【白猫】ミラ様に懺悔しなさい! Story
開催期間:2015/12/16 ~ 12/24
信徒のみんな、お待ちかね♪ 待ってた?
待ってなくてもやるわよ! せーの!
懺悔しなさーい!!
目次
登場人物
story
<主人公たちは、ギルドの依頼によりとある島を訪れていた。
依頼内容は、島を襲った魔物の群れの討伐。単純ではあるが簡単な任務ではない。>
いろんな冒険家さんたちが集まっているわね。
ものものしい雰囲気ね……一体どんな魔物が待ち受けているのかしら!?
そうね……心配だわ。
よーっし、完成っと!
!
<ミラが、開けた場所にテントを設置していた。>
ここに野営地を作ったの?
違うわよ。これは移動懺悔室。看板に書いてあるでしょ。
懺悔室ですか?
このあたしが直接、罪の告白を聞いてあげるってわけ。
ミラにそんなこと告白してどうすんのよ。
あたし、シスターだし? これでちょっとは信仰心稼げると思わない?
だからって討伐依頼受けてるときにやらなくても。
依頼もやれるからいいんじゃない。一石二鳥でしょ?
はあ……
あら、さっそく誰か来たわ。じゃ、お仕事お仕事~。
「迷える子羊よ、入りなさい。」
「お邪魔します。」
「心ゆくまで懺悔なさい。」
「私はお米の素晴らしさを伝えに、東の国からやってきたものです。」
「へー、お米ねえ。」
「私はふっくらと炊けたお米の美味しさを、多くの人にお伝えしてまいりました。
ですが世間には、お米よりもパンを愛する人がいらっしゃいます。
私は思いました。お米はこんなに美味しいのに、なぜ人はパンを食べるのだろうと。」
「あたしも、どっちかっていうと……」
「何ですって?」
「も、もちろんお米派よ……! なんか怖いわこの子。」
「私はパンを憎んでいました。ですが私は気づいたのです。その憎しみの不毛さに……!」
「たしかに不毛ね。」
「憎しみに囚われ、道を誤ろうとしていたこの私を、どうかお許しください!」
ええっと、ミラ……? 魔物の群れ、来たわよ!
story
<魔物の群れを撃退し、腕利きの冒険家たちは島の奥へ進んでいく。
冒険家たちは、開けた場所で野営地を設営した。>
はい、懺悔室完成!
こりないわねえ。
まだまだ信仰集めるわよ~。
あっ、誰か看板を見てますね。
よーしっ、お仕事開始っ!
「迷える子羊よ、入りなさい。」
「は、はいぃ……!」
「心ゆくまで懺悔するといいわ。」
「はい……懺悔、というか……
恥ずかしいんですっ……恥ずかしくてっ!! とっても!」
「落ち着きなさいよ。」
「見られるのが、恥ずかしいんです……」
「あ、あんた……よく見たらすごい大胆な格好ね!」
「見ないでくださいい~!!」
「見られたくないのに、なんでそんな恰好なのよ。」
「開発者の、趣味なんです……」
「開発者?」
「私、アンドロイドなんです……恥ずかしい……」
「ああ、あれね。最近ちょくちょく見かける、機械的な人たちね。」
「恥ずかしがってばかりの私が、恥ずかしいい……こんな私を、どうかお許しくださいっ!」
「まーあんたの場合、開発者が悔い改めるべきだと思うわ。」
ミラったら、熱心だわね。アタシら魔物討伐に来たってのに。
野営地の安全確保をしないとね。
ミラ、アンタも手伝ってよー!
わかってるわよー!
story
「迷える子羊よ、入りなさい。」
「ここがお悩み相談室ね。」
「微妙にコンセプト違うけど、まあいいわ。」
「あたしは、プロのチェスプレイヤーよ。誰にも負けたことがないわ。」
「そりゃすごいわねぇ。で?」
「あたし、チェスをやってる友達がいるんだけど。最近負けてばっかりなのよ。」
「さっき、生涯無敗っていってなかった?」
「最後に勝てば、あたしの勝ちでしょ!」
「……ものすごい屁理屈だわね。」
「だからあたし、チェスが強くなりたいの。不敗を守るために!」
「だったら祈りなさい。」
「祈ったら強くなるの!?」
「なるから祈りなさい。でもあんたさ、その子に勝てたらそれで幸せなわけ?」
「あたしは不敗のプレイヤーなの! そのあたしが負けたままなんて!」
「誰にも負けないんじゃ、そもそも楽しくないんじゃない?」
「あたしは負けたくないの! 負けたら楽しくないの!」
「ゲームだったら、楽しんだらいいと思うけど。」
<魔物が潜むという山のふもとに、ミラの懺悔室が設営されていた。>
またやってるのね、ミラ。なんかちょっと感心する。
そうだね。
そろそろ魔物の巣に突入って話だったっけ?
そうね。ミラさん呼んでこなきゃ。mああ!!そば!!そばも憎い!!
story
<冒険家たちは、魔物の住む洞窟に足を踏み入れた。>
どんな魔物が待ってるのかしら、警戒しなきゃね。
あれっ、ミラさんの懺悔室よ。
ミラったら、まだやるつもりなの?
「俺を……抱きしめてくれ~。ほとんど、死んでいた……俺を……YEAH! !
BABY、俺は……人気の無い町であいつに……問いかけ~る!」
「ザ・アーチャーズのホールド・ミー・タイトね。渋いわ。」
「HELL!! 俺~はぁっ!! 悪魔に……懺悔をするのさぁ!」
「ぎっくーん!! そ、それってあれよね、歌の歌詞よねっ!!」
「裁きの日を~!! 俺は!! 待ってるぅー!!」
「すごいやりにくいわね。こんなの初めてよ。」
「HEY!! HEY!! あの世まで~焼き尽くせ!!」
「悔い改めなさいよー!!」
「何が罪だ!? 誰が罪を犯した!」
「……あれ、そういえばこの声。聞いたことあるような。」
「俺は~ダリル。何が罪なのかぁ~!! 俺が決めるぅ!!」
「じゃあ懺悔の意味ないでしょ!!
って、あれ? 今ダリルっていった?
……えっと……」
ミラ、そろそろ先に進むって。
?
<ミラはレコードジャケットを手にしている。そこにはサインが書かれていた。>
どうしたんですか?
サインもらっちゃった。
誰によ。
アーティストよ。ハードロック界のキング。どうしよう。けっこう嬉しい。
なんでそんな人がここにいるのよ!
知らないわよ。それにしても……悪魔にサインするって、魂を売る契約の証なんだけどねー。
何よそれは。
安心して、契約書とりかわしてないし、取引は無効よ。
ミラさん、洞窟の奥に進むみたいです。
わかったわ!! 懺悔ぶっとばす!
story
<洞窟の奥には、異様な雰囲気が漂っている。>
tあら、みんなじゃない。
テレーゼ、アンタもいたんだ。
tみんながいるなら、討伐も成功したようなものね。
まっかせなさーい!
tところでこのテントは?
懺悔室なんです。罪を悔い改めるんですって。
tふーん……
「迷える子羊よ、入っちゃって!」
「お邪魔しま~す。」
「さあ、罪を告白しなさいっ!」
「罪っていうか、ね……ちょっと悩み事が。」
「あー、そういうのね。まあいいわ。」
「私はこれでもピアニストなの。小さいころから、ほぼ音楽一筋。」
「へーえ。」
「私、昔から憧れている私、昔から憧れている作曲家さんがいるんだけど。以前その人に曲を見てもらってね。」
「こっびどーく、こき下ろされたとか?」
「逆よ。すごく褒めてくれた。でもその人……私の前で、曲の編曲を始めたのよ。
私のピアノ独奏曲を、交響曲にね。あっという間に。」
「そりゃーすごいわね。」
「彼の頭の中では、常に音楽が鳴っているのよ。」
「かなわないと思った?」
「追いつこうと思った私が、まるでバカみたいに思えた。」
「それこそバカよ。ピアニストさん。」
「悪魔に魂でも売れっての?」
「じゃあ売ってみる?」
「……どういうこと?」
「魂と引き換えにすれば、才能が手に入るとしたら、あんた、どうする?」
「音楽を裏切るなんて、私にはできない。」
「面白いわね、あんた。いいこと教えたげるわ。
誰かの才能に打ちのめされるのも、才能なの。っていうかさー。それこそ才能の芽生えってもんよ。」
「……才能に、打ちのめされる?」
「何度も何度も、挫折すればいいわ。そうやって芽が出るやつもいるのよ?」
「挫折、ね……ありがとう、シスター。ちょっと楽になったわ。」
ミラ、大変! 魔物の巣を見つけたって!
オッケー、じゃあちょっといってきますか?
story
<魔物の群れは、冒険家たちによって残らず討伐された。>
やったわ!
それじゃ、飛行島に帰りましょ。
うーん……あんまり信仰、集まらなかったわぁ……
アンタねえ。そういうのはもっとラクな依頼のときやりなさいよ。
へいへーい。
***
はあー、やっぱり洞窟とか息がつまるわよねー。悪魔的には風情あったけどさ。
あら?
<ミラの目の前に、テントがある。>
あたしの懺悔室?
「ちょっとー。だれかいるのー?」
「迷える子羊よ、入りなさい。」
「なんだ、あんたたちか。」
「己の罪を、告白するのです。」
「そんなのないわ。」
「なんでよ。人には懺悔しろっていうくせに。」
「悪いことしたって思うんなら、すぐに謝ればいいじゃないさー。」
「そりゃそうだわね。」
「謝ってもどうしようもない罪の意議なんか、もつだけ無駄ってもんよ。
あたしの教えはあたしのため。でもつまらない掟やえらそうなお説教はナシ。」
「ミラさんらしいね、主人公。」
「♪」
さっ、早く次の島にいきましょ!
悪魔の教えをみんなにひろめてやるんだから!
ところでアンタ、本当に懺悔することないの?
ないわよ!
おやつに買ってもらった力二カマがないんだけどー!
……ひもじかったのよ!
懺悔しなさーい!!