【ストーリー】EPISODE 2-8 優しい小鬼ちゃんだね

| - 優しい小鬼ちゃんだね 俺は忠告したぜ? |
登場人物
サム、トレイン、カリム、ジャミル、スカラビア寮生A、スカラビア寮生B、スカラビア寮生C
テキスト全文
── 購買部前 ──
サム:「ああ、よかった……マジカメモンスターがいなくなった。」
トレイン:「お前たち、なにがあったのか洗いざらい話してもらおうか。」
カリム:「それがさあ……。」
ジャミル:「アイツら、どこでもお構いなしにポイ捨てするんです!」
トレイン・サム:「ポイ捨て?」
ジャミル:「ゴミ箱の周辺を見てください。」
トレイン:「ふむ、ゴミ箱の周辺……」
トレイン:「うっ!すごい悪臭だ!!」
トレイン:「甘ったるい香りの中にツンとすえた腐臭が混ざっている……。」
サム:「捨てられているのは……」
サム:「ミステリーショップで売っている『ナイトレイブンカレッジワッフル』じゃないか!」
サム:「Wack…ゴミ箱から溢れかえって地面や草木の中にもたくさん捨てられている。」
サム:「ナイトレイブンカレッジの林檎をジャムにした特製ワッフルだったのに……」
サム:「一体なにが悪かったんだ!?」
ジャミル:「問題は味ではありません。」
ジャミル:「マジカメモンスターはただ可愛いワッフルの写真を撮って、マジカメに上げたかっただけ。」
ジャミル:「食べるためにワッフルを買ったんじゃないんです。」
ジャミル:「だから、写真を撮った後は「今お腹いっぱい」「持ち歩くのは面倒くさい」と言って……」
ジャミル:「すぐにワッフルを捨てる!」
トレイン:「食べ物を粗末にするとはなんと罰当たりな奴らだ。」
サム:「じゃあジャミルくんは、捨てられたワッフルのために怒ってくれたのかい?」
サム:「優しい小鬼ちゃんだね。ありがとう……。」
ジャミル:「違います!!」
ジャミル:「腑抜けたことを言っている場合ではありません。食べ物を捨てると……」
ジャミル:「……”ヤツ”らが出る!」
トレイン・サム:「やつら……?」
カサカサ……ッ
ジャミル:「うわーーーーーッ!!」
ジャミル:「出た! ”ヤツ”だ!」
サム:「やつって……。」
トレイン:「もしかして、捨てられたワッフルに集まっている虫のことか?」
ジャミル:「そ、そ、そうです!!!」
カリム:「ジャミルは虫が大ッ嫌いなんだよ。」
カリム:「小さい頃に好物のデーツの中に虫が混じっていたことがあって、それからダメになっちまったんだ。」
ジャミル:「思い出させるな!」
ジャミル:「あの時は食べる前に気付けたからよかったものの……ああ、思い出すだけでも鳥肌が立つ!」
ジャミル:「食べ物を放置すれば、虫が寄ってきます。」
ジャミル:「それも屋外ならなおさらです!」
トレイン:「確かにポイ捨ても虫が湧くのも問題だが……なにも全部燃やそうとしなくてもいいだろう。」
トレイン:「虫除けを使う。定期的に掃除をする。他にもなにか手段はあるはずだ。」
ジャミル:「すべて試しましたが、お客さんの数が多すぎてそれではとても間に合いません。」
ジャミル:「油断するとすぐに湧いてくる。マジカメモンスターも虫も同じです。」
ジャミル:「……根絶やしにしなければ!」
スカラビア寮生A:「お客さんたち、僕たちが注意しても「買ったものをどうしようが自由」って話を聞かないんです!」
スカラビア寮生B:「みんなで力を合わせて作ったハロウィーンの飾りもワッフルで汚れてしまいました……。」
スカラビア寮生C:「副寮長が怒るのも当然だ。仕返しされたって文句は言えない!」
スカラビア寮生B:「そうだそうだ!お尻が焦げちゃえばいいんだ!」
トレイン:「いいわけないだろう!」
トレイン:「すっかり頭に来てしまっている……。」
トレイン:「まさか副寮長のバイパーがゲストとトラブルを起こすとは思っていなかった。」
サム:「マジカメには『ナイトレイブンカレッジワッフル』の写真が溢れてる。」
サム:「今さら、俺が売るのをやめても写真を見たお客が次々にやって来ちゃうだろうねえ。」
トレイン:「このままでは衝突は避けられんな……。」
トレイン:「アジーム。他の運営委員とともに、寮生とゲストがこれ以上問題を起こさぬよう見張りなさい。」
トレイン:「ハロウィーンを安全に進めるためだ。」
トレイン:「ただし! 魔法を使おうなどとは絶対に考えないように! いいな?」
カリム:「えーっと……」
カリム:「……わかった!オレに任せてくれ。」
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