【ストーリー】EPISODE 7-83-16

| EPISODE ◆ 7-83-16 暗闇サーチ! 深淵の支配者 |
登場人物
セベク、マレウス、リリア、シルバー、グリム
テキスト全文
セベク:「若様! 国外の魔法士養成学校へ入学されるというのは本当ですか!?」
マレウス:「ああ。先日僕に入学許可証が届いてな。元老院の連中はいい顔をしなかったが……。」
マレウス:「おばあさまが、良い機会だから外の世界を学んで来いと。」
セベク:「なんと……! すでに世界に名だたる魔法士のひとりであらせられる若様が、民草と同じ学び舎に。」
セベク:「若様と共に学園に通える人間は、みな感激に打ち震え涙するに違いありません!」
セベク:「して……若様はどんな学園に入学されるのですか?」
マレウス:「黎明の国のナイトレイブンカレッジだ。」
セベク:「ナイトレイブンカレッジ!! 世界的に有名な名門校ですね。さすがは若様でいらっしゃいます!」
セベク:「僕の兄も同校を卒業しました。黎明の国は茨の谷より温暖で、冬でも過ごしやすいと聞いております。」
セベク:「しかし、黎明の国とは……英雄の国と陽光の国、珊瑚の海をまたいだその向こう。」
セベク:「そんなに遠い土地へ、おひとりで……」
セベク:「全寮制で人間に囲まれた慣れない生活……ご苦労の連続に違いない。ああ、僕がお伴をできれば!」
リリア:「いいや、マレウスはひとりではないぞ。わしが伴をする。」
セベク:「リリア様が!?」
リリア:「うむ! 実はかなーり昔の話じゃが、わしにも入学許可証が届いていてのう。」
リリア:「学園に確認したところ、古い許可証でも問題なく入学できるらしい。」
リリア:「そこで、わしもマレウスと一緒に入学する事にしたんじゃ!」
セベク:「外国に詳しいリリア様がご一緒とあらば、百人力ですね! 安心いたしました!」
リリア:「わしも長いこと生きてきたが、学校に通うのはこれが初めて。くふふ、楽しみじゃのう!」
マレウス:「しかし……片付けが苦手なお前が長年許可証を失くさずにいられたとは。」
マレウス:「話を聞いた時は驚いたぞ、リリア。」
リリア:「ああ……保管していたのはわしではないのだ。」
リリア:「入学許可証が届いた当時、わしはバリバリの現役じゃったし……」
リリア:「学校なんぞに興味はないと捨ててしまったんじゃ。」
リリア:「だが……」
リリア:「わしがビリビリに破いて捨てた紙片をくずかごから拾い、丁寧に修復して王宮の書陵部に預けた奴がいた。」
リリア:「貴族のくせにくずかごから物を拾うとは。本当に目ざとい男じゃ……“あいつ”は。」
マレウス:「あいつ?」
リリア:「……古い友人だ。今はもう星になってしもうたが……。」
リリア:「せっかくの機会じゃ! あやつの分まで学園生活をエンジョイしてやるぞ!」
マレウス:「……そうだな。4年という短い時間だが、共に楽しもう。」
セベク:「くう〜〜〜〜ッ! 僕もご一緒したかった!僕があと2年早く生まれていれば!」
セベク:「待っていてください若様、リリア様!このセベク、必ずや魔法の鍛錬を積み、」
セベク:「おふたりと同じナイトレイブンカレッジへの入学を果たしてみせます!」
マレウス:「ふふ、そうだな。お前やシルバーも学園に来れば、随分賑やかな生活になりそうだ。」
シルバー:「…………」
シルバー:「ハッ!すみません、今、俺のことを呼びましたか?」
セベク:「貴様! ずっと黙っていると思っていれば若様の前で惰眠を貪っていたとは! 不敬だぞ!」
リリア:「………………………。」
リリア:「「妖精はもっと人間を知り、人間にも妖精を知ってもらうべき」……か。」
リリア:「もしやお主は、遠い未来……自分の息子がかの学園に入学することを見通しておったのか?」
リリア:「まったく、恐れ入る。竜眼公よ。」
セベク:「……そうか。」
セベク:「リリア様の入学許可証を書陵部に保管させたのは、竜眼公……マレウス様のお父上でいらしたのか。」
グリム:「マレウスの母ちゃんは怖いカンジだったけど、もしかすると父ちゃんは優しかったのかもしれねーな。」
セベク:「…………。」
セベク:「……こんなところでもたもたしている時間はない。」
セベク:「一刻も早くシルバーの奴を連れ戻し、リリア様と若様のもとへ馳せ参じねば!」
セベク:「さあ行くぞ、グリム!ユウ!」
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