チャーシュー
キュイの資料
チャーシューは中国広東地域の料理で、広東料理に属する。豚の肩肉が使われることが多く、紅糟(ホンツァオ)もしくは紅腐乳(ホンフゥルゥ)に料理酒、はちみつを加えて肉を漬けこんだ後、焼けば完成である。
より詳しくは、チャーシューには赤身チャーシュー、脂身チャーシューの2種類がある。その名の通り、赤身チャーシューは赤身だけで作られ、歯ごたえがある。脂身チャーシューは一般的なチャーシューで、肩肉の他、肩ロースやバラ肉でも作ることができる。より柔らかく、肉汁の多いのが特徴で、噛むうちに赤身の間の脂身があふれ出し、香りが口いっぱいに広がり、そのうまさゆえに人気がある。
調理の際、チャーシューは12時間以上漬け込まなければならない。紅糟または紅腐乳の作用は色付けであるため、家庭ではチャーシュー用のたれで代替でき、紅糟に漬けることでチャーシューの色合いは一層食欲をそそるものとなる。料理酒で香りをつけ、蜂蜜はチャーシューの重要な味----甘さの決め手となる。白砂糖に比べて蜂蜜の方が優しい甘さである。上述の3種類の調味料の他にも、五香(ウーシャン)、蒜蓉(スアンロン)、姜葱(ジャンツォン)、陳皮などを加えるのが一般的である。
チャーシューの焼き方には炙り焼きと蒸し焼きがある。炙り焼きは北京ダックの吊るし焼きのようなもので、果物の樹を用いて直接火に当てて焼く。蒸し焼きは高温のかまどで密封して焼き上げる。北京ダックの蒸し焼きに近い。一般的には、炙り焼きチャーシューでは外側の皮を香ばしく、内側を軽い食感に焼き上げるのがよいと言われており、シェフの腕の見せ所である。広東では、チャーシューは人々の日常生活と切っても切り離せない。チャーシュー腸粉、チャーシュー飯、チャーシューまんなど、チャーシューを使った料理は枚挙にいとまがない。さらに“チャーシューは食えても子は食えぬ”ということわざがあり、母親が子に教えることが多い。意味としては、チャーシューを作れば腹の足しにはなるが、子供を作っても面倒が増えるだけだ、ということになる。チャーシューがどれだけ高い地位にあるかがうかがえる言葉である。