【ストーリー】EPISODE 16 本気の鬼ごっこ

| EPISODE ◆ 16 本気の鬼ごっこ ハッピービーンズデー |
登場人物
エペル、ジャック、リドル、ヴィル、アズール
テキスト全文
── 学園裏の森 ──
ガシーン!
エペル:「うわあっ!」
エペル:「あ、危なかった……。」
ジャック:「チッ。あともう少しで捕まえられたのに!」
シュバッ!
リドル:「くっ! ジャックのアームも危険だが……広範囲を捉える投網も厄介だ!」
ヴィル:「アンタたち、近付きすぎてはダメよ!」
ヴィル:「もっと敵から距離を取って。数では農民チーム(こちら)が上よ!」
アズール:「!ジャックさん、ここは一旦退きましょう。」
ジャック:「なんでだよ!ここまできて逃げんのか!?」
アズール:「怪物チームは、同じ場所に長時間留まらない立ち回りをすべきだ。」
アズール:「1対1の追いかけっこなら怪物が有利になる仕組みですが……」
アズール:「母数が多い農民チームに包囲されれば終わりです。」
アズール:「先ほどのヴィルさんの言葉、どうも引っかかる……僕たちをどこかに誘導するつもりかもしれない。」
アズール:「虚仮威(こけおど)しの可能性が高い。しかし予想していなかった「乱入」が2度続いている。」
アズール:「着実にいきましょう。」
アズール:「“勝ち”に大切なのは、仕掛ける時より退き際ですよ。ジャックさん。」
ジャック:「グルル……」
ジャック:「チッ、仕方ねえ!」
ザザッ!
エペル:「や、やった! 怪物チームが逃げでぐ!」
ヴィル:「やはり警戒したわね。ブラフだったけど、アズールが慎重な性格で助かったわ。」
ヴィル:「……でも、はったりだってほとんど見透かされてた。」
ヴィル:「アタシの迫真の演技が通じないなんて……」
ヴィル:「慎重なのが厄介なところでもある。」
リドル:「はぁ、はぁ……危ないところだった。」
リドル:「エペル、ヴィル先輩、加勢に感謝します。」
ヴィル:「お礼の言葉は必要ないわ。それより移動しましょう。」
ヴィル:「撤退したと見せかけて、仲間を連れて戻ってくる可能性がある。」
リドル:「わかりました。」
リドル:「農民チームであるケイトと、ユウたちが植物園のほうへ向かっていたと情報があります。」
リドル:「そちらと合流するというのはどうでしょう。」
ヴィル:「ええ、それでいいわ。」
ヴィル:「アタシも、さっきまでは仲間がいたのだけれど……」
ヴィル:「「やむを得ず」失ってしまったの。早く味方を増やしましょう。」
ヴィル:「アンタがいれば、ハーツラビュルの農民チームは“力での説得”ナシに付いてきてくれそうだしね。」
ヴィル:「それじゃあ、植物園に向けて移動を開始するわよ!」
サクサク……
ヴィル:「それにしても……さっきのアズール。すでに全身を希少な装備で固めてた。」
ヴィル:「アタシが2年生だった頃……」
ヴィル:「やたらハッピービーンズデーについてあの子に尋ねられたことがあったわ。」
ヴィル:「あれは、過去の大会での戦況や、補給物資の情報を得るためだったのね。」
リドル:「そのようです。ボクも同じことが気になり、先程アズールに質問してみたのですが……。」
リドル:「聞かされた計画の数々はもはや行事に対する前向きな姿勢を通り越し、執念に近いものを感じました。」
エペル:「昨日のルークサンといい、なんか怪物チームの人たちって本気すぎてちょっと怖い……かな。」
ヴィル:「そう? アタシは、斜に構えて適当に流しているほうが粋じゃないと思うわ。」
ヴィル:「それに……こんな大人数で本気の鬼ごっこなんて、大人になったらきっと出来ないわよ。」
ヴィル:「全力で楽しみましょう。」
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