【アナデン】ノノルド Story
アナザーエデン・キャラクエスト「ノノルド編」 |
天才を自称するナルシストな科学者。非常に若い外見だが、最近までKMS社に研究者として就業していた。反抗期なのかとても生意気な子供のよう。ありとあらゆる分野に明るく、科学者としては超一流なのだが……。 |
目次
かつての知り合いと再会したノノルド。
何か折り入って頼みがあるようだが……。
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「……あら?ノノルド?ねえあなたノノルドよね?
「うん?知り合いかノノルド?
「ああ学生時代のね。
「学生時代……?
「久しぶりね。それにしても……あなた変わらないままね。
「そう言うなよ。ボクは割と気に入ってるんだ。
「…………?
「ああごめんなさいね。こんなこと話しても置いてけぼりよね。
……ノノルドこちらの方はあなたのお友達なの?
「フンこいつはアルドただの観察対象だよ。友達じゃない。
「ふふそうよね。昔っから友達なんてあの人だけだものね。
「違う!あいつだって友達じゃない。ただのライバルだよ!
だいたいね友ってのは肩を並べられる存在のことだろう?
この世にボクに比肩する者がそんなにいてたまるもんか。
「そっか……ノノルドって友達少なかったんだな……。
安心しろ!オレはノノルドの事大事な仲間だって思ってるからな!
「おい!何か勘違いしてるだろキミ!?いいかい!?ボクはだねぇ!
「クスッ……その意地っ張りなところ変わらないわね。
そうだ!立ち話もなんだし一緒にお茶でもどうかしら。
「……まあ。しょうがないな。キミが奢るというなら考えるよ。
「よかった!もちろん奢るわ。ちょっと話したいこともあるし。それじゃバーで待ってるわね。
***
「それにしても……こうして会うのはいつ以来かしら?
「ボクがKMS社を退社して以来だよ。
「え!?KMS社で働いてたのかその若さで!?
「あら……なるほどね話してなかったんだ?
「フフンまボクは天才だからね。一流企業から引き抜かれるのも自明の理だったのさ。
「私とは研究室が違ったけどノノルドの所はすごい業績だったのよ。
「へえ……とんでもない才能の持ち主なんだな。
「ところで話したいことってのはなんだったんだい?
「あ!そうそう同僚がね研究室に観葉植物を置いたのよ。でねみんなで世話してるんだけど……
私も家で花とか育てたいなーって。だから種とかあったら友達価格で譲ってくれないかな?
「……ぶっ!!
ヒィーヒッヒ!!キミが!花!?
昔っからズボラでだらしないキミが花を育てるぅ!?ヒヒヒ!
「ちょっとぉ!昔の話でしょぉ!?最近は直そうとしてるんだから!
「大体種なんかそこらの店でいくらでも買えるじゃないか?
「あれはクローンでしょ?私はオリジナルの生花がいいの。
でも……ほらクローンじゃないと値段が張るじゃない……?
「フンくだらないことにこだわるね。遺伝子構造は同じなのに。
それにもし譲るとしても正規の価格だ。当然だろう?
…………ふ―ん。そういえば学生時代お昼何回奢らされたかしら?
実験機材ぜーんぶ吹っ飛ばして弁償のお金泣きついてきたのは誰だったっけ~?
私があなたに貸したお金確か全部で………
「どわあああーーーっ!!!蒸し返すんじゃないっ!!
アッアルド!!こんな性悪に関わってもろくなことが無い!早く行こう!
「いやお金は返したほうが……。
「こっこの完全無欠のボクに借金なんて弱みはないんだ!いいね!?
「というか花の種くらい譲ってあげたらいいんじゃないか?
「あのね。今日び天然の花の種は超が五億回つくほどの貴重品なの!!
それにボクに何の得もないだろう!断固拒否するよボクはね!
「そう……じゃクレルヴォに頼もうかしら。
「うん?クレルヴォとも知り合い?
「ええ。私たち三人学生のころ仲良かったのよ。
「……なに?クレルヴォに頼むって?
ふざけないでもらおうっ!あいつに頼むんならボクがやるさっ!
「どうしたんだノノルド急に目の色変えて?
「あいつには……クレルヴォには負けるわけにはいかない!一歩も退くわけにはいかないのさ!
ほら!さっさと花の種を手に入れてこようじゃないか!キミの時代なら手に入るだろ?
「あ、ああ……花の種くらいいくらでも売ってると思うけど………。
「あまり特徴的な花だと生態系を崩すから良<ないがこの女にちょっと渡すくらいなら大丈夫さ!
それにクレルヴォに負けるわけにはいかないからな!!
「やる気だなあ。バルオキーで買ってみるか。
「ようアルド!花を探してんのかい?
「ああ。初心者でも育てやすい花の種とか置いてあるか?
「育てやすいのか。それならヌアルメルキスとかどうだ?‘
「…………。いや。やっぱ種はやめた。……既に咲いている花をもらおう。
「なんでだ?あの女性自分で育てたいって言ってたぞ?
「ヒィーヒッヒ!アルドあの女のズボラっぷりを舐めちゃいけないよ。
研究室に泊まり込むのは日常茶飯事。ひどい時は食事も風呂も忘れるような女だ。
大方無事に花を咲かす前に枯らしてしまうに決まってるさ。
「そうかなあ……。
「それにもっと面白いことを思いついたんだよ。
月影の森に行くよ。あそこでならサンプルが採れるはずだ。
「サンプル?何に使うんだ?
「ヒヒィッボクにかかれば不可能は無い……どう仕掛けてやろうか……!!
「聞いてないな……。とりあえず行ってみるか。
***
「す……素晴らしいッ!!やはりキミについてきて正解だッ!
未来では貴重なサンプルがこの時代ならそこら中にある!ああ幸せだぁ!
「ところでさっき言ってた面白いことってなんなんだ?
「うん?いやこれだけの材料があれば何かしら花を改造できると思ってね。
食虫植物にしたり刺激臭のある花粉をばらまいたり……。どれにしようか迷ってしまうよ。
ヒィーヒッヒッヒッッヒ!
「いやがらせじゃないか!
「当然!このボクをコケにしてただで済ますものか!
だいたいねえ……ん?
アルド。あいつは本来この森では見ない種だね?
「ツルリンか?そういえばカレク湿原の魔物だな。
「ふむ。環境適応で何か変化があるかもしれないな……。
あの魔物の体液サンプルをいただくとしよう!
「……いやがらせの手伝いはしないぞ?
「ノンノン!科学の発展に手を貸すと思ってくれたまえ!
「物は言いようだな……はあ。
***
「よし。十分な量が採れた。もう行っていいぞ。
「
「ただでさえ貴重なんだ。倒してしまってはもったいないよ。生かしておけばまた採取できるからね……。
ヒヒッヒヒヒヒ……。
「……笑顔が怖いな。
「さて成分分析っと。……おお!?これは!?
「そんなバカな!?βバルキンに酷似している?
なら手持ちのαアクト酸とβラトローそれにβユニギンと合わせて……。
「……ノノルド?なんかすごい発見でもあったか?
「……ああ!素晴らしいよ!こいつを花にかければ………!
「その薬をかけるとどうなるんだ?
「……完成だ!これでこの花は不老不死になったんだ!
「ふ、不老不死!?そんな薬が作れたのか!?
「ああ。動物には強い副作用があるから使えないが……植物なら大丈夫さ。
これであのズボラ女も枯らさずに飾っておけるだろう?
「す……すごいもん作り出したな。結果的にいやがらせではなくなった……か?
「ヒヒィッ!こいつであの女の鼻を明かしてやろう!
***
「あらおかえり!種は手に入ったの?
「……………………。
なっ!!なんでクレルヴォがここにいるんだぁー!?
「そういえばクレルヴォはノノルド達と友達なんだったな。
「ああ。今の研究内容でクレルヴォに相談したいことがあってね。
ついでに花の話を彼にも聞いてもらおうかな~って思ったの。
「~~~っ!ボ、ボクよりクレルヴォをアテにするなんて……。屈辱だ……ううううー!!
「……どうしてそこまで目の敵にするんだ?
「ふふふ学生時代ね。ノノルドはいつもクレルヴォに総合成績で勝てなかったのよ。
「僕は張り合う気は全くなかったのだけれどね。
「くそう!余裕ぶりやがって!ボクはお前なんかよりよっぽど多才なんだぞ!
「ああ。僕の専門外の分野については君の方が優れているよ。
君が時に閃く奇抜な発想は同じ研究者として羨ましくも思う。
「……なんとなく二人の関係がわかったよ。
そんなことよりさノノルド。花を渡すんだろ?
「……フン!そうさこれを見て驚愕するがいい。
不老不死の花!水も光もなくとも咲き続ける永久不滅の花さ!
キミみたいなだらしのない女でも世話をせずに飾っておける!どうだ!すごいだろー!?
「……世話をしなくてもいい花?それは美しさを欠いているね。
「……なに!?どういうことだ!
「……この種を育てるといい。ガーデニング初心者にも育てやすいものだ。
「おい……聞いているのか!?それにそれはクローンの種だろう!
「ああ。だけどそれは問題ではない。君らしく言えば………遺伝子構造は同じだ。
クローンだとかオリジナルだとか花の美しさの本質はそこではないよ。
手塩に掛けて育てる……するとどんな花でも愛を感じて美しくなる。
枯れていくことも含めて共に生きることが美しさの本質だよ。
「そっか……そうね。大事に育てればきっと綺麗に咲いてくれるわよね。
「ああ。だからこそ……ノノルドの花は認められないな。
「な……ん……だと……!?ボクを……認めない!?くそおっ!!
「あ!おいノノルド!
「やれやれ……まるで反抗期だな。
この花は僕が預かろう。不老不死を解く薬を研究しなければいけないからね。
「ごめんねノノルドも良かれと思ってやってくれたのよね?
「ああ……オレからも励ましておくよ。
***
「くそっ!くそっ!何が美しさだ!そんな数値化できないもので何がわかるっていうんだ!
くそっ……!くそおっ……!何でっ……!
何でボクは……言い返せないんだ……!」
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