【ストーリー】EPISODE 7-53 平穏デイズ!

| EPISODE ◆ 7-53 平穏デイズ! 深淵の支配者 |
登場人物
セベク、マレウス、リリア、シルバー、グリム
テキスト全文
── ディアソムニア寮‐談話室 ──
セベク:「若様! リリア様!シルバーを連れて参りました!」
マレウス:「ようやく来たか。待っていたぞ。」
リリア:「はは、髪がボサボサじゃし、帽子も曲がっておる。どこぞで昼寝でもしていたのか、シルバー?」
シルバー:「マ、マレウス様……親父殿……。」
マレウス:「おや。そこにいるのはユウではないか。」
マレウス:「お前も僕たちを激励に来てくれたのだな。ふふ……。」
マレウス:「食べ物も、飲み物も、いくらでもある。心ゆくまで楽しんでいくといい。」
選択肢:
├ [ 送別会じゃなくて、激励会? ]
└ [ (これは夢……なんだよね?) ]
グリム:「あれ? リリアは魔法が使えなくなったから学園を中退するはずだろ?」
マレウス:「魔法が使えなくなった? 学園を中退?……リリアが?」
リリア:「一体なんのことじゃ? 他の誰かと勘違いしておらんか。」
セベク:「こ……この魔獣! 何を縁起でもないことを!!!」
セベク:「リリア様に限って、そんなことがあるわけないだろう!!!」
グリム:「うるせーっ! 耳元で大声出すんじゃねーんだゾ!」
グリム:「あ、でもそっか。ここは夢の世界だから……」
グリム:「ん?んん?」
グリム:「ユウ、ここは夢の中だよな?それとも、さっきまでのほうが夢?」
グリム:「オレ様、わけわかんなくなってきたんだゾ。」
マレウス:「ここが夢の中だと?」
マレウス:「ははっ、面白いことを言う。」
マレウス:「お前たちも寝ぼけているようだな。シルバーの昼寝に付き合ったのか?」
マレウス:「僕たち3年は進級したら学外研修に行くことが決まっている。」
マレウス:「僕は赤竜の国の遺跡調査に、リリアは英雄の国にある魔導補装具の企業へ行くそうだ。」
シルバー:「魔導補装具って……医療福祉に使われる、あの?」
リリア:「おう、そうじゃ。」
リリア:「茨の谷は機械文明を忌み嫌う者も多いが……」
リリア:「技術を持ち帰れば、役に立つことも多いだろう。」
セベク:「さすがはリリア様。茨の谷の未来と発展を見据えておられる。」
シルバー:「親……リリア先輩。茨の谷に……あの森の家に、戻るんですか?」
リリア:「ん? 無事に卒業試験を突破できれば帰郷するつもりだが……なぜそんなことを聞く?」
リリア:「茨の谷は、わしらの故郷。お主と暮らしたあの森の家こそ、わしの終生の住処よ。」
シルバー:「…………………。」
リリア:「どうした、シルバー? 顔が真っ青だぞ。」
リリア:「まるで悪い夢を見ているような顔じゃ。無理をせず、部屋に戻って休め。」
シルバー:「……………………」
シルバー:「っ。」
シルバー:「そのとおりです、リリア先輩。」
シルバー:「これは……全部、悪い夢だ。」
シルバー:「俺たちを眠りの中に引き留めようとする、都合のいい夢。」
え?
セベク:「おいシルバー、趣味の悪い冗談はよせ。祝いの席だぞ!」
シルバー:「冗談なら、どれだけ良かったか……!」
セベク:「は? 何を言ってる。」
セベク:「まだ寝ぼけているのか、貴様!?」
シルバー:「思い出せ、セベク。お前が眠りに落ちる前のことを!」
セベク:「眠りに落ちる……前?」
シルバー:「リリア先輩は魔力が尽き、学外研修を前に学園を中退し……赤竜の国に移住する予定だった。」
シルバー:「学園のみんなを招いた送別会の夜……マレウス様がご乱心なされて……」
シルバー:「お止めしたが、力及ばず……あの場にいた者は全員眠らされている。」
セベク:「な……な……何を言っている!?若様がご乱心だと!?」
セベク:「若様は常に冷静沈着でいらっしゃる。そんなことあるわけがないだろう!」
マレウス:「シルバー、お前は本当に良くない夢を見ていたようだ。」
マレウス:「今日はもう下がれ。今ならお前の無礼を許そう。」
リリア:「マレウスの言う通りじゃ。何より、わしがお主を置いて遠くに行くわけがない。」
リリア:「なにも心配はいらぬ。お主が学園を卒業したら、またあの森の家で共に暮らそう。」
リリア:「ずっと一緒に……」
リリア:「な?」
シルバー:「…………………」
シルバー:「っ。」
シルバー:「…………“現実の”あなたがそう望むなら、いつまででも側にいたかった。」
シルバー:「でも……違う!この世界も、あなたも……全部まがいものだ!!」
リリア:「シルバー、何を……。」
!!!
マレウス:「それ以上戯言を吐くのなら容赦はしないぞ、シルバー。」
マレウス:「お前……さては“醒めて”いるな?」
マレウス:「なぜ安寧を乱そうとする? ここでは、お前たちの願いがすべて叶うというのに……」
シルバー:「醒めて……」
シルバー:「はっ、マレウス様!? あなたは、まさか……」
シルバー:「眠らせた者の夢を監視し、干渉を!?」
マレウス:「監視? 干渉?」
マレウス:「ふふっ……何を馬鹿なことを。統治は王として当然の責務だろう?」
マレウス:「見守っているんだ。」
マレウス:「御伽話の住人になったお前たちが、悪夢に囚われることがないように……」
マレウス:「幸せな夢が、永遠に続くようにな!」
シルバー:「……お願いしますマレウス様!どうか、どうかいつものあなたに戻ってください!」
シルバー:「親父殿も、こんなことは望んでいないはず!」
グリム:「ふぎゃっ!?」
マレウス:「聞こえなかったか?」
マレウス:「それ以上の戯言は、お前であっても容赦しない、と。」
グリム:「シ、シ、シルバー! アイツめちゃくちゃ怒ってるんだゾ。ここは謝っておいたほうが……。」
シルバー:「………………スゥーーー、ハァーーーーーー。」
シルバー:「──お許しください、マレウス様。」
シルバー:「元のあなたに戻っていただくためには……もう、こうするしかない!」
リリア:「シルバー!? お主、何をするつもりじゃ!」
セベク:「貴様! 若様に武器を向けるなど……血迷ったか!?」
セベク:「お下がりください、若様! ここは僕が!!!」
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