【アナデン】ベネディト Story
しがない木こりを自称する青年。 携えた斧はどう見てもバトルアクスだが本人は木こりの仕事で使うと主張する。鍛えられた肉体と鋭い眼光からただ者でないことは疑いようもない。普通の暮らしを営むことに普通ではないこだわりを持っている。 |
2017/04/12 |
目次
何かと物騒なことの続くバルオキー。
王都に納品する材木が足りないという。
ベネディトは木こりとして仕事を手伝うことになるが……。
王都ユニガンを訪れたベネディトとアルド。
ベネディトは折り入って話があると珍しくアルドを食事に誘うが……。
木こりとは
「この村には同業の者がちらほらいるようだな。」
(そういえばベネディトは木こり……なんだよな。全然そうは見えないけど)
「ああ、月影の森で質のいい材木が採れるから林業は盛んなんだ。」
「お兄ちゃん。イカした斧持ってるじゃねえか!
なかなか腕に覚えがありそうだな。
近頃何かと物騒なことが続いてよ。王都に納品する材木が足りてねえんだ。
ちょっくら手伝っちゃくれねえか?」
「ほう……俺にうってつけの依頼だな。その話木こりのベネディトが確かに承った。」
「そうこなくっちゃな!月影の森の場所はアルドに聞いてくれ。」
「え、オレ?
まあいいか。どっちみち手伝うつもりだったし。」
「ちょうどいい。アルドにも木こりの何たるかを教えてやろう。」
【月影の森】
「……なかなかいないものだな。」
「いない……?
なあベネディト。あまり疑いたくはないんだけどお前本当に木こりなんだよな?」
「当然だ。木こりとは斧をふるって生活を営む者。そうだろう?」
「ま、まあ間違っちゃいないな……。」
「む……!
この跡は……間違いない。
どうやら奥の方に続いているようだ。アルドすぐに向かうぞ。」
「お、おい!木ならこの辺にも……。
……仕方ない。一緒に行くしかないか。」
***
「なあベネディト。何もこんな奥の方まで来なくても……。」
「案ずるなアルド。俺の見立てが正しければ……。」
「やっぱり出くわしたか……!この時期は縄張りの取り合いで気性が荒いんだ!
ようやくお出ましだな。それでは木こりの仕事を始めよう。」
「えっ?」
***
「さあ任務完了だ。素材になりそうなものは剥ぎ取って帰るぞ。」
「いや確かに斧はふるってたけどそれ木こりじゃなくてハンターだよ!
木こりは木を切らなきゃ!」
「………………。」
「………………。」
「………………当然だ。俺も帰りがけにやっていくつもりだったからな。」
「そ、そうか?ならいいんだけど……。」
***
「ここらでいいだろう。」
「そうだな。ようやく木こりらしいベネディトが見れそうだ……!
あ、木を切るならあんまり近くにいちゃいけないよな。離れてるよ。」
「いや……。その必要はない。」
「えっ?」
「………………?
な、なんだ……?何も変わって……。
……いいや!よく見るとこれは……っ!
枝葉が綺麗に整えられてる!
その巨大な斧でこれほど繊細な作業を……しかもあの一瞬で!?」
「どうだアルド。これで俺が木こりだとわかったか。」
「確かに凄い……。
でもこれ木こりじゃなくて庭師だよ!
枝葉を整えるんじゃなくて!幹を伐採して!手頃なサイズに切り分けなきゃ!
おっちゃんも材木が足りないって言ってたろ!」
「………………。」
「………………。」
「………………当然だ。
枝葉は先んじて整えただけだからな。」
「そ、そうか……。ならいいんだけどさあ……。」
<材木を手に入れた。>
***
「お!終わったか!」
「色々あったけどとりあえずどうにかなったよ……。
抱えれるだけ持ってきたけど残りはその場に纏めてきたから。」
「十分だ恩にきるぜ。あとはこっちで運んどくからよ!」
「あ!輪切りとか費の目切りになってるやつもあるけどあんまり気にしないでくれ!」
「今日はいい日だった。俺がごく普通の木こりだということをアルドに分かってもらえたからな。」
「う、うん……。まあそうかな……。」
「どうした疲れたか?
木こりは肉体労働だからな。生半な体力で務まるものではない。今日はゆっくり休むことだ。」
「はは、肝に銘じておくよ……。」
- Quest Complete -
ある麗人に花束を
- Quest Accepted -