、その好意につけこんで……
え?
スカしてやるスカしてやるスカしてあげるわよ~ン。
キャー!
説明しよう!スカシカシパンマンは、スカシパンの隙間からスカし見ることで……
相手の服をスカして見ちゃうってわけなのだ! Oh!ブレイクスルー! ってかい?
やめなさーい!
おわ~!爪立てんじゃねぇよ、柱じゃねんだぞ俺は!
思い出3
ハラ、ショーウ!
…………
……アリ? ドチタノ、アイリスちゅわん……?
……知りません。
あ! こないだスカしちゃったこと怒ってるの?
ごめんってごめんよ~!でもね、スカせるのは下着までだから……
じゅうぶんダメです!
……ハイ……僕ちゃん、海より深く反省いたします……
もう……!
アンタはさ~、だれかれかまわずスカしちゃうところをまず改めるべきだと思うの。
まず?他にもあるってことかね?
ありまくるわよ。でも、まずそこ。
だけどよぅ……こんな世の中、スカさずして幸せなんかあるんだろうか?
あるでしょ。
俺っちには、そう、スカすだけなんだ。それを封印しちゃあ……
スカすも地獄、スカさないも地獄だぜ、ベイベー……
わけわかんないわよ。とにかくそれさ、スカす以外に使い道ないの?
アラモア~ナ!
意味わからん!あるってことね!?
俺はこいつに乗って、マッハ3で走ることが、出来るぅ~!
すごいじゃん!それ! そーゆーの!
ア~ハァ~ン?
それでもってさ、人助けとかすればいいじゃん!
そしたらアイリスだって見直すよ!
……それは、はい。
なんてこった! こんなトコに答えがあったってのかい!暗いもんだぜ灯台のモトは!
ほんじゃまぁ、ちょっくら人助けしてくっからよぅ!
……悪いヤツじゃあないんだけどなぁ……
おげれつなだけで……
思い出4
話が違うじゃないの、キャトラちゃんてばよぅ!
へ? なにが?
俺、人助け、したね!?したのね!?
だども……だ~れも、喜びゃしなかったズラぁ……
それはやり方じゃないかしらね。どういう人助けをしたの?
オイラがマッハ3で走っていたらば、おなかをスカして泣いてるボウヤがいたねぇ。
俺っちは差し出したよぉ。スカシカシパンをねぇ……
なのに……拒否されたねぇ……悲しいねぇ……虚しいねぇ……
たぶんだけど……
んん?
食べ物だと思わなかったんじゃない?それを出されてもさ……
なんだってぇ!?ありそう!!!
ありそうでしょ。
だってこれ……どっからどーみても、食いモンじゃねぇもんなぁ。
おのれで言うとは……
たぶん食えねんじゃねぇかな。
そもそもだよ!
まあでも……人を助けようとした気持ち、立派だと思いますよ。
おお!? 許してくれるのかいアイリスちゃん、こんな罪深き僕ちゃんを……
許すもなにも、こちらこそ、いつまでも怒っちゃって、すみません。
なんて……!なんて純白で美しい心だ!まるで洗いたてのシーツみてぇだ!
そのたとえ!
俺っち、目覚めたゼ!正義が湧いてきた!フツフツとなあ!
よーっし、これからは、精力的に人助けすんべかねぇ!
助けて助けて、たまに見捨てるぞぃ!
見捨てるな!
思い出5
スカさなきゃダメだ!
なんなのよイキナリ!?
やれ人助けだなんだ、モソモソくっちゃべってはみたものの……
やっぱりスカすべきだ!スカしてなんぼだ!それが俺なんだべぃ!
落ち着いて!暴走してもタダの変態よ!
タダの変態大いに結構!駅前でティッシュ渡して、家までついて行ってやるぜ!
なんかわかんないけど、それはやめときなさい!
ええい、止めてくれるな、後生でござる!
止めるったら止めるわよ!
いったいどうしたんですか、スカシカシパンマンさん!?
俺っちが、こっちの世界にいられる時間が迫ってきたとか……!
こっちのアレの、なにがしかのソレで、魔法的な影響を受けたとか……!
そんなこたぁ、一切ねぇが……!よくわかんねぇが、猛るタイミングが来たってぇ、それだけは感じるのよぉ!
うおおおー!この世の全てのカワイコちゃんを……!
スカしてやるスカしてやるスカしてやるっつってんでべがな!
ど、どうしよう、主人公……
こんな変質者を、世に解き放つわけには……!
思い出6 (友情覚醒)
こんな光、スカしてやるぜぇ!
<スカシカシパンマンの構えるスカシカシパンに、ルーンの光が吸い込まれていく……!>
うおおお!? 力が、溢れてくる……!
いまならスカせる……!いまなら全てをスカし見れるぜ……!
キャー!
はっはっは! 無駄だ無駄だ!手で隠そうったって、その腕ごと……?
な、なに……!?
アイリスちゃん……?キャトラ……?ボウズ……?どこへ行ったんだ……?
消えちまった……何も見えねぇ……ま、まさか……
おめぇらごと、本当に全てを、スカしちまったってそんなワケかぁ!?
ひぃ!? 俺が立ってる、地面が見えねえ!?地面までスカしちまったか!?ここどこだぁ!?
おーい、誰かー!いねぇのかー! 孤独だよー!お~い!!!
俺は……どうなっちまうんだぁ~!?
***
……はっ!?
よかった、やっと目が覚めましたね……
あ、アイリスちゃん……?さっきのは……?
なんかね、アンタがさくらんしちゃったからさ。
アタシが前脚で、ガツンと頭をぶって、気絶させたのよ。
そ、そうだったのか……キャトラよ、おめぇ、命の恩人かもしれねぇ……
んなオーゲサな。
垣間見ちまったぜ……究極の<スカし>、その片鱗を……
あ~、ブルブル。なんちゅう恐ろしいこった……
ともかく、助かったぜ。
よくわかんないけど……暴走もおさまったようで、よかったよ。
スカしちゃいけねぇモンもある……何事も、ホドホドがいいっつうことなんだろうなぁ……
奥が深いぜ、スカし道……
……決めたぜ!
なにを?
俺はこれからこの島で、スカしを極める修行に入る!
道は険しいだろうが……なぁに、やってやれねぇことはねぇ……
ま、見ててくれよ!これからもよろしくな!
ヨソでやって。