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【黒ウィズ】聖サタニック女学院2 Story4

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story




wあそこにゃ!

 駆けつけた君たちが見たのは――。

z……。

 もの言わぬギブンの死体、と。

z……。

 仮面の男だった。

r(家族?)

E何者ッ!

r(え?家族じゃないの……。)

 仮面の男は、君たちを見ると、すぐさま逃げ出す。

E待ちなさい!不審者!

r(不審者……?)

 てっきり家族の誰かだと思っていた君は、咄嵯に体が動かず、気づいた時には仮面の男を見失っていた。

それに足かせをしたままだと、追いつかなかったかもしれない。

Eまさか、あのような者が屋敷に忍び込んでいるとは……。

 追うことを諦め、まず君は倒れているギブンの安否を確かめることにした。

ギブンといえども、救えるものなら救いたい。

そんな所に遅れて、カナメたちも駆けつけてくる。


kどうなっているの?

 君はギブンに触れる。すっかりと冷たくなった体は、物言わぬ彼が死体であることを教えてくれた。

I死んでいるのね?

 君は頷く。

A代わろう。

 ギブンをアリーサに任せ、君は仮面の男がいたことをカナメたちに説明する。

kエレイン、仮面の男に心当たりはないの?

Eいいえ。あんな気味の悪い仮面をつけた者はアルトーパークにはいません。

r(言い切った……)

Iエレイン。こうは考えられない。

あなたの仮面とその男の仮面を、ひとつの平面としてとらえた時、そのふたつの仮面の面積は……同じだと。

E……?

kイーディス。全然関係のない話はやめて。

Iオッケッ!

 Aうっ!こ、これは……!

kどうしたのアリーサ、何か分かったの?

Aいや、またすごい口が臭かった……。やっぱエサのせいだな。

k紛らわしい!

Aあー、眩車がしてきた。

Uあの、もしかしたらあの仮面の男エレインさんの家族なのかも。

 r(ナイス。ウリシラ)

mウリちゃん。仮面の人見たら、すぐにエレちゃんの家族だと思うのはやめた方が良いよ。

rお前なんか死ねばいいのに。

mルルちゃん、急にひどくない!?

rひどくない!

kエレイン、この家の中の、全ての使用人を把握している人はいる?

Eそれならお爺様が。お爺様は我が一族はおろかこの屋敷で働く使用人のことも把握しています。

kじゃあ、あなたたちはそのお爺様に話を聞きに行って。私たちはギブンを調べるわ。

 君はカナメたちと別れ、エレインの祖父に話を聞きに行くことにした。

E少し気難しい所のある方なので……気をつけてください。

 何か良くないことでもあるかのように、エレインは言った。


 ***


Aやはり同じだな……。

 新たに死んだギブンの体をひと通り調べ終えたアリーサは呟く。

カナメは相槌のように、アリーサに言葉を継いだ。

kそう……。これで真相はほぼつかめたわ。

Iカナメ……。

嘘つけ。

k嘘じゃない。

あとは、その仮面の男とやらの正体だけね。

Iそれはあの子たちに任せましょう。

kええ。きっと答えを出してくれるわ。私が思うに仮面の男は、この家の問題ね。

 と、カナメはルルベルたちが走り抜けていった廊下を見やる。

その眼は、後輩たちを見守るようだった。


 ***


 エレインが一室の扉を叩く。

コツコツという丁寧な音の後、返事が問こえた。

zはぁ~~~い。

 かすれたような、気の抜けた声が聞こえてきた。

Eジェラールお爺様。入ってもよろしいですか?

zどぉ~ぞぉ~……。

 声に従い、君たちは中に入った。

jエレインちゃん、こんにちはぁ~~。はい、これお菓子ぃ~。

Eごきげんよう、お爺様。お菓子は結構ですよ。

jお菓子~~食べて~~食べて~~。

E……ではひとつ頂きます。

jお友達かな~~。食べて~~、みんな食べてぇ~。

Uあ、はい。

mありがとう。

rお菓子はなんでもうれしいぞ!

sあ、じゃあ頂きます……。

j何個もあるからね~~。

 君もエレインの祖父が寄越してきたお菓子をひとつ受け取る。

そんなことをしに来たわけではなかったが、君はそのお菓子を口に入れた。

小麦粉を使ったお菓子だろうか。甘くはないがやさしい塩味があり、悪くない味だった。

だが……。

mこのお菓子口の中パッサパサになるんだけど。

Uうん。パッサパサだね。

zまぷう……。

Eお爺様は子供を見ると、この口の中がパッサパサになるお菓子をくださるんです。

rそれはいいけど……何か飲み物はないか。

jぜぇ~たくを言うな。そのぉ~パッサパサが~~いいんじゃないかぁ~。

わしが~子どもの頃はぁ~みんなでそうやって四六時中、パッサパサになったもんじゃ~。

rそれの何が楽しいんだ。

j楽しいとかぁ~楽しくないとかぁ~は、二の次じゃ!パッサパサになるのがいいんじゃぁ~。

mへえーなるほど……いやいや納得できないな。

rお前、いまなんで1回納得したんだ。

jはい、これキャンデ~。食べてぇ~、みんなでキャンデ~食べてぇ~。

 今度はキャンデーを渡された。

一同は合わせたように、同時にキャンデーを口に放り込んだ。

酸!!

rmUw酸っぱ~~!!

 そのキャンデーを口に入れた瞬間、強烈な酸味が口の中を支配した。

押さえられない生理反応として、唾液が滝の如くあふれ出る。

Eお爺様はロがパッサパサになるお菓子の後は、ものすごく酸っぱいキャンディーを下さるんです。

わたくしは食べませんが。

 道理で平然としているわけだと君は涙目になりながら、エレインの説明を聞いていた。

j特製サワ~キャンデ~じゃ~。

Eお爺様、そろそろ満足されたでしょう。わたくしの話を聞いてもらってもいいですか?

jはあ?お菓子食べるぅ~?

E話を聞いてもらってもいいですか!!

jお菓子をもらってもいいですかぁ~?いいですよぉ~。

 一向にかみ合わない会話の中、自然な素振りで、エレインが祖父の仮面の角を鷲掴む。

Eおじいさまッ!

 そして容赦なく頭突きを叩き落とした。あれが得意技なのかな?と君はなんとなく思った。

jエレインちゃん、どいひぃ~。

E皆さん、お爺様は少しぼんやりしているようです。叩き起こしましょう。

 あ、それでいいんだ、と君は思った。

エレインの祖父に叩きつけるため、君は足かせの鉄球を持ち上げた。


 ***


mげんこつ!

 ミィアのげんこつがジェラールの頭の上に落ちる。

仮面で守られているとはいえ、怪力娘の力いっぱいの一撃は脳をぐわんぐわんに揺らしたはずだ。

jあいた~。ミィアちゃん、はい、きりお菓子ぃ~。

m駄目だ。ぜぇんぜぇん効いてない。

 ミィアはお菓子を律儀に受け取り、口をパッサパサにしながら、手ごたえの無さを嘆いた。

r殴るとか叩くとかがもうだめなんじゃないか?

v首をもぎましょうか?そうすれば死ぬ。

r別に殺そうとしているわけじゃないぞ。

vそうでした。

 打つ手を見失った君たちは、しきりにお菓子とキャンデーを渡してくるジェラールをいなしながら、方法を再考した。

ウリシラがぽつりと漏らした。

U私のラッパを使うとかはどうかな?殴るよりいいと思うんだけど……なんとなく。

E案外いいかもしれませんね。なんとなくですがそう思います。

m私もそれがいいと思う。なんとなく。

sみんながそう言うなら、私もそれがいいと思い始めてきた。なんとなく。

Uじゃ、なんとなく、これでいってみるね。

rいやいや……。

 それでいいのか?と君は思った。なんとなく。

sちょっと待って、なんとなく思い出したんだけど、ウリシラのラッパって聞いた人は死ぬんじゃなかったっけ?

 君たちはその事実を聞いて、なんとなく黙ってしまった。

確かに少し良くない気がしてきたのだ、なんとなく。

Eなんとなく……大丈夫じゃないかと思います。そんな気がします。なんとなく。

mきっとなんとなーくうまくいくよ!

Uうん。それなら始めるね。みんなは耳を塞いでいて。

rいやいやいやいや……!

 君はやっぱり、それでいいのだろうか?と思った。なんとなく

だが、なんとなく言い出しかねた。

Uせーの!

 ウリシラがジェラールの耳元で盛大にラッパを吹き鳴らす。

その音は、覆った手の上からでも、聞こえるほどだった。

j……。

 ジェラールはぐったりしている。

……ぐったりしている。

……ずっとぐったりしている。

やっちまったッ!

rなんとなくでやるからだ!!


jいや、目が覚めたのー。ぱっちりじゃー。

 と思ったら目が覚めたらしい。

r甦ったし!

jエレイン、はいこれお菓子ー。キャンデーもいるかー?

rやってることかわんねー。

Eお爺様。

jはいよー。

E教えてほしいことがあります。

jなんでも聞くといいぞー。はて?あんたはなんでマチューの仮面をかぶっておるんじゃー?

 君を見て、ジェラールは妙なことを言い出した。まだ頭がぼんやりしているのだろうか、と君は思う。

Eマチュー?マチューってあの「不幸なマチュー」のこと。

jそうじゃー、昨日もお菓子をあげたぞー。

Eき、昨日……?どういうこと……?

Uど、どうしたの?顔色が悪いよ。そのマチューって人がどうかしたの?

 君は、ウリシラがよく顔色が悪いと気づけたな、と少しだけ思った。

Eだって、マチューは……「不幸なマチュー」はもう死んでいるんです。


 ララーナがアンリの最初の子どもを身ごもった時、ふたりはその子に「マチュー」と名付けた。

ところが、流産によってアンリとララーナはその子を失ってしまい、しぱらくは新たな子を身ごもることはなかった。

そして、ようやく身ごもった新たな命にふたりは再び「マチユー」と名付けた。

マチューは生まれつき病弱だった。やんちゃをして、アンリとララーナを喜ばせることも、嘆かせることもなかった。

わずかな時間を過ごした後、マチューの命は尽きた。

ふたりはそのマチューを「不幸なマチュー」と名付けた。


Eマチューはわたくしの死んだ兄です。……だからお爺様が昨日会うことはないのです。

お爺様もいよいよでしょうか……。

jわしゃー、ピンピンしとるぞー。

 死んだはずの兄・マチューと昨日会ったというジェラール。君はふと思う。

ルルベルも同様のことを考えているのか、目があい、妙に意思が通じ合った。

ふたりの脳裏に、ある人物が思い浮かぶ。

rおい、エレイン。さっき見たあいつが絶対マチューだろ。

Eおほほ……そんなバカな。


「いや、ルルベル様の言う通りだ。」

声が問こえた。振り返ると部屋の前にアンリとララーナが立っていた。

Eお父様?どういうことですか。

Aマチューは生きている。ということだ……。

Eどうして……どうして教えて下さらなかったのですか!

もしや、兄が、兄が、殺人鬼ッ……殺鳥?殺ギブン?あもう、なんでもいいですけど。……だからですか!

Aそ、それは違うぞ、エレイン……!

E嘘よ!

Aエレイン……。

kいいえ、イニス卿の言う通りよ。マチューは犯人ではない。

 いつの間にか、カナメ、イーディス、アリーサが廊下に立っている。

rなんだ?何かわかったのか?

kええ、全部説明してあげるから、みんなサロンに集まって。

 言うと、少女は不敵に笑った。




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皆さんは「オタサーの姫」という言葉をご存知ですか?

大学のサークルや同好会など、特に趣味性が高く男性メンバーが多くを占める場に、紅一点としている女性のことを言います。

そういった場合、往々にしてその女性は、妙にちやほやされてしまうことから「姫」と呼ばれるのです。

ある意味ではあまり良くない言葉だと思います。まあ、それ自体が悪かと言われれば、そうではないですが。

良い影響があるからです。男臭さが和らぎますし、なぜだか知らないが、その場が楽しいもののように思えたりします。

ですが……。

「姫」がその小さな国で独裁者のように振る舞ったり、「姫」を巡って男性同士が争い、関係がギクシャクしたり。

共同体にそういった悪影響を及ぼすこともあるのです。

実際に、そうした状況下で最悪の悲劇が起こったことも、歴史の中ではあります。

そして、今回の事件も……。

まったく男と女というのは永遠の不思議ですね。

失礼。長々と話してしまったようですね。

結局僕が何を言いたいか……もうおわかりですね。つまり……。

僕だって異性に囲まれてちやほやされたいッ!!

ということです。え?僕が何者かって?おや僕としたことが言い忘れていたようですね。僕の名は……。

マパクルスキタン!!魔界ウサギ探偵ですよッ!

Uマパパー?そこにいるー?

マパパー、マパパー。

zおやおや。どうやらご主人様が迎えに来てくれたようです。

悪いけど、あのご主人様!僕専用だからッ!!

Uマパパー?もしかしてそこー?

zさ、皆さんとはお別れです。あまりご主人様を心配させるのはよくないですからね。

皆さんは、解決編をお楽しみください。

Uマパパー?

zまぷう。

Uあ、そこにいたんだね。

zまぷう!

vいたいた。

zまぷう?

v腹が減るのは良くない。

zまぷうッ!?




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