チェルナのメモリー
プロフィール
チェルナ | |||
---|---|---|---|
身長 | 158cm | 体重 | 43kg |
血液型 | B型 | 誕生日 | 不明 |
ラメント | CRYING BLUE (日 / EN) | ||
Song by | 小林マナ | ||
CV | 小林マナ | ||
チェコスの旧首都にアトリエを構える、変わり者の画家。廃墟同然の場所で故人の絵を描き続けているため周囲からは不気味がられている。絵を描くこと以外に興味がないらしく、自分の年齢すらも忘れてしまっている。 |
メモリ一
1話
ああ、またカビてやがる。
10日前に描いたばっかりだってのに防腐剤が効かなかったのか。
今度はもっと部屋に火を焚いておかないと……
国のやつらが"呪い"と呼んでるこの長雨は、私にとって相性最悪の呪いだ。
なんたって、顔料から画材からみんなみんな湿気てダメになっちまう。
せっかく描いた弟子の肖像だったがこりゃまた書き直しだ。
はぁ……ごめんな、もう道具がないんだ。
お前さんとはしばらくまた会えなくなっちまうな。
2話
カビちまった弟子を置いて気晴らしに外に出てみたはいいものの、
目の前にあるのは水没した廃墟と雨雲だけ……。
まったく、つまらない景色だ。
呪いだなんて理不尽なものがなければ、今もこの街は
活気あふれる以前の姿のままだったんだろうか。
……私の弟子も、友も、まだ私の隣で笑っていたんだろうか。
画家仲間をはじめとした街のみんなは、呪いの化け物に追われるようにして越してった。
他に恵まれた場所があるんだから、当たり前っちゃあ当たり前だな。
ふぅ……さて、なんか画材に使えそうなもんはないかな。
3話
私は世間で言うところの魔女ってやつだ。
厄介者扱いされてるのはわかってる。
だから私はこの廃墟に残った。
この街以外に私を受け入れてくれるようなところはないだろうからな。
そんなことを考えていたら、無人となった建物の中に誰かが倒れているのが見えた。
あれは……私の幼馴染かな。
……ああ、街を出るときに獣にやられちまってたのか。
私の弟子といい、ツイてないやつが多いこった。
4話
さて、画材も顔料もないってのに描かなきゃいけないもんが増えちまった。
まあ……アイツ自身を使えばいいさ。
色は単色になっちまうけど、我慢してくれよ。
ここには倫理も、道徳もない。
あるのはせいぜい、私の自己満足と感傷くらいだ。
赤、紅、朱色に緋色。そして白――
アイツの色は、これで全てだ。
濃淡と陰影で、記憶の中の面影を追うようにキャンバスを埋めていく。
限られた量の画材。描き直しの許されない、一発勝負の肖像画。
アイツの色で、アイツの生き様を刻む。
弔いのつもりはなかった。これは、あくまでも自分のためだ。
聴きなれちまった雨音の中で、私はひたすら筆を走らせた。
5話
何日もぶっ通しで書き続けたアイツの肖像画は、
ちょうど絵の具を使い切るのと同時にようやっと完成した。
……私が死んだらこの絵もきっと腐ってなくなっちまうんだろう。
まあ、私は別にそれでいい。構わないさ。
だけど、ここに街があったこと、人間がたしかに暮らしていたこと……
その全部が忘れられちまうってのはちょっと悲しいな。
この雨がやんだら、今度はもっと大きな絵を描こうか。
6話
……大作ってのは時間がかかるもんでな。
久しぶりに太陽を拝んでからそれなりに経ったけど、まだその絵は完成しちゃいない。
だから、私は息抜きにお前さん――そう。ここの領主を主題に一枚描くことにした。
ん? あぁ、大丈夫だ。おかげさまで、今は画材にも困ってないからな。
それにお前さんは、どうせどんな絵の具で塗ったって手前の色になっちまう。
……ったく、難儀な題材だよ。
でも、だからこそ描きたいって思ったのさ。久しぶりに、生きてるうちにな。
なぁに、天才画家のチェルナ様が本気で描いてやるんだ。
悪いようにはしないさ。
第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
第6話
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