【白猫】いにしえの鳥と風のキズナ Story
傷ついた風の翼に、もう一度ひとのぬくもりを…… |
開催期間:3/18 16:00 ~ 4/11 15:59 |
目次
story1 『そよ風』な出会い
ねぇ、アイリス。このあたりよね?
そのはずだけど……
…………
……
バロンからの依頼って珍しいわね。それでなにすればいいの?
新しい武器を作るために必要な、ある素材を収集してきて欲しいのだ。
……収集依頼ですね。それはどんな物なんですか?
うむ。<嵐の羽根>という、強力な風の力を宿す、いにしえの鳥の羽根だ。
いにしえの烏ねぇ……そんなのかホントにいるの?
それは間違いない。先日、飛行島へ来た商人が、羽根をひとつ持ち込んできた。
ある島で手に入れたらしいが、武器制作には少し数が足りんのだ。
じゃあ、アタシたちは、その島へ行って羽根を集めてくればいいのね。
そういうことだ。よろしく頼む。
まっかせなさーい♪
……
…………
アイリスは『いにしえの鳥』って、どんなだと思う?
う~ん……ちょっと想像できないわね……
!
だれだー!
アンタこそだれよ?!
なまえを聞くなら、自分からだよ!
なら、やっぱりアンタからでしょ?
……あれ?あ、ほんとだっ!?
えっと、エクルだよ!
ふ~ん。アタシはキャトラよ。
私はアイリス。よろしくね。
うん!よろしくね!
……じゃないよ!今のなし!よろしくない!
……なにか嫌だった?
んと、んとぉ……嫌じゃないよ?でも、よろしくないのっ!
あー……うん。えっとさ、アンタ<嵐の羽根>って知らない?
はねっ!?
知ってるの?アタシたち、それを集めにき――
かえれーッ!
はあ?!なんでよ?!
はねって言った!そういう人は、みんな悪もの!
……悪者?
誰が悪者よ!アタシたちは依頼で収集に来ただけよ!
いいわけは聞かないの!
いや、聞きなさいよっ?!
うるさいっ!かえれっ!あっちいけっ!べー!
……いっちゃった……
あっちいけとか言っといて、自分から逃げてったわね。
だけど、こんな森の中でひとりにさせるのも心配だわ……
ま、誤解されたままってのも面白くないし、早く追いかけましょ。
story2 羽ばたきの『つむじ風』
あ、いたわ!
待ってキャトラ。このまま行ってもまた逃げちゃうわよ。
安心してアイリス。そこはちゃんと考えてあるから。
え?
まあ、アタシにまかせてみて♪
エ~ク~ル。
っ?!
あっ、悪もの!悪ものは、あっちいっちゃえ!
まぁ、ちょっと落ち着きなさい。この力二カマをわけてあげるから。
かにかま……?なぁにそれ。エクルにくれるの?
ええ。とってもおいしいんだから!
おいしいの!?ありがとうございますッ!
それで、ちょっと教えて欲しいことあるんだけど、いい?
あむ!んぐ、んぐ、ん~?いいよ~?
アンタ、ひとりみたいだけど、森の中でなにしてんの?
おさんぽとごはんだよ!
……散歩と御飯?
森の中をおさんぽして、ごはんを見つけるの!いつもは匂いで探すよ!
……匂いで探すって、アンタ……
ねぇ……エクルちゃんは、どこに住んでるの?
ここだよ!エクル、嵐の鳥で――
嵐の鳥?……ん?それってもしかして……
……たぶん『いにしえの鳥』のことだと思うわ。
あっ!ちがう!まちがい!エクル、まちがった!
んとぉ……あ、あれなの!<嵐の鳥>をまつる一族なの!
…………
……じゃあ、エクルに聞けば、羽根も見つかりそうね。
はねッ!!!
なっ、なによ?!大声だして……
はねって言った!かにかまおいしいけど、また『はね』って言った!
やっぱり悪もの!エクルは、もうだまされない!べー!!
あっ!ああ……逃げちゃった……
羽根って言葉に敏感だったね。……なにか事情があるのかしら……
そうかもね。あとアタシはひとつ、確証を得たわ。
?
あの子、まちがいなく……おバカだわ!
💧
story3 『通り風』をおいかけて
ちょっと、待ちなさいってばっ!
やっ!
逃げなくても、なにもしないから!大丈夫だから!
やっ!!
ちょっと話するだけよ!いいから少し待っ――
やーっ!!
――待てって……言ってんでしょーがーっ!!
やぁーーーっ!!!
……エクルちゃん、もの凄く足が速いね……
羽根があるくせに、走って逃げるってどうなのよ!?
あっ!
<全力疾走で逃げていたエクルが勢いそのままに盛大にすっ転んだ。>
……思いっきり、顔面からいったわねぇ……
……っふ……ふぇ……
……エクルちゃん、大丈夫?
ぐずっ……いたいのぉ……
今、治してあげる。
<泣きべそをかくエクルに、アイリスは魔法をかけ傷を癒していく。>
ほかに痛いところない?
うん!もう大丈夫!ありがとうございます!
よかったわね。でも、なんであそこまで逃げるの?
だって昔から、はねが欲しいっていう人は、みんなイヤなことするから!
だから、見つけたら逃げるの!だっしゅで!
前になんかあったのはわかったわ。
でも、アタシたちはアンタに、そんなことしないわよ。
悪ものは、みんなそういうの!だまされないの!
悪者ちがう!って、こら逃げるなー!
そんなに走るとまた転ぶから、翼で空を飛んで!
あっ!わかったー!
<アイリスの言葉に翼をはためかせ、エクルは空へと逃げていった。>
アイリスぅ……アドバイスしてどうするのよぉ……
そうなんだけど……見てられなくて……
story4 孤独の『ならい風』
……うう~っ!!
今度はどうしたってのよ……
……クモの巣に、突っ込んじゃったみたいね。
<顔や体についたクモの糸をエクルは半べそで取って行く。>
べとべとぉ……きもちわるいよぉ~……
ったくもぉ……しかたないわねぇ。アタシたちも手伝ってあげるわよ!
じっとしててね。
わ、わかったの!じっとしてるから、とってぇ~!
まったく……走ればコケて、飛んだらクモの巣に引っかかるって……
アンタ、こんなんでよく生活できるわね。ちょっと感心するわ。
たいしたことないよ。朝飯まえ!
ほめてないから!
ねえ……エクルちゃん。
なに?
エクルちゃんは、家族やお友だちと一緒じゃないの?
一緒じゃないよ。エクル、ひとり!
……ひとり……なの?本当に……?
たくさんはしんよー出来ないから、ひとりがいいの。
それ……寂しくない?ひとりだと、いろいろ大変だし……
んと……最初は、みんな一緒だったよ?
でもみんな、エクルのはねが欲しいって言ってきて……いっぱい抜くんだもん……
エクル痛かったのに、みんなもっともっとって……だからエクル、ひとりがいいの!
……エクルちゃん。
……みんなに羽根を狙われてたってことね。ま、それじゃ、逃げもするわね……
……私たちも同じだと思ったのね。
それにしても……あの子ってば、実はごまかす気ないんじゃない?
……エクルちゃん、素直なのよ。
素直すぎよ。さっきの明らかに<嵐の鳥>本人の話だったし。
さて、そろそろ追いかけましょ。……なんかほっとけないし。
そうね……探しにいきましょ!
story5 『向かい風』のこころ
ぐす……いたいよぉ……いたいよぉ……
……またアンタは、ベソかいて――って、なにそれ!大丈夫なの?!
<泣き声で見つけたエクルは、トラバサミの罠に足を捕えられていた。>
早く外してあげなくちゃ!主人公!
やっ!あっちいけ!あっちいけえーっ!!
スン……みんな信じないの……エクルは、ひとりで……グスん!
……エクルちゃん……
こっちから声が……なっ!なにやってるだ、おめえらあっ!!
え、え?なんでアタシたち怒られてんの?
なんでじゃと?!エクル様に怪我させて、しらぁ切る気かぁ!!
おめえら、ヨソモノだべっ!こっただことしくさって、ただじゃおかねえだ!
もしかして、アタシたちが罠を仕掛けたとか思われてる?
……そうみたい。でもこの人たちは……
大人しく捕まれ!そしたら、少し痛い目に合わせるだけでカンベンしたる!
ちょっと待ってよ!その罠はアタシたちじゃないわよ!
言い逃れしょうってだか!
本当に違うんです!
っ!!
私たちはただ、エクルちゃんを助けてあげたいだけなんです。
だから、お願いします。今は私たちを信じて……
アイリス……
……ほんとにあんたらじゃないんか?
はい。誓って、私たちではありません。
さっきの声は、罠を外そうとしたらエクルが近づかれるのを嫌がったのよ。
そうだっただか……怒鳴って悪かっただな……
いいえ。それより、早くエクルさんを――
ガァアアアァァッ!!!
ちょっとぉ!?なんでこんな時に出てくるのよ!!
文句を言ってても仕方ないわ。主人公、お願い!
最終話 吹き始めた『あいの風』
……なんて強さだべぇ……
アタシたちにかかれば、ざっとこんなもんよ!
キャトラ、それより早くエクルちゃんを助けてあげましょ。
そうだったわね。ほら、じっとしてなさいよ。
……すぐに外すから、もう少しだけ我慢してね……
うん……がまんする……
<主人公が罠を外すとアイリスがすかさず魔法でエクルの足を癒す。>
もう大丈夫ですよ、エクルちゃん。
ありがと……あとね、ごめんなさい!
なに謝ってんの?
みんなはエクルを助けてくれて……悪ものじゃなかった。
エクル、問違えてた。だから、ごめんなさいするの!
ふふ……わかりました。それじゃ、あらためて……よろしくね、エクルちゃん。
うん♪いっぱいよろしくするの!
で、結局そっちのアンタたちはなに者なの?
ワシらは……<嵐の鳥>をまつる一族じゃ。
……エクルさんも、そう名乗ってましたけど……
……元はワシらのことですじゃ。先祖が欲に溺れてエクル様を裏切るまではの。
ああ、羽根を欲しがったのって、アンタたちの先祖だったのね。
それ以来、ワシらはもう一度、エクル様の信頼を取り戻すために、働いておるんじゃ。
取り戻すって、なにしてるのよ?
まずは毎日のお食事の用意じゃな。朝昼晩と森の中に用意しておる。
それに羽根を狙って集まる輩を、森から追い出したりして、影ながらお守りしておった。
そうなの?
知らないよ?ごはんは、いい匂いの方にいくとあるし、森の中はあたしだけだから!
しっかりお世話されてるわね……だけど陰から世話なんてするから、エクルが全然気づいてないわよ。
これじゃ、アンタたち、エクルの信頼を取り戻すなんて難しくない?
そ、そんな……なんてことじゃ……
……ちょっと可哀想ね……
もぉ~しかたないわねぇ……ちょっと、エクル。
わかってるの。次のごはんは、おさかながいいの。
ぜんぜんわかっとらーん!
ねえ……エクルちゃん。
ん?なに、アイリス?
……みんなのこと……もう一度信じてあげられない?
……ん~、でもぉ……
私はきっと、みんな仲良しになれるって思うの。
…………
……やっぱり、難しい?
……もし、イヤな事されたら、みんなが助けてくれる……?
ええ。もちろん!
じゃあ、いいよ。もう一回、信じる。
おぉ……!ありがとうございます、ありがとうございます!
あとはアンタたち次第よ、がんばんなさい。
もちろんですじゃ!早速、食事に魚を用意します!
わ~い♪おさかな~♪
……よかった。ね、キャトラ。
そうね。って、まだよくないから。アタシたちの目的が済んでないし!
……みんなも……はね、ほしいの?
アタシたちが島に来た理由が、アンタの羽根なのよ。
でも、安心しなさい。アンタから無理矢理、奪おうなんて思ってないから。
うん。でもね、みんなになら、あげてもいいよ!
……いいの?エクルちゃん、痛いのイヤじゃ……
だいじょうぶ!エクル、がまんできるもん。
そのかわりにね、またエクルのとこに、会いに来て!
そんなことでいいの?
うん!
わかったわ。絶対にまた、会いにくるわね!
ぜったいだよ!ぜったいぜったい、やくそくね♪
アイオロスシリーズ |
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大いなる風を纏いて、神速の世界へ! |
2016 03/18 ~ 2019 ?/? |