スクルドのメモリー
プロフィール
スクルド | |||
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身長 | 164cm | 体重 | 46kg |
血液型 | AB型 | 誕生日 | 8月9日 |
ラメント | Falling Down (日 / EN) | ||
Song by | mahina | ||
CV | 泊明日菜 | ||
いつもみんなを優しい眼差しで見守っている、薬学者のお姉さん。幼い頃に出会った3人の少女の姉的存在。薬草の収集や研究に没頭すると周りが見えなくなる。 |
メモリ一
1話
私には姉がいた。長女のウルドと、次女のベルダンディ。
賢いウル姉と、オシャレなベル姉。二人は私の憧れだった。
ある日、両親と姉さん達に連れられて、とある辺境の集落に行った。
そこで三人の女の子と出会った。
姉さんから薬学の研究のため数年滞在すると聞いて、少しだけ私はワクワクした。
新しい薬草を見つけた時のあの感じと一緒。
だって、新しい友達……いいや、妹が三人も出来たんだ。
いつもは末っ子だけど、あの中では私が一番年上。
だから私があの子達の姉さんだ。
2話
それから時は流れ――ついに集落から離れることになった。
あの子達は泣きながらも、笑顔で見送ってくれた。
私は学校に通わないといけないけど、休暇がとれたら、必ず会いにこよう。
しかし、その約束は――、ある日を境に果たせなくなってしまった。
姉さん達が死んだ。事故だった……。
一瞬で、光が消えるように私の世界は暗雲に包まれた。
最初に変わったのは母さんだった。
ある日を境に、母さんは私をウルドと呼ぶようになった。
3話
母さんは、妄想に取り憑かれてしまった……。
ウル姉がまだ私と同じ歳の頃に、ベル姉がまだ腹の中にいた頃に……。
私が、スクルドが生まれる前に時間が戻った……。
母さんは私をウルドと呼び続け、そんな生活に嫌気がさし父さんは早々に出ていった。
残された私は、壊れてしまった母を見ていれず、
逃げるように学校で研究に没頭した。
この時だけ、私は私でいられた。……心が自由になれた。
少し不愛想で、とっつきにくい同級生もいて……楽しかった。
だけど分かっていた。家に戻れば、
また私はいなくなる……。
4話
うちに帰ると、中から笑い声が聞こえた。
母さんが、笑っている?
私が知らない所で、母さんは立ち直っていた。
知らない男の人がずっと母さんを支えていたんだって。
まだ私が、ウル姉だと思って、ベル姉は流産したと思い込んでいるみたいだけど……。
でも急に、それぞれの人生を歩みましょう、好きに生きて――と言われても。
私は今までそれなりに母さんを支えてきたつもりだった。
私の人生って、何だったんだろう……。
結局、最後までスクルドとしては見てくれなかった。
スクルドって――本当に存在するのかな。
5話
ウルド、ベルダンディ、スクルド。私達は、三人姉妹。
だけど、姉さん達が死んで母さんがおかしくなって、
私の人生は消えてしまった。
自由に生きてと言われても、ていのいい厄介払い。
私は名前だけじゃなく帰る場所も失ってしまった。
いいや、そもそも最初からなかった。
私は姉の付属品で、
最初から私が私でいられる場所なんて、どこにも……。
私は一体、誰なんだろう……。こんなの存在していないのと同じだ。
私自身、私が何者か証明する術を持っていない。
だからきっとスクルドは存在しない。
6話
スクルドは死んでいる。
意識だけが取り残されているだけで……生きてなんていない。
なのに、どうしてまだ私は死ねない?
早く消えて、お願いだから……
早く、消えろっ……
『スクルド……』『スク姉……』
誰かの声が聞こえた。私を、スクルドを、呼ぶ声。
これは過去の記憶……あの子達との思い出。
私をスクルド姉さんと呼んで慕ってくれた、
あの子達との思い出……。
これは私しか持っていない。
帰る場所があるからこそ、人は自由になる。
帰る場所のない自由は孤独なだけ。
私が私でいられる場所、それを見つけたんだ。
これで、やっと……
私は本当の自由を手に入れた。
第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
第6話
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