【アナデン】ユーイン Story
アナザーエデン・サブストーリー 「ユーイン編」 |
胡散臭い風貌の武器ブローカー。 ブローカーとは買い手と売り手の間に立ち、商談をまとめる「仲買人」のこと。ただし、彼が扱うのは妖刀や魔剣などいわくつきの武器ばかりである。覚悟もなく魔性の武器に手を出す客には厳しく接する。どうやら彼自身がずっと探している武器があるらしい。 |
目次
いわくつきの武器を専門に扱うブローカーだというユーイン。
新たな依頼を受けた彼にアルドは同行することになるが……。
story1
「どうだい鍛冶屋の旦那。何かいわくつきの武器は流れてきてねえか?
「なんだユーインか……そうそう訳ありの武器なんか回ってくるかっての。
しかしあんたも物好きだな。誰も触りたがらないような武器に自分から関わっていくんだからよ。
「そう言うなって。あんたら鍛冶屋が持て余した武器を処分してやってんだからな。
まあ現物じゃなくても構わねえ。キナ臭い話の一つや二つあるだろ?
「ったく……ああそういや近頃月影の森を怪しい刀使いがうろついてるとか……。
「おうそれそれ。そういう話が聞きたかったんだ。
「なんだか物騒だな……。ユーインってこういう話に興味があるのか?
「ああ?ったりめえだろ。こいつが俺の商売だからな。
「ええ?商売って……訳ありの武器を探すのが?
「探すのっつーか……
「ついに見つけたよ。闇の武器プローカーさん。
「闇……?
「そうさ。人の生き血や命を欲しがる呪われた武器……
この世にはそういったいわくつきの武器が存在する。
彼はそういったものを専門に扱う仲買人ってところかな。
「彼……?まさかユーインが?
「言ってなかったか?そいつの言うとおり俺は呪われた武器専門のブローカーだ。
「呪われた武器って危なかったりしないのか……?
「そりゃ危ねえさ。だからこそ商売になるんだよ。
であんた……俺のこと知ってるようだが一体何の用だ?
「あんたに話しかけたということはつまりそういうことさ。
僕にふさわしい呪いの武器を探してほしいんだ。
「……なるほどお客様ってわけだな。
いいだろう。だがこんな賑やかな場所で話すようなことでもねえ。場所を移そうぜ。
カレク湿原あたりで詳しい話を聞かせてもらおう。
- Quest Accepted -
***
「ここなら誰にも聞かれないね。さあ依頼の話だけれど………
「まあそう焦るなよ。あんたどうして呪われた武器が欲しいんだ?
「……一流の仕事人が客の事情に首を突っ込むというのかい?
「ヒアリングも仕事のうちでね。お客の要望をより正確に捉えるためさ。
まあそう身構えるなよ。無理に話せとは言わねえからさ。事情が聞けないなら聞けないなりにやり方はあるもんだ。
そうだなこういうときは……身近にあるところでオーガベインなんてどうだい?
「な……!なに言ってるんだユーイン!オーガベインはオレの……
「いいから……俺を信じて少し黙っててくんな。
「……本当に大丈夫なのか?
「まあ大船に乗ったつもりでいてくれ。
「オーガベインだって……?
「その顔は初耳って感じだな。まあ無理もねえ。オーガベインは現存する魔剣の中でもトップクラスにヤベえブツだからな。
「あ、あるのかい?そんな魔剣が……それも身近に?
「そうだとも。今は亡きオーガ族の怨念を帯びた伝説の魔剣……どうも聞いた話によると選ばれた者にしか抜けねえらしい。
「なるほど………確かにその剣なら僕にふさわしいかもしれないね。興味が湧いたよ。
「すっかり乗り気じゃないか!どうするんだよユーイン!
「まあまあ、もう少し黙って聞いてなって。
「そのオーガベインとやらは一体どこに?
「こいつの腰にぶら下がってる馬鹿でかい剣さ。
「おお……本当にこんな近くにあったなんてね。それじゃあ君が売り手になってくれるというわけだ。
「こいつは売らないぞ!なあユーイン!
「……いや。今はこんな風に言ってるが俺がうまいこと話をまとめてやるさ。
「ユーイン……!?やっぱり最初からそのつもりだったのか……!
ブローカーってのは武器の所有者の気持ちは考えないのか……!?
「まあちょっと耳貸せ。
「………………。
「呪われた武器を扱わせたら当代最高とも噂されるブローカーのお墨つきだ。
こいつは今日から僕のものってわけだな……!
なんだ!?
うああ……!!ひいい!お助け……!
ぼぼぼ僕は食べても美味しくないですよ……
「あれ……?さっきまでと随分様子が違うな。
「やっぱりな……これがこいつの本性だ。
「え……?
「仕事柄人の性質にや鼻が利くんだ。売る相手はちゃんと選ぶのが俺のやり方でな。
「ユーインには最初からわかってたってことか?
「身の丈に合わない武器なんざ持つもんじゃねえ。ましていわくつきの武器ならなおさらだ。
だが呪いの武器をアクセサリーか何かと勘違いしてるような輩には口で言ってもなかなかわからねえ。
だから身をもってその危うさに触れてもらう方が早いってわけよ。
「すみませんでした……身の丈に合わない呪いの武器はもう欲しいなんて言いません……。
「じゃあこれで一件落着……
「けど!身の丈に合った呪いの武器はやっぱり欲しいです!
「……なんだぁ?気持ちだけはえらくタフなやつだな。
「お願いします!呪われ具合はオーガベインの十分の一……いえ百分の一でも構わないので……!
「何だよ呪われ具合って……ったくしょうがねえお客様だ。
「……この依頼受けるのか?
「諦めてくれると思ったんだが一度請け負った以上は最後まで面倒を見ねえとな。
心当たりはある。仕入れるのは少しばかり骨が折れるかもしれねえが……
とにかくあんたはユニガンに戻っててくんな。さっき会った鍛冶屋で待ち合わせだ。
「ありがとう。大人しく待ってるよ!
「……さっきはごめんな。でも売る気がないんだったら最初から言ってくれればよかったのに。
「ああ……何つーかアレだ。アルドは大根役者っぽいからな。めちゃくちゃ顔に出るタイプだろ?
「うーん……そんなことないと思うけどな。
まあいいか。それより仕入れ先の心当たりってのはどこなんだ?
「月影の森だよ。なんだ手伝ってくれんのか?
「まあ乗りかかった船だしな。ユーインが変な商売しないようにオレが見てるよ。
「手厳しいねえ……わーったよ人数が増えるのはこっちとしてもありがてえしな。
この仕事が無事に終わったらとびっきりのメシをご馳走してやるさ。期待しときな。
「それじゃあ月影の森に行くぞ!
***
「なあユーイン……さっきから視線を感じないか?
ちょっと思い出したんだけど心当たりってまさか……
「なんだ今ごろ気づいたのか。多分だがそのまさかで合ってると思うぜ。
「………………。
「ん……?なんだ?
「武器屋のおやじさんが言ってた怪しい刀使い……!
「おうおう……こいつは結構な妖刀だな。
「………………。
「何か出てきたぞ……!?
「恐らくあの妖刀が持ち主の負の感情を吸い上げて形にしたってとこだろう。
持ち主に意識はねえようだな。ありゃ完全に乗っ取られちまってるぜ。
「なんだって……?じゃあすぐに解放しないと……!
「来るぞ!細けえことはこいつらを黙らせてからだ!
***
「今だユーイン!
「おうよ!目を覚ましゃがれ!
「う……!
「よかった気がついたぞ!
「ここは……?私は何をして……
「あんたはこの妖刀に操られてたんだよ。何か思い出せることはあるか?
「いや……記憶があやふやで何が何やら……。
「妖刀に手を出したくらいだ。あんたにも事情はあるんだろうが……まあ今は置いておくか。
この刀を欲しがってるやつがいるんだが売る気はあるか?
「売るだって……?とんでもない。金はいらないから持っていってくれ。
こんな恐ろしい刀とはもう関わりたくはないからな……
「……タダで手に入っちまったな。
「まあいらねえってんならありがたく頂戴するけどよ。
「なあユーイン。もしかしてその妖刀をあの人に売るつもりじゃ……?
「当然だろ。そういう商売だからな。
「いやダメだろ!そんな危険な刀を売るなんて!
「まあちょっと待ってろって。
……おいやるぞ。この程度なら大した代償はいらねえだろ?
これでよしと……。
「ユーイン……?なんなんだ今のは……
「まあ細かいことは抜きにしてさっさとユニガンに戻ろうぜ。
「あ、ああ……。
***
「ああブローカーさん。戻ってきてくれたんですね!
「ほらよ約束のプツだ。あんたに似合いの妖刀だぜ。
「報酬はこれでいいかい?
「おう毎度あり。また何かあったら声をかけてくんな。
「おいユーイン!本当にあの妖刀を売っちゃったのか!?
あの人が取り憑かれたらどうするんだ!
「だから落ち着けって。あの妖刀が溜め込んでたモンは一旦白紙に戻しておいたからよ。
「え……?そんなことができるのか?
「……まあな。また負の感情が溜まりなおすまでとりあえず害はねえ。
「溜まりなおすまでって……溜まったら結局危険なんじゃないか!
「そしたらまた今回みたいに仲買いって形で介入するだけさ。アフターサービスってやつだ。
「でも……
「……あのなアルド。取り憑かれてたあの男は妖刀がなければ何のごたごたもなく平穏無事に暮らしてたと思うか?
「それは……
「強い気持ちってのはどんな形であれ必ず表に出てくるむんだ。
たまたま今回は妖刀を手にしてああいう形で出てきたにすぎねえ。
むしろ今回はラッキーだ。呪いの武器に手を出してくれたからこそ俺が介入できたわけだからな。
「そっか……ユーインって意外と色んなこと考えてるんだな。
「意外とは余計だっての。
「なあ……あの妖刀取り憑かれてた男に売ったのももしかしてユーインなのか?
「……さあな。そいつは答えるわけにやいかねえよ。商売上の秘密ってやつだ。
しかし今回はガッツリ手伝ってもらっちまったな。恩にきるぜ。
……ヤツから借りる力も最小限で済んだしな。
「ヤツ……?
「いいやなんでもねえ。ただの独り言だ。
さてふところも温まったことだし約束どおりメシでも奢らせてもらおうか。
「ああ……そういえばそんなこと言ってたっけ。
「さっそく酒場に行こうぜ。あそこは俺の行きつけだからな。
***
「おやじ!いつものやつをフルコースで二人前だ。大盛りで頼むぜ!
「あいよ!ちょっくら待っててくんな!
「それにしてもオーガベインを売るって言われたときは心臓が止まるかと思ったよ……
「ありゃあの客を試しただけだ。人様のモンを勝手に売ったりしねえって。
だがアルトが手放したくなったってんなら話は別だぜ。そんときゃ誰よりも先に俺に言ってくれよ。
ばっちり仲買いしてやるからな。
「だから……前に言ったろ?何があっても手放す気はないって。
だいたいオーガベインはそういう風に扱っていい代物じゃ……
「冗談だよ冗談。心配しなくてもんなこたぁ初めからわかってるさ。
「なあ……ユーインはどうして呪いの武器なんか扱うようになったんだ?
「なんでって……まあアレだ。俺には探してる武器があるのさ。
「なるほど………探してるのってやっぱり呪われた武器なのか?
「おそらくは……な。仮に呪われてなくてもとんでもねえ力を持ってるはず……
「お待ちどうさん!
「おっきやがったな!待ってたぜ。俺にとっちゃこれが最後の砦なんだ!
「おうよ!まずは王国風四種のクリームの
シューサンドだ!
「っはは!マスターこれデザートだろ。注文取り違えたのか?ユーインが頼んだのはフルコース……
「いただきます。
「えっ!?
「次は王家に仕えた伝説のシェフが編み出したというロイヤルブラウニー。こいつは自信の再現度だ。
「お、おい……これもデザートじゃ……
「そしていよいよデザート!貴重な王軍鶏の卵を使った自家製プリンだ!
「いや全部デザートだろ!見ただけで胸焼けするよ!
「まあ食ってみろって。これが美味いんだよ。ちゃんとバランスよくできてるんだ。
「確かに……ユーインは普通に食べてるな。もしかして見た目がアレなだけで実は食べやすいように甘さを抑えてあったりするのか……?
思い切って……はむっ。
……甘いッ!
- Quest Complete -
story2
story3
アナエデ mark