納彩の礼
概要
レア度 | 画像 | マス |
---|---|---|
効果
10
入手方法
ガチャ
物語
仲人に頼んで香の家に縁談を申し入れた日。それは、曹阿牛にとって人生で最も緊張した瞬間だった。その日、朝早くから三つの大きな箱に茶葉や布などを積んでおいたが、それでも足りないと思い、あれこれ考えたあげく、もう一箱、金木犀のお菓子を追加した。曹阿牛は、仲人がそれらを持って出ていくのを見送った後、居ても立ってもいられず、どうしようもなく落ち着かなかった。曹阿牛は香と両想いだったが、曹阿牛の家は決して裕福ではなかった。そこで、曹阿牛はひたすら香の役に立つ物をたくさん用意した。香の両親も自分の誠意に免じて婚約を許してくれればと願った。およそ三、四刻後、仲人がやっと帰ってきた。曹阿牛はあわてて仲人を部屋に案内し、淹れておいた茶を出した。仲人は湯飲みを持ち上げながら、ゆっくりと口を開いた。「最初、香ちゃんの両親は迷ってたけど、あの金木犀のお菓子を見て、考えを改めた。香ちゃんは金木犀のお菓子が大好きで、それを覚えていてくれたなら、きっとこれからも香ちゃんに優しくしてくれるだろうって、縁談を受け入れてくれたよ。」仲人の話を聞いた曹阿牛は、愁眉を開いてほっとした。彼は仲人に何度も礼を言って、頭の中に、恥ずかしそうに自分を見つめる香の表情を思い浮かべた。「香ちゃん、縁起の良い日取りを決めたら、お前を嫁に迎えに行くよ。」曹阿牛はそっと呟き、喜びに酔いしれた。