【黒ウィズ】ユピナ・レネ
ユピナ・レネ CV: |
2017/00/00 |
かつて魔法文明が栄えながらも、今や魔力を失って久しい異界。
その片隅――とある学園の廊下に、怪物の姿があった。
夜の月が照らし出すのは、全身から硬いトゲを生やした異形の姿。
しかし制服の切れ端があちこちに残っている――学園の生徒の、変わり果てた姿なのだ。
「怪しい魔力があると思ったら……」
怪物の前に、ユピナは静かに佇んでいる。
女子高生である。
だが、奇妙な格好だった。制服の上から、ところどころに不思議な色合いをした装甲を身に着け、手には馬の頭部を模した杖を携えている。
まるで、古の物話に登場する『魔道士』のよう――
いや。彼女は『魔道士』そのものなのだ。
この学園には『魔物』が出る。伝承に語られるだけの怪物が。
彼らは生徒に憑依し、その身を媒介として顕現する。
そして、なぜか学校のなかをさまようのだ。何かを探しているかのように――
「何が目的だか知らないけど、困るんだよねぇ、そういうの」
微笑むユピナ――その身からは疑いようもない魔力の波動があふれている。
彼女もまた、怪物に憑依された1人だった。
しかし――驚くべきことに、彼女は精神力だけで『怪物化』に抗い、元の姿を保ったのだ。
そんなことができたわけは――
「さあ、ちゃっちゃと叩きのめして、元に戻してあげるからね!
10砂……5砂? いや、やっぱ3砂あればいけるかな! ま、あたしだし!」
根拠のない自信だけなら誰にも負けない、自分大好き、『絶対の自負』を持つ少女。
彼女は、たったひとりの征魔士として、学校を脅かす怪物と戦い続ける――