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さてさてがっつり休めたし、呪物探しといきますか。
どうやって探すの？
人数いるし、手分けしようか。チーム分けはそうだなぁ……
お待ちくださいませ。
アンタ、昨日の……
この島の長をしている者です。みなさまがこの島の呪いを祓ってくださると聞さました。お礼を申し上げたく……
お礼を言われることじゃないよ。それとも何か、後ろめたいことでもあるのかな？
…………
別に答えなくてもいいよ。呪われて、苦しい思いをするのは僕じゃないしね。
こわ……
わざとやってるな、アレ。
……生きるためだったのです。
私たちは最初からこの島に住んでいたわけではありません。
故郷を持たずにさすらう部族。それが我々でした。しかし――
樹沃のルーンを見つけたのです。このルーンにより、生活はー変しました。
富を得て、安定した暮らしがもたらされたのです。
ルーンを売買することが我々の生活のすべてとなったのです。
そしてさらに裕福な暮らしを求めて、大量のルーンを採るようになりました。
しかし中にはルーンを採ることに、反対するー派もおりました。
彼らはルーンの乱獲を控えるように言いました。島に悪い影響があるかもしれないと、危惧したのです。
それで？
本題はその後でしょう。続けてください。
……私たちは反対派のリーダーだった男を島流しにしました。
周りは海だけ。島流しにしたら実質死刑だよね？
…………
人間を襲う魔獣は身勝手な我々への呪いなのかもしれません……
つまり、その男の人が呪物を使って復讐をしようとしてるってことかしら？
筋は通ってるね。
だとしたら、あの女の子はなんなの？
無関係だとは思えねぇけど。
とりあえず、話は後にしようか。
みなさん、何かか近づいて来ます！すごい数です。
見て！あそこ！
うわあああ！！
助けてぇええ！！
昨日の倍はいるぞ！
狙いは僕らじゃない。島のひとたちだ！
やめろ！！
主人公！アタシらも！！
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ー通りは片付きましたね。
わらわら湧きやがって……投げ売りバーゲンセールかよ。
今では我々もルーンを採る量を抑えて、管理しております。
ひどいことをしました。当時のことは、悔いております。
しかしそれでも許されないのならば、ここで朽ちることが背負うべき業なのでしょう。
その時のことに、俺がロ出す権利はないと思う。
でもこの島で生きてるのは、アンタだけじゃなくて色々な人がいるだろ。
そうね。巻き込んで諦めるなんてムシが良すぎるでしょ。
思考停止してないで、考えてみなさいよ。どうすればいいかぐらい。
救われるべき島民もいるはずだ。勝手に助けるぞ。アンタの意向は知らん。
…………
どちらにせよ、呪術師として祓うべき敵もまだ存在します。
そうだね。やること自体は、変わらないんじゃないかな？
危険な呪物を使っている術者がいる……僕たちが止めなくちゃね♪
私もそう思います。
ふふ、決まりね！
それじゃ手分けをして捜索しよう。
先目標は呪物で。呪物が見つかれば術者もセットで捕まえられるはずだ。
特級呪霊相当の敵と遭遇した場合は、絶対に無理をしないこと。
無理せずどうすればいいのよ。
そこは僕に任せてよ。
班分けはそうだな……
じゃあ僕とメリドくん。
七海とカスミちゃん、フローリアちゃん。
悠仁たちと主人公くんたち。
応！
オッケー！
みんなで呪物を止めようか。
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凶暴化した魔獣が多いようですし、前衛は私が務めます。
無理だと思ったらあなた方はすぐに退いてください。
わかったわ。まぁそこまでヤワじゃないけどね。
…………
大丈夫、フローリア？
ごめん、ぼーっとしてた。
もしかしてルーンのこと？
……樹沃のルーンに、あんな経緯があったなんて。
あなたのせいじゃないわ。
でも無関係だとは思えない。
だったら、私たちがこの場でできることをしましょう。
それだけよ。それ以外にできることなんてないんだから。
……カスミ。
仕事で組む相手として信用できれば問題は仕事で組む相手として信用できれば問題はないですが……
私にとって呪術師とは、ただの仕事です。
どういう意味かしら。
理由はどうであれ、呪術師として呪いを祓うということです。
呪物によって人が呪われている。無駄な人的被害は減らします。つまり呪いを祓います。
呪いが生まれた経緯がどうあれ、呪いは呪い。祓うだけです。
……ありがとうございます。
おっしゃるとおりですね。下を向いていても何も変えられないから。
行きましょう。
うん、一緒に。
この呪いを止めなくちゃ。
最初からそのつもりです。仕事ですから。
フー……まったく……
こいつ、主人公たちが言ってた……！
っ……！
一緒に戦うわ。
援護と周囲の警戒を。
私の術式は対象を線分した時、７：
の比率の点を強制的に弱点にするものです。
線分するものは全長やウィングスパンだけではありません。頭部・胴・上腕・前腕などの部分までは対象として指定できます。
そしてこの術式は、生物以外にも有効です。
自分の能力を喋っていいの？
術式開示。手の内を曝すという＜縛り＞で、術式効果を底上げします。
残業は嫌いなので手早く済ませましょう。
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アタシらの担当はこっちなのね。
複雑で大きな建物だ。調べる価値は十分あるだろう。
さっさと術者を探しましょ。あームカつく。
荒ぶってるわね。どうしたのよ。
何か気になることがあるんですか？
あるわ。大ありよ！
なーに？
あの態度が嫌いなのよ！さっさの島長ってヤッ！
同感だな。
言いたいことはわかるけどね。
術者を見つけよう。
呪物を使って島の人を呪ったかもしれない。でも、事情を聞いたらさ――
手放しで悪いヤツだって、思えないんだ。
だから、捜して、話す。それで止める。
……理想論だな。
だが、悪くない。俺は助けたい人間を助ける。
よく言ったわ！クソみたいなヤツらなんか、呪う必要すらないってのよ！
アタシらも手伝うわよ！
もちろん。
ｑ必要ないって言ったのに。
オマエ――
ｑ助けてなんて、言ってない。
アンタじゃなくて、呪物を使ったヤツの話をしてんのよ。
それともその術者と関係あんの？
ｑそうね。関係あるから。
どういうこと？あれって……
どうもこうもない。目の前のことが事実だろ。その子が術者ってことだ。
ｑせっかく忠告したのに……この島のヤツらなんか、生きる価値はないのに……
島の人がどうこうじゃない。俺はオマエを助けたい。
ｑ助けてなんて、誰が言ったの？
だって、震えてる。
ｑ……っ！
何があったのか、どう思ってるのか、話してくれ。
ｑうるさい。うるさい。うるさい！！
呪ってやる――
来るぞ！
見りゃわかる！
止めるぞ、絶対に！
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よしラストー匹！！
ｑ魔獣が……
何か変だ！
あの魔獣、女の子に向かって！！
ｑいや……！！
させるか、｢鵺｣
ダメ！止まらないわ！
頼む。
鵺で魔獣の体毛を……そういうこと！任せな！！
藁人形！？魔獣の毛でなにするの！？
禰霊呪法｢共鳴り｣
魔獣の動さが止まったわ！
オラァ！！
――ケガ、ない？
ｑ……どうして。
言っただろ。助けるって。
呪物を渡しなさい。
手遅れになる前にな。
ｑ無理なの……
どういうことだ？
ｑ言ったでしょ。弱い人間は養分になるしかないの。
それは、私のこと。
ｑうっ……！くぅ……！
ｑ呪物は私の命を吸うの。それが復讐の対価だから。私は腐るだけ。でも、それで……
お父さんの仇を討てるなら呪い続けるわ――
島流しにされた人って……
ｑそうよ。間引かれたの。なら、この島に居場所なんてあるわけないじゃない。
いいから呪物を渡せ。取り返しのつかないことになってもいいのか？
ｑ無駄よ。もう、種は撒いたもの。
見たでしょう？エリニュエスの手鏡が生み出した呪いを……
アイツのことか。
ｑアレがいる限り……この呪物は止まらないから。
止めるよ。
ｑ……どうして？
関係ないでしょ！何でそこまで――
関係なけりゃ、止めちゃいけないのか？
ｑ魔獣なんかとはワケが違う。あなた達には止められない。弱い人間には、どうすることもできない！…？魔獣なんかとはワケが違う。あなた達には止められない。弱い人間には、どうすることもできない！
だったら強くなればいい。
俺もさ、弱いんだ。
だから強くなりたいんだ。誰かを助けられるくらいにな。
見て見ぬ振りするなんてそんなのゴメンだね。俺は――
生き様で後悔はしたくない。
ｑ
見てろよ。証明してやるから。強くなれるってこと。
アイツを、ぶっ倒す。
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パーティー会場かな。賑やかで楽しそうだね。
ははは。さしずめ僕たちは招かれざる客かな。
いいね。サプライズしてやろうぜ。
異議なし。それにしても……
呪物を探していたのに、こんなところで魔獣の群れを見つけちゃうなんて。
行軍しているみたいだね。行き先は――
村の方向かな。
呪物が絡んでるなら魔獣の目的は島の人かな。
ここで止めないと島の人の命はないね。
でもこの数、どうしようか。
なんとかなるよ。
だよね。僕らふたりじゃ……
……なんとかなるの？
まあね。ただ討ち漏らすと面倒だから、なるべくまとめて倒したい。
手伝えることは？
そうだね……それじゃひとつお願いするよ。
コラァ！！クサレ魔獣ども！！
テメエら！ここから先に進めると思ってんじゃねえぞ！！
俺が相手だ！かかって来やがれ！！
囲まれたか。くくく、いいぜ、上等じゃねえか。
なんか性格違くない？
攻撃的な呪術を使うために、ちょっとテンションの切り替えが必要でね♪
ユニークだね。けど、ま、お疲れさま。いい感じに集まったよ。
集まるには集まったけど……
腕利きの冒険家が集まってもどうしようもない数だけどね。
ははは、そうなんだ。
笑い事じゃないよ。それで、これからどうするんだい？
まあ見ててよ。あ、僕から離れないでね。
慌てるなよ。面白いのはここからだ。
領域展開
｢無量空処｣
魔獣の動きが止まった……！！
それになんなんだい！この、空間は――！！
これが領域展開術式を付与した生得領域を呪力で周囲に構築する。
そして領域内で発動した付与された術式は絶対に当たる。
じゃあこれは、キミの呪術なのか……
そういうことだね。
ここは無下限の内側。
知覚、伝達。生きるという行為に無限回の作業を強制する。
全てを与えられるから、何もできず、緩やかに死んでいく。
まぁ、これで終わりだよ。
驚いたね。あの数が、ー瞬で……
でも終わりってのは訂正しないといけないみたいだ。
また別のやつらだ。一体どこから湧いてくるんだか……
呪物の影響だろうね。このままだと同じことの繰り返しになるな。
村はこの先だよ。この場を離れるわけにはいかない。
大丈夫さ。
僕の仲間も教え子も、みんな優秀だからね。
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