【ストーリー】EPISODE 0 フロイドの願いごと

| - フロイドの願いごと - |
登場人物
フロイド、オルト、イデア
テキスト全文
── オクタヴィネル寮‐フロイドの部屋 ──
フロイド:「オレの願いは~……」
フロイド:「『新しい靴が手に入りますように』」
オルト:「フロイド・リーチさん、前にも靴のカタログを夢中で見てたし、本当に好きなんだね!」
イデア:「……欲しいなら買えばいいのでは?わざわざこんな内容にしなくても……。」
フロイド:「わかってねーなぁ、ホタルイカ先輩。」
フロイド:「簡単に手に入んないからお願いするんじゃん。」
フロイド:「オレの欲しい靴、スマホで見せたげんね。」
フロイド:「――ほら、これ。シンプルなレースアップだけど爪先の形がかっこいーでしょ。」
オルト:「わあ……!青みがかった黒のカラーが格好いい!」
フロイド:「クリオネちゃん、いいとこに目つけたじゃん。」
フロイド:「この色、職人が1つ1つ手染めしてるんだってさ。
オレも自分専用に染めたくて〜。」
イデア:「ほほう、靴もプラモみたいにオリジナルで
全塗装するとカッコいいという文化が……」
イデア:「って、ちょ、ちょっと待って!」
イデア:「画面に表示されてるブランド名『テネーブル』って、
オサレに無縁な僕ですら知ってる超高級靴ブランド!」
イデア:「ってことはお値段も相当……」
イデア:「ひっ、36万マドル!?」
オルト:「すごい高級品だね!」
フロイド:「だから言ったじゃん。「簡単に手に入んない」って。」
フロイド:「オレぇ、去年より足がでかくなったから木型も調整しなきゃだろうし……。」
イデア:「木型って!? つ、つまり形も塗装も
フルスクラッチの靴ってこと!?」
オルト:「兄さん、検索したら靴はスクラッチじゃなくて「フル
オーダー」や「ビスポーク」っていうみたいだよ。」
イデア:「理解に苦しむ……
学生でこんなの履く必要とは?」
フロイド:「陸に来る前、親父に言われたんだよね~。」
フロイド:「「細かいところに気を使わない奴はなめられる。陸に上がったなら足元にこそ気を使え。金を惜しむな」」
フロイド:「……ってさ。」
イデア:「えっ、なんか怖っ。
フロイド氏のお父さんっていったい……」
フロイド:「えー聞きたい? あのね~……」
イデア:「あ、いえ。語らなくて結構です。」
イデア:「なんかイヤな予感がするし、真相を知って
闇に葬られるとか御免こうむるので。」
オルト:「僕も誰かにナメられないように、足元をさっきの革靴みたいなパーツにしたほうがいいかな?」
イデア:「い、いや……今のはレアケースというか真似しなくていいと思う……。」
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